朝のテント場(奥は黒部五郎岳)
紅葉の石ころ道を登る
 昨夜は寝付いてから2時間は熟睡したのだが、後は眠りが浅かった。どうも山で長時間の熟睡ができない。朝4時頃になるとまわりではもうみんな起きて、出発準備をしているようだ。今日はピークを踏んで帰宅しなければならないので、ゆっくりできない。簡単なもので朝食を済ませ、テントはそのままで、サブザックに必要なものだけ詰め込んで、出発は5:40だった。何とか出発したいと予定した時間内に出発できた。
薬師平
稜線へ
 天気は予想どおり今日も快晴のようだ。テント場からの最初の道は石ころごろごろの歩きにくい急坂だった。周りの樹木は黄色く色づいて綺麗だ。しばらく歩くとまた視界が開け、間もなく木道の敷かれた薬師平を通過する。このあたり前方に槍ヶ岳を含む穂高連山が望めるが、完璧な逆光状態となってしまって良い写真が撮れない。
間もなく稜線
振り返ると黒部五郎岳
 やがて薬師岳頂上へと続く長い稜線への登り道となる。まるで青空に向かって登っているようなシーンに見える。振り返ると遠方には朝日にてらされた黒部五郎岳の全容が目に入る。また今日もたくさんの登山者が登ってくるのが見える。きっとみんな爽快な気持ちで登っているのだろう。
遠方に日本海が
稜線で黒部五郎岳をバックに
 稜線に出ると反対側に、富山の街とその向こうに日本海が望めた。片方にはアルプスの山々、一方には広い海、なんとも贅沢な稜線だ。黒部五郎岳をバックにまた写真を撮ってもらった。今回はいい写真が撮れているように思う。やがてこじんまりとした山小屋、薬師岳山荘のところまでやってきた。
薬師岳山荘到着
岩に立つイワヒバリ
 山荘の前にはメニューが書いていて、缶ビールが\600だった。さすがに頂上直下では高価だ。ビールは帰りの太郎平小屋まで我慢することとする。間もなく行くと、岩場のところにたくさんの鳥がいた。穂高でも見た「イワヒバリ」のようだが、ここの岩が気に入っているのか10羽くらいいるようだ。後できいたところでは、イワヒバリは厳しい環境で子孫を残すために、多夫多妻となるそうだ。
歩きやすい稜線
振り返ると有峰湖が
 ここからの稜線は歩きやすかったのだが、頂上と思っていたところが手前のピークで、頂上はまだ先であった。振り返ると次々と登山者が登ってきていた。遠くには相変わらず有峰湖が水をたたえているのがはっきり見える。景色は今日も最高だ。こんな素晴らしい中を歩いている歓びが湧いてくる。
 三日間で出会った花々(実)
2日目(9月21日)の記録
秋晴れの真っ青な空を薬師岳へ
 やっと頂上らしきピークが見えるが、まだずっと先だ。ここでも写真を撮ってもらった。稜線でもいい写真が撮れた。そしてたくさんの人が前方に見えてやっと間違いなく頂上までたどりついたことがわかった。
 頂上ではまず証拠写真。「薬師岳 2,926m」とある標識のところで。ここでも下方に有峰湖が綺麗に入っている。頂上からは360度遮るものはなく、周辺の山々は全部見渡せる。頂上からこんなに見られるのは久しぶりなので、見えるすべての景色をカメラに納めた。立山方向には五色ヶ原へと続く尾根道とその奥には切り立った剣岳が綺麗に見えている。こちらをバックにしても撮ってもらった。
 剣岳の奥には後立山連山、右手前方には赤牛岳から読売新道の峰、逆光となっているが、槍と穂高の連山、手前には雲の平、黒部川の源流らしき場所も見える。頂上には30分余りいた。何時まででもここにいたい気持ちだが、帰りのことを考えると下らねばならない。
 下り道でまた素晴らしい山並みが見られた。黒部五郎を一番手前に、笠ヶ岳、乗鞍、御嶽山と3,000m級の4座がほぼ1列に並ぶように見られた。最初の2座は未登頂なので、何時か登ってみたい。下りは速く、いつの間にか薬師平の木道のところまで返ってきていた。この後、薬師峠のテントを撤去して、最後にもう一度太郎平小屋前のベンチで休憩してから下界へと下った。
 時間がどうしても気になって帰り道は急いだ。これから登る人たちにもたくさんすれ違ったが、天気は崩れぎみになるようだ。なんとか帰宅タイムから逆算してのリミットと考えていた午後4時に折立までもどってこれた。それにしても2日間これ以上の望めない最高の天気で素晴らしい山行ができたことを感謝したい。
ツルリンドウ アカミノイヌツゲ  ゴゼンタチバナ
マイズルソウ オオカメノキ コケモモ
ミヤマママコナ イワショウブ チングルマ
シラタマノキ リンドウ   シラネセンキュウ
オオバタケシマラン トウヤクリンドウ  ミヤマリンドウ
少なくなったテント場へ帰着
登り口へ下山
下山時に見えた4峰
薬師平を下る
剣岳をバックに
下山スタート
頂上にてバックは有峰湖
頂上の風景
稜線で頂上バックに
間もなく頂上
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