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バリアフリー

バリアフリーとは?

『バリアフリー』とは、もともとは建築用語で『バリア(障壁)』を『フリー(のぞく)』と いう意味です。
つまり障壁となるものを取り除き、生活しやすくすることを意味します。建物内の段差など、物理的は障壁の除去と言う意味合いから、 最近ではより広い意味で用いられてきています。
私たちの周りには道路や建築物の入り口の段差などの物理的なバリアや、高齢者、障害者などの社会参加を困難にしている、 社会的、制度的、心理的なバリアもあります。
このように「バリアフリー」とは、高齢者や障害者だけではなく、全ての人にとって日常生活の中で存在するあらゆる障壁を除去することを意味します。

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バリアフリー住宅とは?

個人の住宅などにおいて、高齢者や障害者の利用にも配慮した設計のことを言います。具体的には、車椅子で通行可能な道路や廊下の幅、段差の解消、手すり、点字の案内板などの設置等があげられます。現在では、住宅だけではなく環境全般、制度や考え方などに適用されています。老齢や疾患などで体の機能が衰えても、家族と一緒に自宅で暮らし続けられることは精神面でも経済の面でも大変重要になることです。
健康な時や、若い時には気が付きにくいですが、住宅内のちょっとした段差が移動の障害になったり、転倒して怪我の原因になることもあります。新築やリフォームの時には、間取りやデザイン、設備(キッチン、バス、トイレ、など)の機能などと共に「いつまでも安全で暮らしやすい家」を考えておきたいものですね。このような目的で身体の機能が衰えた人でも、若い人と同様に不自由なく暮らせるように配慮した住宅を「バリアフリー住宅」または、「長寿社会対応住宅」といいます。

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住宅における高齢者対応の必要については、住宅取得を考えているユーザーの約7割が必要と答えており、かなり関心が高いと思われます。耐久性のある住宅、高断熱・高気密(省エネ)住宅とともに「バリアフリー住宅」は今後標準仕様になっていくことでしょう。

バリアフリーな住宅環境とは?



トイレの場合

高齢になるにつれてトイレの回数は、必然と増えていきます。なので、寝室からトイレは出来るだけ近い場所にしましょう。通常、排泄動作を自立して行う場合にはトイレ間口910mm×奥行き1,365mm(4尺5寸)のトイレスペースがいいでしょう。奥行きが1,820mmあれば立ったり座ったりの動作がゆったりと行え、トイレに車椅子も入れるので望ましいです。介護が必要な場合は、間口1,365mm(4尺5寸)以上は確保しましょう。1,515mm(5尺)ほどあれば、便器測方からの解除が容易となります。便器はウォシュレットなどの洗浄機能・暖房便座付きの様式便座にしましょう。出来るだけ引き戸にして、壁にはL字型手すりを設置するとトイレに出入りするときに楽になります。緊急時のコールスイッチは、配線工事が不要で簡単に取り付けられる電波式もあります。





浴室の場合

浴室面積は介助のしやすさから1,820mm×1,820mm程度。浴槽は、またぎやすい和洋折衷式浴槽で深さ500mm程度、浴槽の縁の高さが400mm〜450mm程度が基準になります。浴室面積に余裕があれば、浴槽へ出入りするのに便利な腰掛けスペースを設けて、洗い場に腰掛けベンチを置くと、座ったままでシャワーを使うときなどに便利ですね。さらに湯温調節の容易なサーモスタット付き水栓を用いると大変便利です。床材は滑りにくい材質の床仕上げが良いでしょう。

アプローチ・外構え

階段やスロープには、たとえ2〜3段程度の段差でも手すりを設置します。手すりの高さは、階段部分では暖鼻から、スロープでは斜面から測って手すりの上端までの距離750〜800mmが目安です。手すりは両端に設け、手すりの直径は握りやすい34mmが理想です。足元灯・屋外灯を設置し、動線部分は明るさが均一になるようにします。階段の段差解消は、緩やかな勾配にする必要があります。階段の寸法は、踏み面300〜400mm、蹴上は150〜180mm程度が理想です。車椅子ではスロープで対応し勾配1/15程度が目安になります。

玄関

上がり框部分での昇降や靴の脱着をしやすくするため。車椅子で出入りする場合には、土間の奥行きを1,200mm以上確保する必要があります。式台と土間の段差の壁面には、足元灯を設置します。式台の高さは上がり框の高さを等分する寸法を目安に設置します。


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廊下

廊下の有効幅員は、3尺モジュール(910mm)では最大で780mm。廊下・ホールの壁面には、腰板を張った仕上げにしておくと、将来必要に応じて、手すりを設置することが出来ます。廊下の照明は特に夜間には重要で、動線の要所に設置します。

階段

高齢者の居住空間は、なるべく1階にする。手すりは握りやすい位置と太さ(直径32〜34mm)にする。階段の段板の先端には、簡単に取り付けられるゴム製のノンスリップを貼り付ける。階段の照明は2カ所に以上に設置し、大型の3路スイッチにすると点灯が楽ですね。足元灯は、階段の上がり口と降り口に設置。踊り場付きの折れ階段にすると便利で安全です。


洗面所・脱衣室

洗面カウンターは障害に対応出来るものが良く、車椅子対応では膝先が入るようになっていて、座ったまま顔が洗える洗面器など、見た目は普通のものと変わらない。取り付ける高さは、床面から750mmが目安になります。水栓器具は、シングルレバー水栓にする。着脱衣用のベンチを設置すると座ったまま着替えが出来て楽です。床材は、クッション性、耐水性に優れたコルクタイルなどを使用すると、歩行感、感触もよく、万一の転倒にも安心です。

キッチン

身体機能が衰えても使い続けられるよう、設計には工夫が必要です。流し台と調理台、キッチンと食堂間の無駄な動作を減らすつくりにしましょう。キッチンカウンターは、車椅子での調理を考えて740〜800mm程度の高さにする。流し台は一般的な深さよりも浅い120〜150mm程度のものにすると膝を入れるスペースが確保しやすくなります。


寝室

コミュニケーションしやすく、なおかつ睡眠を妨げないように寝室と居間の間だの建具は引き戸にして、全開にすると1間幅(1,820mm)程度の間口が得られるようにしましょう。遮音性ににも配慮すること。寝室に隣接してウォークインクローゼットなど広めの収納を確保する。壁は自然素材を使用し、木材など安全で清潔、快適な仕上げにしましょう。床までの窓は、採光から通風面だけでなく緊急時の避難口としても役立つ。床材にはコルクタイルが滑りにくく、クッション性も良いのでお勧めです。足元灯、枕元には調光機能付きスイッチ、万一に備えてのコールスイッチを設置を設置しましょう。また、エアコンの風が直接当たらないようにするなど、エアコンの吹き出し口の位置にも注意する必要があります。


住宅金融公庫・バリアフリータイプの仕様書

1.高齢者などの寝室と便所は同一階に配置する
2.主要な居室・便所・洗面所・脱衣室をつなぐ廊下は段差のない構造にする
3.主要な居室・便所・洗面所・脱衣室をつなぐ廊下の有効幅は780mm
    (柱等の箇所では750mm)以上にする
4.主要な居室・便所・洗面所・脱衣室出入口の有効幅は750mm(浴室は600mm)以上にする
5.階段、浴室、廊下に手すりを設置する
6.専用階段は次の基準に合わせる
    勾配≧22/21踏み台≧195mm550mm≧T+2R≧650mm(Tは踏面、Rは蹴上)
7.浴室の広さは次の基準に合わせる
    短辺≧内法1300mm以上有効面積≧2.0u

超高齢化社会へむけて

日本は未だ経験したことのない「超高齢化社会」へと進んでいます。 平成10年の総務庁の推計では、日本の総人口1億2649万人に対して高齢者(65歳以上)の割合は、16.2%を占めています。 さらに少子化も急速に進んでいて、国立社会保障・人工問題研究所の予測では、2006年に老人口が20%を上回り、2015年には国民の1/4が65歳以上の「超高齢化社会」に、さらに2050年には、高齢化率が32.3%になり1/3が高齢者になると予測されています。
そんな「超高齢化社会」に進行中の現在「住宅内での事故死」が非常に多くなっています。
その数は、平成8年度の厚生省「人口動態統計」などの資料によると、1年間で約7,600人で70%が65歳以上の高齢者となっています。住宅内でつまづいて転んだりして骨折などで長期入院や寝たきりになる例は、この数十倍あると予想されているのです。

高齢者に不向きな日本の住宅構造

日本の住宅構造は、高齢者にとって不向きと言われています。たとえば玄関の敷居、上がり框、廊下と和室、洋室と和室、脱衣室と浴室など・・・住宅内のあちらこちらに段差があるので、高齢者の転倒の原因になったり、車椅子での移動が困難です。 また、最近は洋式便器が増えてきたとはいえ、まだ和式便器を使っている家庭も少なくはありません。和式便器は、高齢者にとって、立ったり、しゃがんだりととても辛い作業なのです。 高齢者だけではなく、足が不自由な方や妊婦さんなども同じ思いでしょう。 高齢者や子供にとって暮らしやすい住宅はすべての人間にとって暮らしやすい住宅のはずです。