「あなたに許してほしい」  第16話
OB1197813919325.jpg  さっちゃんは息を整えてから、最後の指を私の額に投げつけた。
「食べなさい。」
 私は彼女の言った事が信じられなかった。聞き返す事も出来ず、私は固まる
「聞こえなかった?聞こえてるでしょ?いい加減にしないと、今度は足の指を切ってくるわよ?」
「…冗談よね?」
「何?冗談に聞こえた?この状況で?本当に冗談に聞こえたの」
「ごっ、ごめんなさい!」
 慌ててとにかく謝る。
「……いいわ。これが最後よ?椅子からおろしてあげるから、友恵ちゃんの指を食べなさい。」
「さっちゃん…。私…、私…友恵の指…」
 言葉が出ない。足がすくむ。手が震える。食べないと、友恵は…
 さっちゃんは淡々と私と椅子をつなぎ止めていたテープを切って、震えて固まってしまっている私を椅子から引っ張り落とした。
「さぁ、早く食べなさい」
 床に転げ落ちた私の目の前に何本か指が落とされる。思わず悲鳴をあげて、のけぞってよける。そして、私はつばを飲み込んだ。
 切り取られた指。友恵の指…。
 切断されてすぐなら、お医者様の力でもう一度、元の様に動かないまでも、形だけでも付くかもしれない。
 落ちている一本を拾う。手が震える。でも食べないと、友恵は次に足の指まで失う。食べないと…
 頭で分かっていても、身体が拒絶する。
 手の震えが止まらず思わず、友恵の指を落とす。
「食べられないのね。残念だわ…。さっきも言ったけど、あなたのペナルティは友恵ちゃんに払ってもらうわ。」

 思わず私はさっちゃんにすがりつく。
「食べるわ!食べるから!!お願い許して!」
「なに?貴女?それが人に頼む態度なの?」
「食べます!食べさしてください!」
 さっちゃんは私の壊れた左足を踏みつけて、私を引きはがした。
「私にお願いするのに、土下座も出来ないの?それとも、口だけでホントは食べたくないのかしら?」
 私は慌てて手元にある指を拾って、土下座して懇願する。
「友恵の指を食べさせてください…。お願いします」
 さっちゃんは私の頭を踏みつけた。額が床に押しつけられる。
「お願いの仕方も知らないの?それに誰が手を使っても良いって言ったのかしら?やる気あるの?」
 さっちゃんは淡々とした口調で私の頭を何回も踏み躙った。
 

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