もりやまタイムス
4月号

平成24年(2012年)
No.143 毎月発行

発行責任者 堀井 隆彦/発行所 守山市守山二丁目1番30号

1面
守山の伊勢遺跡中心に討議
「ゆるり」4月11日に開所式
減る旧野洲川の動物

カナリヤバンド登場



2面 
のこぎり音楽の魅力を知って
中州小学校で演奏会
国際交流の広場
自殺者3万人超える
アートキッズフェス


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トピックス
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▼守山の伊勢遺跡中心に討議

▼「ゆるり」4月11日に開所式
▼減る旧野洲川の動物
▼カナリヤバンド登場

▼邪馬台国近江説フォーラム
守山の伊勢遺跡中心に討議
「国史跡指定」で盛り上がり
保存へ祭殿、桜観復元も
守山商工会議所主催

 出版物の「邪馬台国近江説」をベースに守山市のまちづくりを進める守山商工会議所青年部は2月26日、三宅町の立命館守山メディアホールで「邪馬台国近江説」をテーマにした地域活性化フォーラムを開いた。新春1月に市内の伊勢遺跡(弥生後期)が国史跡指定をうけており、フォーラムは邪馬台国と伊勢遺跡の関係が焦点となり、講演やパネル討議を深めた。

邪馬台国近江説テーマにパネル討議する宮本市長ら

 講師に地元伊勢町に住む古代史研究家の澤井良介氏と東京都在住の後藤聡一氏の著者2人を招いた。宮本和宏市長や守山市文化財担当者らも加わった。司会はもりやま卑弥呼の善野直依さん。 

 「弥生ロマンとまちづくり」と題して基調講演した宮本市長は、国史跡指定された伊勢遺跡の保存について市民の理解が大前提としたうえで「1・5haの指定地域を中心に史跡公園し、その内部に伊勢神宮と同じ神明造りの独立棟持柱をもった祭殿と楼観を復元させたい」と意欲を示した。

 ついで著書名と同じく「邪馬台国近江説」をテーマにした後藤氏は「今だに位置が不明の邪馬台国は、卑弥呼がいるからロマンを呼ぶ。卑弥呼はシャーマン説があり、伊勢遺跡には鬼道に使う“火焙り型土器”やシャーマンが死ぬと銅鏡を壊した風習があったようで、この二つの遺物が出土している」とし「 伊勢遺跡の繁栄した年代は邪馬台国と合致しないが、聖域ゆえに人が住まなかったと考えられる」と自論を展開した。 

 パネル討議では、石田英雄市埋文センター所長、伴野幸一市教委文化財保護課課長、葭本勝利守山商議所青年部会長も加わった。澤井氏は隣接の野洲市から24個もの銅鐸が出土した歴史的背景や近江の渡来系氏族などを例に上げ、近江には邪馬台国の土壌があった」と自説を解いた。一方、会場から邪馬台国近江説は守山だけの問題でなく、野洲川や三上山を基点に野洲市や栗東市を含めた3市連携の取り組みが必要ではないかと問題提起した。宮本市長は「伊勢遺跡は栗東市にもまたがり、3市連携は検討の余地がある」と前向きに答えた。

▼トピックス
駅前のセルバ守山1階に高齢者の居場所施設
「ゆるり」4月11日に開所式
高齢者や子どもら集い世代間交流

 高齢者の生きがいづくり、健康増進を図る高齢者の居場所施設「ゆるり」がJR守山駅前のセルバ守山1階に近くオープンする。4月11日午前10時半から開所式が行われ、高齢者のいこいの場となる。事業者は社会福祉法人友愛(堀井隆彦理事長)が運営全般を行う。

 この施設は、守山市の高齢者生活支援施設等整備事業(すこやかまちづくり行動プラン)の一環としてスタートする。市内には石田町自治会の「地域交流センターななまがり」(4月14日午前11時に開所式)や今市町のスローライフ守山の「まほろばの郷」(4月7日午前11時に開所式)もそれぞれ開設予定。

 いずれの施設も高齢者が住まいの近くで、居心地よく交流し健康で長生き、やる気復活を支援する施設。  その一つ「ゆるり」では“まちなかの縁側”を基本理念に、日常的な居場所を心がけ認知症や障がいをもっても、お互いさまで支えあえる共助の精神を大切に、子どもからお年寄りまで誰もが集える交流の場を提供したいという。

 “縁側”といえば、一昔前には日本家屋には座敷の外側に長い板敷きがあり、ご隠居さんや近所の人たちが散々集い“井戸端会議”に話しの花を咲かせた。この環境が人と人との交流の場になって近所の人たちが互いに助け合う“共助”の精神が育まれていた。最近、社会問題になっている孤独死とは無縁の世界だった。

 「ゆるり」は、駅舎とぺデストリアンデッキで直結するセルバ守山一階という地理的条件を活用し、通勤・通学、他都市を結ぶ交通拠点の特性や周辺部のマンション、地元商店街、学校、児童施設など中心市街地としての人口密度地域の環境を享受し、さまざまな世代が立ち寄る、まさに縁側づくりに心がけるとしている。 具体策として高齢者福祉施設の利用者が、逆ディサービスする、春休みに子供達が遊び高齢者の知恵や技を習い、塾帰りや部活帰りの待ち合わせの場に、昔遊びを楽しむイベントなどが計画されている。一方、マンションに住む新住民と旧住民との交流も期待され人的交流の輪が広がる。写真はセルバ守山1階にオープンする「ゆるり」。

 


▼地球は誰のもの?
減る旧野洲川の動物

朝夕、一日一万歩を目指して日課のように歩いている。お蔭様で血糖値が下がり健康づくりに効果をあげている。もう一つの楽しみは小動物に会えることである。1年前、早朝散歩の時にトコトコと後ろについて来る動物がいた。 「野良犬だろう?」とよくみると尾っぽが太くて長く、鼻が尖っていた。キツネだと気がついた。逃げるでもなく人なつこかった。冬枯れの野洲川廃川跡のため食べ物がないせいか痩せていた。何を食べて生きているのだろうか少々気になった。明日にでもエサになるものをと思っていた矢先に、路上で車に引かれ死んでいた。

野洲川の廃川跡は、新野洲川に土地を提供した地主が代替地を畑地にしている。以前は川の堤防沿いは、池のような水溜りがあり木々や竹林が繁り実のなるクリや柿があった。キツネやタヌキ、野鳥、カブトムシなど小動物が棲む、いわゆるビオトープ的な役割りを持っていた。しかし数年前にサッカー場が出来て道がつき、車や人の往来が激しくなった。死んだキツネも開発の陰で懸命に生きていたが、人間の都合により開発の犠牲となった。

もう河川敷には、キツネがいなくなったと残念に思っていたが、数カ月前にキツネを見た。「幻のキツネか 」と目を擦ってよく見ると年老いたキツネだった。もう一匹いたことにうれしくなった。

それ以来、わずかのえさをキツネの通り道に置いている。翌朝、見るとエサが無くなっておりキツネが食べたものと安心した。しかし最近、カラスや野良猫が周辺にいるのでキツネが食べているのかがわからない。

冬季の河川敷は、小動物には食べ物はなくいずれの小動物もエサを求めて必死に生きている。しかしこの野洲川廃川敷跡の現象は、ここだけの話ではない。人間と動物が境界を分け合って共存共栄している全国の里山でも人間の“ご都合主義”によって、動物たちの生きる世界が狭められている。『 地球は人間のものではない』エコロジスト・ミュージシャンで作家のジム・ルマンがいった言葉を思い出す。死んでいった動物の鎮魂もかねて「命をつないでおくれ」と祈りつつ河川敷跡に動物や植物が躍動する春の訪れを待ちわびている。


▼親子が歌で交流
カナリヤバンド登場
ほほえみセンターで

 守山市5丁目の大型児童センター・ほほえみセンターで3月4日「カナリヤバンド演奏会」が開かれ、子ども連れのお母さんやお父さんら約60人が懐かしい音楽に耳を傾けた。

 同センターは0歳児から18歳までの子どもたちが自由に安心して遊べる施設。子育て中の保護者らが出会いやふれあう場として活用されている。平成20年4月から守山市の指定管理者として社会福祉法人友愛が運営管理している。

 この日は、カナリヤ保育園の保育士さんや堀井商店社員らで編成するカナリヤバンド『 クンピー』が訪れ、なつかしいメロディを奏でた。父母に連れられた子どもたちは「春よこい」「春の小川」「メダカの学校」など十数曲が演奏されると、子どもたちも歌うなど親子の交流が弾んだ。

バンドに合わせ歌う子どもたち


「文明の輝きよりも 文化の温もりを」
        (京都大学准教授 佐藤 卓巳氏)3月3日付けの京都新聞「あすの日本へ」


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