![]() |
夢をみる。 それは自分が夢を見ていると認識しているから夢をみていると言うことになる。私の目の前には会ったことのない女の子が立っていた。 「夢で会うのは16回目かな。どうせまた貴女は忘れてしまう。だから初めまして。死神よ」 ムスッとした顔。どうしても思い出せない人の顔を忘れるなんて失礼な事だ。素直に反省して謝る。 「別に謝らなくていい。そういうふうに出来ている。人は賢いし、自然科学を尊重するから本物の死神なんて非合理な存在を認めることができない。だから目の前にいても徹底的に無視するし、記憶にもとどめようともしない…。貴女にこの説明をするのも16回目ね。」 そう言って寂しそうに笑った。 「それはそうとなぜ裸なの?」 初対面ではないようなので率直に聞いてみた。 「貴方にとってお話に出てくる死神のイメージって何?」 「魂を切り取る大きな鎌を持っていて…」 「持ってるわよ?」 「マントを羽織っていて、そのしたは骸骨…かな?」 「釜は持ってる。マントも着てるわよ?」 「でもほとんど全裸よ。女の子がはしたない」 「貴方の言う死神はマントの下は骸骨なんでしょ?つまり何も着てないってことじゃない。貴方のイメージ通りじゃない。」 「えー。女の子は服を来て欲しいな。私も裸だし…」 「…。今の私の姿は貴方の夢に私の姿を投影してるの。」 「つまり、私が自発的に見ている夢じゃないってこと?」 「そう。だから…」 「だから」 「服とか着せていると作画が大変なのよ」 |