もりやまタイムス
3月号

平成24年(2012年)
No.143 毎月発行


発行責任者 堀井 隆彦/発行所 守山市守山二丁目1番30号

1面
守山の伊勢遺跡中心に討議
「ゆるり」4月11日に開所式
減る旧野洲川の動物

カナリヤバンド登場

2面 
のこぎり音楽の魅力を知って
中州小学校で演奏会
国際交流の広場
自殺者3万人超える
アートキッズフェス


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▼のこぎりの魅力知って
▼中州小で演奏会
▼国際交流の広場
▼自殺者3万人超える
▼アートキッズフェス

のこぎり音楽の魅力知って
守山から全国へ発信
27都道府県200ヶ所で演奏会
しがのこくらぶ
代表 稲山訓央 聞

 今まで聞いたことがない不思議な音色だった。しなやかに、そして心の奥深く響く音色だ。ピアノでもない、ベースやバイオリンにもない。独自の繊細な音が脳裡に焼きついている。最近、この音の“持ち主”がわかった。あの木を切る“のこぎり”から発する音色であった。最近、のこぎり音楽が静かなブームを呼んでいる。守山市内でも各所で演奏会がもたれてファンも増えてきた。

 ことし初め、守山駅前総合案内所で「のこぎりニューイヤーコンサート」が開かれたのを皮切りに2月に入り中洲小学校でも、教育の一環として開かれ子どもたちの人気を集めた。“のこぎリスト”(のこぎり演奏家)は、守山在住の稲山訓央さんを代表とするグループ「しがのこくらぶ」。滋賀県はもとより全国各地へ精力的に普及・演奏活動を続けている。守山から発信される、のこぎり音楽は今や“守山ブランド”の一つになりつつある。稲山代表にのこぎり音楽の魅力や活動状況、今後の活動方針などを伺った。

:稲山さんは守山市にお住まいとか。
A:大阪生まれの大阪育ち。滋賀大学経済学部に学んだことが縁で滋賀との関わりが始まった。その後、同志社大学大学院へ。現在、滋賀大学経済学部の特任教授のかたわら、のこぎり演奏者として活動している。守山に住んで(中洲学区)5年になる。

:守山の印象はいかがですか。
A:守山は温暖な気候のうえ、京阪神にも近くて交通の便がよい。また、琵琶湖や田園風景が広がりアメリカの牧歌的なフン囲気があり、人情味も豊かだ。

:ところで、のこぎり音楽にとりつかれたきっかけは。
A:遊びにいったアメリカの公園で、のこぎりをバイオリンのように弓で弾いていた。その音色が美しく心に響いた。日頃、音楽に興味を持っていたのでこの分野にスムーズに入れた。

:“しがのこくらぶ”を結成されて何年になりますか。
A:結成して9年余。のこぎり演奏を愛する演奏家が集まり現在、会員は13人。日本のこぎり音楽協会の関西支部、東海支部に次いで3番目。「日本のこぎり音楽協会滋賀支部」として2003年8月25日に設立した。私たちはのこぎりの好きな人、演奏できる人を増やしたいと活動している。

:しがのこくらぶの活動状況を教えてください。
A:全国各地で演奏会を開催しているが、これまで27都府県の約200ヵ所を訪れた。4月以降からは東北地方へ支援コンサートを予定している。

:演奏会などで、のこぎり音楽を受け手の人は、どんな印象を持っているのでしょうか。演奏後、聴衆者アンケート調査されていますね。
A:多くの人は、のこぎりからこんなに素晴らしい音色が奏でられることに感動している。そのうえ音色が美しく繊細さが受けているようだ。演奏者の立場からいえば、雑念を持って弾けば雑な音になり、静かに弾けば静かなメロディが発せられるなど心と一体感になれる不思議な楽器だ。つまり感情がビビットに出て、ごまかしの効かない楽器としての特徴がある。

:のこぎり楽器は、耳の不自由な人にも通じるとの話を聞いたことがありますが。
A:NHKの「熱中時間」という番組に出演して知ったことだが、耳の不自由な方々ものこぎりの音色が聞けるという不思議な力を持っている。純音といって音の高さが一定で、単調な音を発するのこぎりは、複雑(倍音)な音がなくここちよく、心音に響くようだ。

:今後の活動方針を教えてください。
A:のこぎり音楽のよさを、全国に広める活動を進めていきたい。また、滋賀県に住んでいて、音楽を通して琵琶湖のよさをメロディにしていきたい。現在、琵琶湖の情景をメロディにしたものが4曲ある。さらにその数を増やし滋賀の魅力を全国にPRしていきたい。

児童たちもうっとり
中州小で演奏会

 守山市立中洲小学校(園田和美校長)は2月14日、校区内に在住するのこぎり演奏家・稲山訓央さんを招き「のこぎり音楽体験コンサート」を開いた。(写真)


 
 この日午後1時半から全校生148人が体育館に集合。先生から「音楽は聞くだけでなく、耳、心、目のからだ全体を使って聴くことです」とコンサート前の注意を受けた。生徒代表の川島美依奈さんは「地元にこんなすばらしい人がいることを知りました」とのべたあと「のこぎりからどんな音色が出るのか楽しみです」と初めての生演奏に興味深々。

 コンサートのあと、のこぎり演奏を体験したある児童は「のこぎりは木を切るものと思っていたが、美しい音楽が楽しめることに驚きました」と話してくれた。

外国人と市民が交流
国際交流の広場

 守山市や近隣に在住する外国人と市民がふれあう「第11回国際交流の広場」が3月4日、さんさん守山で開かれアトラクションなどで楽しんだ。

 守山市内には人口の約1%に当たる750人余の外国人籍の住民がいるといわれ、年々増加傾向にある。就労や留学生、結婚などで来日し異国の地で戸惑っている外国人も少なくない。

  守山市国際交流協会では、外国人と市民のふれあいの場を提供し、互いの文化理解を深めようと定期的に開いている。

 この日の会場には「アトラクション」「体験」「食」の各広場が設けられ、アトラクション広場では日本語教室に通う生徒たちが日本の歌や中国の歌を披露した。ミヤンマ、中国、米国出身の約20人の男女が着物姿で「 上を向いて歩こう」「 月は心」(中国)などを合唱し会場から大きな拍手を受けた。

 体験広場では「煎茶 」「お花」「着物の着付け」など日本の文化にふれ、食の広場ではチジミ(韓国)グリーンカレー(タイ)ポン・デ・ケージョ(ブラジル)ケサリージャ(メキシコ)など味わう人たちでにぎわった。

着物姿で歌う外国人


自殺者3万人超える
孤立させずを重点に
守山で予防講演会
 
 全国の自殺者が14年連続3万人を超えた。その原因や予防策を考える自殺対策講演会( 守山市主催)が3月11日、すこやかセンターで開かれた。

 平成10年から続く自殺者は、昨年3万651人を数え交通事故死者を約6倍も上回り社会問題となっている。守山市でも増加傾向にあり市自殺対策連絡協議会をつくり予防対策を図っている。

 この日の講演会には約100人が参加し「こころが疲れたときの対処を知ろう」とのテーマでこころの健康法やストレスの対処法に耳を傾けた。最初に「 守山市の自殺の現状」について、すこやか生活課保健師の福島淳哉氏が報告した。守山市で10人が、滋賀県では308人(平成22年)が自ら命を絶っており、県内の交通事故死者に比べて3倍を超えている。

 自殺原因には健康問題が48%と最も多く、次いで経済・生活問題が22%、家庭問題13%、勤務問題8%、男女問題3%、学校問題1%となっている。健康問題には精神疾患が大きく影響し、うつ病や総合失調症、アルコール・薬物依存症など。うつ病の75%が医療機関で治療を受けていない実態がわかった。

 自殺者の年齢別では、男性20〜44歳女性15〜34歳といずれも働き盛りの若者に多く、将来の展望が開けない社会不安が起因しているようだ。

 滋賀県精神保健福祉センター保健師の原田小夜氏が本論に入り自殺の予防対策などについて話した。原田氏は「自殺者の多くは心の病気(精神障害)を抱えており、失業、多重債務、過重労働、健康問題、家庭問題など過重のストレスが心身に影響を及ぼしうつ病などから自殺に追い込まれているケースが少なくない」とし、身近な人の様子がいつもと違うと感じたら「孤立させず」「親身になって共感し」多重債務の場合は解決できるので、専門家や専門機関に相談してほしいと訴えた。

4月8日守山市で
音楽や芸術”全開”
アートキッズフェス
 
  4月8日、春爛漫の守山は音楽でいっぱいに溢れる。「ルシオール アート・キッズ・フェステバル」と銘打ったイベントが繰り広げられ、上質の音楽や芸術にふれる一日となる。

 大津市のびわ湖ホールで開かれる「ラ・フォル・ジュネびわ湖音楽祭」(4月28日―30日)のプレイベント。守山では「音楽で行くロシアへの旅」と題して守山市民大ホールで、大阪フィルがチャイコフスキー作曲の「悲愴」を演奏する。有料(一般2千円、高校生以下500円)=LaLaツーリスト( ららぽーと守山)キタダレコード、守山市民ホールなどでチケット販売。

 一方、市民小ホールでは「スイミーの冒険 」(ダンスや歌で表現、午前11時25分―12時10分)「花子さん夢の中でモスクワに行く」(守山音楽連盟、午後1時35分―同2時20分)「チャイコフスキー、ムソルグスキー、ラフマ二ノフ(守山文化協会、守山音楽家協会、午後3時50分―同4時50分)加藤景子ピアノロシア音楽]JAZZ(午後6時―同45分)があり鑑賞無料。

 立命館守山中・高校では「キッズ・アート体験プログラム」と題してミニコンサートや手づくり市など(午前10時―午後5時)。

 守山駅周辺―中山道界隈では、県内実力派アーティストがライブステージ。ダンスパーフォーマンス、アート作品展示などもある。



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