吐き気をこらえながら、湯飲みに2敗目を注いで飲む
それからアナタは人殺しになったのね
お友だちからのお手紙に、人をウサギやネズミと思えって書いてあったわ
それであなたの罪が消えるのかしら
アナタは楽になったでしょう
でも、アナタに殺された人の苦しみは消えない
アナタが守ったケシの花でどれだけの人が苦しんだと思う?
何人殺したの?一人?二人?それとも10人?
それを知った後の私の苦しみが理解できますか?
私を殺したのは、アナタの人生そのもの。
私はアナタのせいで死ぬのよ。
だから、アナタはアナタが殺した人たちのために、死ぬべきです。
この先アナタが幸せになる権利なんてないの。
何人も殺した。
楽園では自分が助かるためにエディカルも殺した。
あははは。ごめんなさい。あははははは。
ごめんなさいお母さん。
湯飲みを持って、また液体を飲み込む。我慢できない。吐きそうだ。
初めて殺したのは、目隠しをされて後ろ手に縛られた逃走奴隷だった。
彼は大きく震えて泣きながら、何かをつぶやいていた。
まだ言葉が分からなかった私には、それが呪いの呪文のように聞こえた。
子供だった私を信用していなかった小隊長が私に殺せといった。彼は銃を渡して言った。
「もう売春婦に戻りたくないだろ?」
その通りだ。
だから私は撃った。
ちゃんと急所に当たらなかったから、何発も打った。
弾切れするまで打ち続けた。
そうだ。私は身勝手な理由で人を殺したんだ。
自分を誤魔化しながら、何人も、何人も…
だってしょうがないじゃない。
もう、あそこには返りたくなかったのだから…
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