fdaf5b4887-1271766728.png 「えっとね。おじさまがね。私の病気を哀れんで、悲しそうな顔をするときにね。目の中がね。サーって開いて大きくなるの。」
「それが嘘をついたときの彼の癖だって言った」
「そう。おじさまは嘘をついてる。だから思うの。おじさまは本当に嘘がつけない人で、ホントは嘘なんてつきたくないんだろうって…」
「なんでそうなるのよ!」
少し考える。夢の中だからか、感情の起伏がなくて冷静に考えられた。
「多分、私はおじさまのことをお父さんとしてじゃなくて、男の人として好きなんだと思う。だから、信じる理由を探してたし、おじさまの目を信じた。だから私はおじさまの嘘を信じるの」
「あなたは馬鹿よ。」
 死に神さんが泣いてる。
「そうね。認める…。だから、泣かないで。こんな馬鹿な子のために泣いちゃ駄目」
 自分のことを心配してくれる人がいるのは、とても嬉しい。
 死に神さんって、素っ気なさそうで、でもいい子だと思った。

「ところで、変わった服ね?」
「前にあったときに、家庭的で年相応で、しかも最新のモードをって注文だったから… 割烹着っていうの。世界の最新のエプロンよ」
「最新なのか…。確かに故郷にはなかったな…。こんな形のエプロン」
「衛生的でしかも機能的でしょ?お料理するのに最適。食事の配給もお手の物」
「でも、これは服じゃない…」
「この鍋とオタマをもてば、角度さえ気をつければ服の有無なんて問題ない。むしろ、角度的に格好いい服を着ているという期待感を持たせられる」
「誰に対して?」
「…人の手間を考えない子って嫌い」

<< Back || Next >>


|| そして私はチーズになる…  Top | CG | Profile | BBS ||