![]() |
死に神さんが言うには、私たちはもう40回以上も夢で会っているらしい。 「それでね、おじさまが…」 「ホントにおじさまって人が好きなのね。その人の事ばかり話してる」 「もちろん。おじさまに引き取ってもらった事に感謝してるし、おじさまに頂いたこの幸せな時間のお礼をしたい。」 「そう?でも、あなた…。騙されてるわよ」 「だから?」 「だからって…」 「お母さん達と別れたときから、私はおじさまの物よ?」 何か言いたそうにして、でも何も言わずに死に神さんは顔を背けた。 「お友達だから、心配してくれてるのね?」 「違う」 「そうでなければ会う度に忘れられるのに、何度も会いに着てくれないと思う。私もお友達がいないから、嬉しい」 「違う…」 「でもね、貴女が会いに来るって事はもう先が決まってることだと思うし、それなら私はおじさまの為に私の命を使いたい。」 「聡明ね。ちゃんと勉強したら、あなたの故郷を救えるような大人になれるとか思わないの?」 それは読み書きを教えてもらったときに思った。でも、私はおじさまを選んだ。 |