「ごめんなさい…」
我ながら謝意の感じられない言葉だった。
もう一度、思いっきり私の顔を叩いておばさんはまた出ていった。
「お母さん、どこ行くの!?」
「トイレよ!!来んな!!」
あぁ、おばさんが怒ってる。どうしよう…
つらい。
うなだれたとき、一瞬、テレビ台の袖机にお母さんを見た。
優しく微笑んで手招きをしていた…、様な気がする。
でも何度見直しても、そこにはいなかった。
私のことを心配そうに見るタカヨシ君の視線が痛かった。
私がどうしてもタカヨシ君の目を見れなかったのは、
おっかなびっくりオシッコ袋を定位置に直してくれていた。
彼に対する気恥ずかしさせいだけじゃない。
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