私は大声で叫んだ。思いつく限りの言葉をさっちゃんに叫んだ。
叫びながら泣いた。
私がさっちゃんに何をしたか分からないけど、友恵は関係ないはずだった。
友恵を助けなきゃ…
「気がすんだ?」
私が落ち着くのを待ってさっちゃんが聞いた。彼女は嫌になるくらい冷静だった。
「友恵ちゃんが心配?あたりまえよね。でも大丈夫。」
さっちゃんは私に右腕を見せた。内出血の痕。歯形がついてる。
「髪を切ってる時にね、友恵ちゃんにかまれちゃった。意外と気の強い娘ね」
血の気の引く音。
「さっちゃん、まさか…」
「大丈夫よ。友恵ちゃんのしたことで友恵ちゃんを傷つける気はないわ。でもね…」
さっちゃんが私の後ろに回った。何かの金属音。
「ペネルティは必要よね?相互責任よ」
左耳をつねられたと思った瞬間、激痛が走った。
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