さっちゃんとの駆け引きでしばらくの間高揚感で痛みを忘れていたけど、しばらくすると痛みと熱が出てきた。
何度も意識を失い欠けたが、ぎりぎりで踏ん張る。
意識を失ったら、もうさっちゃんに勝てない様な気がした。ここが踏ん張り処だ…
「ずいぶん、つらそうね?」
意識が飛んでいてさっちゃんが帰ってきた事に気が付かなかった。私は驚きを隠せなかった。
「起きてる?ちょっと聞きたい事があって…」
「なに?そんな事より友恵はどこよ。はやく連れてきて」
「友恵ちゃんも美術部だったでしょ?」
「知ってるでしょ?一々知ってる事聞かないで。はやく、友恵を…」
「やっぱり、美術部の人って将来絵の仕事がしたいものなの?」
「知らないわよ。」
さっちゃんに飲まれかけてる。踏ん張れ。
「友恵ちゃんの事が心配?ここにいないって自分で決めつけたじゃない?バカにしてるの?
それとも、まだ私の事信じてくれてるの?信じてくれてるなら嬉しいわ」
「どっちでもいいでしょ。はやく友恵を連れてきなさい。」
「もう私の事なんて信じてないんでしょ?ちょっと前に言ったわよね?人を信じられないのは悲しいって…
あなたに嘘つきって言われた時、私悲しかったのよ。」
「友恵を…」
「傷ついたのよ。わかる?傷ついたの。」
さっちゃんの威圧に声を遮られる。
「だからね。ペナルティよ…」
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