「山の中でひとり」  第166話
1237162203413.png  新品のポリ容器を開くときのピキピキピキって言う音と感触が好きだ。
 おじいちゃんの納屋で見たコトのあるパッケージだ。
 なみなみと湯飲みにそそぐ。あまり刺激臭は感じない。

   あなた、がいこくで売春をしていたそうね?
   どうして、そんなコトをしたのかしら?
   アナタに私のショックが理解できますか?分かりますか?
   むりでしょうね。
   いったい、何人にマタを開いたの?
   アナタなんかが覚えているわけないわね?
   けがらわしい。

   読み返しながら、隠れ家を思い出す。手の震えが止まらない。
 お母さん。アナタにカントに捻り込まれたお札を引き抜くときの気持ちが分かりますか?
 ははは。
 お母さん。アナタにお尻をファックされた時、突き上げられた内臓に押し出されて、カエルのような声を上げた時の苦しさが理解できますか?
 お母さん。アナタは何度もファックされた時の、まるで麻の布で擦り上げられたような痛みを知っていますか?
 内臓が傷ついた時の、意味の分からない、まるで世界が縮んでいくような不安感が理解できますか?
 あははははははははは。
 お母さん。アナタに満足したお客さんにオシッコをかけられた時の、もう今日は終わったたんだっていう安堵感が理解できますか?
 あはは、あは。あはははははっはあはははははははは。

 私は湯飲みを持って一気に飲み込んだ。

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