「?」 第15話
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「どうやら成功したようです」 先生の声で気が付きました。一体何度気を失ったのかもう覚えていません。ただ、また生きて意識が戻った事だけはわかりました。 「腕が…」 両腕にはギプスが、切断された静脈には…ねじが埋め込まれていました。 「それは○×式を応用したものです。さて診察料を頂きましょう。」 「お金は…、持っていましぇん」 「あなたは外科の才能もあるんですね。働いて返してくれるのかしら?」 「許して下しゃい。私は、何も持っていないのでしゅ。そして外科の才能もありましぇん」 「あなたは結局、自分の事しか考えられないのね。あなたに診察料を払ってもらえない私は路頭に迷っても良いのね?」 「ごめんなさい。許して下さい。ごめんなさい」 のどが渇いてしわがれた声しか出ません。 「どうして謝るの?謝れば診察料が出てくるの?」 「お願いしましゅ。許して下しゃい。なんでもいたしますから、許して下しゃい」 |