ショックだった。それ以上に鼻歌交じりで手を拭きながら部屋を出て行ったさっちゃんに頭にきた。
足の痛みをさっちゃんの事を考えて紛らわす。
何時間かわからないけど、長い時間がたってからさっちゃんが戻ってきた。
「ひどい顔ね。ちゃんとお薬が効かなかったのかしら?」
「どうして…?」
「ん?座薬なんて粘膜接種じゃなきゃ効かないじゃない。口からだと肝臓の代謝の影響を受けるから…」
「そんなこと聞いてない!」
思わず叫んだ。さっちゃんのにこにこ顔が気に入らない。
「どうして私がこんな目に遭わなきゃならないの!」
「私を殺せっていったじゃない?あの時素直に殺しておけば、今頃はあなたの家に帰ってたわよ。
聡明なご両親の元にいたわよ。かわいい妹さんの元にいたわよ。」
「私は!」
「そう。全部私のせいよ。でも、貴女がまだここにいるのは貴女自身のせいよ。私を殺せば、すぐに終わるわ」
そう言ってさっちゃんは私に何かを差し出した。
「これを使いなさい。右手だけ自由にしてあげる。後は私を殺してから外せばいいでしょ?」
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