「死に神さん。ずっと…、そばにいてくれたんだ。ありがとう」
「うっさい!」
 死に神さんが怒ってる。当然だ。話題を変えよう。
「今日はいい天気ね」
「ぶん殴るわよ?」
「そんなひどい事、出来ないくせに。優しいのも全部、思い出したから」
「だったら怒ってる理由ぐらい察しなさいよ。」
「ごめんね。でも、死に神さんって、死に神に向いてないと思う」
 感情が出せなくて平坦な声。
「向いてなくても、私しかいないから。私がやるしかないのよ。」
「たった一人で人間全員の担当?」
「あってるしあってない。同時進行する沢山の私がいて
その沢山の私が私という存在というか、概念を作ってる。
貴女に対して私がいるように、ズダンに対しても、
あの出資者達にも一人一人の私がいる。」

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