もりやまタイムス
6月号

平成24年(2012年)
No.144 毎月発行


発行責任者 堀井 隆彦/発行所 守山市守山二丁目1番30号

1面
高齢者の居場所施設開設1か月余
吉川副会長が記念誌
特委、初の出張


2面 
赤字経営が続く守山市民病院
守山春秋
守山市4中学校でスクールランチ
パーク&ウォーク6月1日より開催
モリスポが寄付


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▼赤字経営が続く守山市民病院
▼守山春秋
▼守山市4中学校でスクールランチ
▼パーク&ウォーク6月1日より開催
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赤字経営が続く守山市民病院

市、在宅医療の拠点づくりへ
病状に応じて病院の使い分けを


赤字経営の続く守山市民病院は必要か否か。存廃について市民の間で二つの意見に分かれる。「財政的に負担をかける公立病院を民間に委託するか売却すべきだ」。いや「病院は人間の生命に関わる最後の砦だ。特に市民病院は地域医療の拠点であり、赤字だといって切り捨てるものではない」。

存続に反対する理由の一つには、近くに滋賀県立成人病センター(病床数541床)がある。高度医療機能を持つ第3次医療機関.。滋賀を代表する病院で、この病院があれば充分だという意見である。

対比される守山市民病院(病床数199床)は、第2次医療機関.の役割を持つ総合病院。だが患者側にとっては、病状にかかわらず高度医療機関にかかれば安心だという思惑がある。このため成人病センターと競合する中でどうしても市民病院の業務内容は厳しい状況下にある。市民病院の22年度末の累積赤字は9億9千万円にのぼり、また23年度の入院・外来の患者数がともに前年同期を下回っている。さらに職員の退職金の支払いもあって約1億2千万円の赤字決算を見込んでいるという。守山市民の懐具合を示す一般会計約220億円の財政規模の中で赤字の病院経営に毎年、公費を投入する事態が続いており、先の3月市議会でも市民病院の存廃をめぐって議論が交わされた。

代表質問に立った政和会の本城政良議員は「市民病院について今後も公費をいれていくのか。他の方向を考えていくのかを含めて検討する必要がある。また市民病院のあるべき姿、大きな決断の時期にきている」と理事者側に迫った。

議員の質問に対して宮本和宏市長は「市民病院改革プランを実施するとともに、収入の要である医師の確保に全力を上げている」と病院存続へ前向きに答弁した。その具体策として今年度は2人の医師を新たに迎えいれ、また成人病センターからも消化器内科1名を派遣として受け入れる一方、経営改革として4月から大津市赤十字病院の事務部長経験者を院長補佐として就任させた。

こうした議会での質疑応答を聞いて感じたことは、病院の改革プランを推進する行政側の責任と同時に、病院を利用する市民にも市民病院を育てるという心構えが必要ではないかと思う。全国には病院のない市町村が少なくない。地域に病院がないため地域医療を守ろうと住民たちが苦労している。兵庫県の丹波市や千葉県の山武地域ではお母さんやNPO法人が「地域医療を守る会」をつくり活動している。その点、守山市は恵まれている。市民病院をはじめ県立成人病センター、県立小児保健医療センターのほか周辺部に診療所が約70もある。

こうした恵まれた医療環境を財政的にうまく活かすためには、病院や診療所をすみ分けることが患者側に求められよう。つまり病気に応じて診療所、第2次、第3次医療機関を使い分けることが必要だろう。宮本市長は今後の市民病院のあるべき姿について「亜急性期.から慢性期.患者を中心に在宅医療受け入れ拠点としての機能を充実させる」と述べている。これは成人病センターとのすみ分けを考慮した考え方だろう。

このすみ分けを実施して成果を上げている例がある。山形県の連携パス.がそれ。A病院は高度専門医療を強化し、B病院は回復期(慢性期)対応とし、内科、整形外科、リハビリ科に特化し地域の医療機関や福祉と連携したシステムだ。「連携パス」は守山市でも活用できるのではないか。そのためには、市民の協力が不可欠なことはいうまでもない。『病院をなくすのは、すぐにでもできるが、いざ病院を作るとなると何十倍、何百倍の努力とお金がかかる』。これからの守山市もますます少子高齢化が進み、在宅医療の受け入れ拠点としての市民病院の充実が問われる。宮本市長が目指す住みよさ日本一.の守山市にとって市民の安全、安心のための病院づくりはどうあるべきか、市民も考えるときである。



守山春秋
祭りは時代とともに規制緩和や外国人参加

守山市内のゴールデンウィークは、各神社の春の例祭行事にわいた。主なところでは杉江町・小津神社「長刀まつり」、幸津川町・下新川神社「すし切り神事」、吉身四丁目・馬路石邊神社「豊年踊り」など。

春祭りに共通するのは、五穀豊穣や家内安全がキーワード。日本古来の農耕民族の伝統文化に由来する春祭りは、稲作の田植えを無事終えて、秋の実りの豊作を祈願する伝統神事である。

しかし、この伝統のお祭り行事が時代とともに変遷している。以前、小紙にも触れたことがあるが、守山市も少子高齢化が進み祭礼行事が変わってきている。すし切り神事の場合、すし切りの大役を務める男子は以前、「元服を終えた20歳前後の長男」との規定があった。しかし担当集落に対象者が少なくなり、またいなくなり「助け.といって他の組から借り受けたり」「年齢や次男以下も含めた」規定
を緩和する年もあるという。また、小学生男子が務める「かんこ舞い」のさらさ.の役も女子が代役することも。

一方、国際化の波に乗って祭りに外国人も一役買っている。守山市域も加わる兵主大社(野洲市)の例祭では、伝統行事を堅持するとともに豊積若頭会が、女性みこしギャルみこし.(あやめ神輿)を数年前から登場させている。女性の担ぎ手を公募し今年も中国人をはじめアジア系、南米系の若い女性らが加わった。赤ハッピ姿で棒鉢巻のいなせないでたちで、日本の伝統行事に花を添えた。

また神社のない新興住宅団地では、5日のこどもの日には子ども手づくりみこし.が団地内を練り歩いた。祭りのイベントは地域によってさまざまだが、地域の一体感を呼び起こし地域活力を育んでいる。時代が変わってもいつまでも祭り行事が続いていってほしいと思う。



守山市4中学校でスクールランチ
外部委託で配食

 中学校給食のなかった守山市に新しく「スクールランチ」制が取り入れられ、5月21日から市内4中学校で実施した。家庭からの持参弁当がむずかしかった生徒にとっては朗報で、従来の家庭の持参弁当と外部委託による業者の注文弁当との併用という選択制の中で
スタートした。

 市では現在、小学校で給食を実施しているが、中学給食はなく家庭からの弁当持参を取り入れてきた。ここにきてスクールランチを導入したのは、保護者からは「小学校と同じように中学給食を」と要望する声が高まっていたためで、スクールランチは完全給食への足がかりともいえよう。

 隣りの野洲市では数年前から中学給食を実施しており、3月の守山市議会でも取り上げられた。市では「保護者の弁当づくりは子ど
もへの愛情表現であり、朝早くから作ってもらった弁当に子どもが感謝の気持ちを持つことが大事であり、弁当を通じて親子それぞれの思いを伝え合うことができて大変、有意義であると思う」と答弁している。

 市のスクールランチは、JAおうみ富士が調理を担当。地元産の食材を使用。初日のメニューは近江牛のハンバーグ、肉じゃがなど。4校で10人が利用した。各中学校では委託弁当を希望する生徒を事前に掌握し、一週間分まとめて予約する。一食500円。

 今、中学給食で全国的にスクールランチが増える傾向にある。いくつかのメリットがあるようだ。外部委託にすることで、費用が抑えられる。家庭の弁当調理の負担が軽減される。生徒に栄養の整った食事を安定的に供給できる。事前支払いのため給食費の滞納が起
こらないなど。しかし中学給食は食育.としての位置づけからいえば家庭か業者か.の弁当の選択制は食事の格差を生む。また一
食500円の価額設定にも疑問が残るとの声もある。


パーク&ウォーク
6月1日より開催
 
 「守山ほたるパーク&ウォーク」が6月1日から始まった。10日まで。今年は「人にやさしい」をキーワードに、車イス利用者や東日本大震災者を対象にしたイベントも。被災地に祈りをこめた「夢灯」やノンステップバスの導入など。期間中、うの家や市民ホールロビー、銀座商店街などで音楽祭のほかスタンプラリーもある。

モリスポが寄付
 
 潟c潟с}スポーツ(相原満雄代表取締役)はこのほど、守山市に自動車3台(500万円相当)、守山市教委にスポーツ施設備品(200万円相当)を寄付した。また相原氏個人として市教委へ学校体育備品(100万円相当)も寄付した。

 同社はこれまでも公用車53台やスポーツ用品、サッカー場「ビックレイク」に電光掲示板などを寄付し連続17年目となる。5月14日に市役所で目録の受領式をした。市などでは寄付物品のうち自動車は総務課、スポーツ施設備品は文化・スポーツ課、学校体育備品は学校教育課などに配られる。



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