乾いた破裂音。激痛。私は引き金を引いた。
耳鳴り。こめかみの痛み。
私は死んだ…、はずだった。
私の顔を見てさっちゃんが大笑いしている。何がなんだかわからない。
「本物の拳銃を私が持ってるわけ無いじゃない?」
そういってさっちゃんは私の手から拳銃を取り上げた。
「良くできてるよね。最近のモデルガンって」
体中震えて、力が入らない。
さっちゃんはクスクスと笑いなが私の腕をひねって、また椅子にガムテープでしばりつけた。
「やっぱり良い人ね。あなたって。このくらいじゃ、殺してくれないって思ってたわ。」
こめかみを優しくさする。
「火薬で少し火傷したみたい。ごめんね。驚いた?」
さっちゃんは優しく私の頭を抱いて撫でた。
「かわいい妹さんよね」
予想外の言葉に背中が凍り付く。
「私、裏切られて怒ってるのよ。分かるでしょ?だから、ペナルティをあげる」
たくさんの言い訳が頭に浮かぶ。でも、言葉に出来ない。
「かわいそうにね。貴女のせいよ」
さっちゃんの背中を見ながら、泣いた。
あぁ、こういうのを慟哭って言うんだなって、泣きながら少しだけ冷静に思った。
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