「?」 第14話
「たすけてくだしゃい…」 不意に声がでました。 「人に物を頼むときにはお願いしますって先に言う物じゃない?あなたは本当に礼儀を知らない子ね」 お医者様は私の手を放して、どこかに行きました。先刻お腹を蹴られた時にあばらが折れてしまった様で一呼吸一呼吸、息が燃えるように熱く感じます。いつの間にか目に胃液が目に入ったようで涙で何も見えません。 もがきながら、ふと吐き戻した胃液にまみれている自分の姿を考えて少しおかしくなりました。嗚咽しながら思わず笑って痛みでもがきました。自分でも馬鹿だなぁと思いました。でも私、あやまろうと思っていたのになぁ。 突然、右足を引っ張られました。突然の痛みでまた意識が少し飛びました。気が付くとお医者様は私の足に添え木を当てていました。 「骨折はね。折れたところを固定して直すのよ」 右足のスネのあたりに激痛。また意識が飛びました。すぐにお医者様はアンモニアで私を起こしました。足を地面に押さえつける感覚。そしてまた激痛。 「暴れないで下さい。あなたは乱暴な人ですね」 背骨のあたりからギリギリと何かを締め付ける音が聞こえます。その音が大きくなるにつれ意識が薄れていきます。 そしてまた、アンモニアの臭いにまたむせ返りました |