「山の中でひとり」 第148話
「わざわざこんな遠くまで、弟を連れて帰ってきてくれたんですから、おもてなししないと…」 「いや、酒を飲まないので…」 「まま、そうおっしゃらずに…」 おじいちゃんが押され気味だ。ちょっと助け船を出そう。 「おじいちゃん。おじいちゃん。おばあちゃんにこれ習って。うち帰ってして。ね。して?」 「しょうがねぇなぁ。ちょっと呼ばれてるんで…」 そう言っておじさんのお酒を断って私たちのところに来た。上手く逃げられたから少し嬉しそうだ。相変わらず表情に出ないけど。
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