「山の中でひとり」  第156話
5e40a5ed2b-1236328794.png  それから持ってきた体操服に着替えて、おじさんが用意してくれていた部屋で寝た。
 もう身体に合わなくなって、すこし小さい。落ち着いたら新しいのをおねだりしよう。
 自己嫌悪で眠れないんじゃないかと心配していたけど、案外すぐに眠れた。

 朝。早起きして、朝ご飯を作るのを手伝った。
 おじさんとおばさんは昨日ケンカしていたのに、もう仲直りしたみたいだった。
 なんだかんだ言っても二人は仲良しさんなんだと思う。
 でもタカヨシ君が私から目をそらして、お話ししてくれなくなった。
 何度も話しかけようとしたら、とうとうタカヨシ君はおばさんの後ろに隠れてしまった。
 昨日の私は嫌な子だったから、嫌われたのかもしれない。
 そう思うと悲しかった。
 そんな時なのに、おばさんの胸が昨日より大きいことに気が付いてしまう自分がもっと嫌だった。
「先生にトレーニングを欠かさないように言われてますから…」
 そう言って、お庭で朝の運動をした。
 こういうどうしようもないモヤモヤした気分は、運動で誤魔化そう。
 汗だくになれば、流した涙も分からなくなるから、運動で誤魔化そう…

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