「あなたに許してほしい」 第16話
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さっちゃんは息を整えてから、最後の指を私の額に投げつけた。 「食べなさい。」 私は彼女の言った事が信じられなかった。聞き返す事も出来ず、私は固まる 「聞こえなかった?聞こえてるでしょ?いい加減にしないと、今度は足の指を切ってくるわよ?」 「…冗談よね?」 「何?冗談に聞こえた?この状況で?本当に冗談に聞こえたの」 「ごっ、ごめんなさい!」 慌ててとにかく謝る。 「……いいわ。これが最後よ?椅子からおろしてあげるから、友恵ちゃんの指を食べなさい。」 「さっちゃん…。私…、私…友恵の指…」 言葉が出ない。足がすくむ。手が震える。食べないと、友恵は… さっちゃんは淡々と私と椅子をつなぎ止めていたテープを切って、震えて固まってしまっている私を椅子から引っ張り落とした。 「さぁ、早く食べなさい」 床に転げ落ちた私の目の前に何本か指が落とされる。思わず悲鳴をあげて、のけぞってよける。そして、私はつばを飲み込んだ。 切り取られた指。友恵の指…。 切断されてすぐなら、お医者様の力でもう一度、元の様に動かないまでも、形だけでも付くかもしれない。 落ちている一本を拾う。手が震える。でも食べないと、友恵は次に足の指まで失う。食べないと… 頭で分かっていても、身体が拒絶する。 手の震えが止まらず思わず、友恵の指を落とす。 「食べられないのね。残念だわ…。さっきも言ったけど、あなたのペナルティは友恵ちゃんに払ってもらうわ。」
思わず私はさっちゃんにすがりつく。 |