もう１０年以上前、秋の体育の日の祝日に家族で立山へ行った。美女平から室堂へのバスから見る景色は紅葉がとても綺麗で見とれていた。その時視界にやけに裾野の長い悠々とした山が入ってきた。その山が薬師岳だと教えられた。その時は立山の紅葉を楽しむ目的だったので、山登りなど考えられなかったが、何時の日かそんな雄大な山に登りたいと思っていた。

　それからかなりの年月が経ったが、どうもこの山に入る機会がなかった。ところが、この長いＳＷの自由になる２日を考えた時、ずっと思っていたこの山を登ろうと決めた。それも最高に天気が良い２日間を狙って。有峰林道は朝６時からゲートが開くことの情報は得ていたので、なるべく早く入口の駐車場へ行って、仮眠しようと考えていた。

　さすがに連休だけあって多くの車が陣取っていた。また、折立の駐車場もものすごい数の車だった。何とか縦列駐車する事ができた。折立で荷物の準備と朝食をとっていたら、毎度のごとく出発は８時半をまわってしまった。

　地図で予想したとおり、最初が急登で「三角点」とあるところまでがしんどかった。でも花が終わって実を付けているたくさんの植物を観察しながらゆっくり登ったら、２時間で到着した。なんと、ここから北東方向には立山から剣岳、その奥には後立山連峰まではっきり見えた。素晴らしい光景が広がった。ねらいどおりの最高の天気だ。

　それにしてもこの空の青さはどうだろう。こんな空を山で見るのは久しぶりだ。三角点を過ぎてしばらくは急な登りだがやがて高木がなくなり、視界が急に開けた。この後は、ずっと草原の道を歩くような感じだ。振り返ると下方には、有峰湖が綺麗に望めた。前方には積雪を量るためのポールのようなものがたっていた。

　８月の穂高は天気がいまいちだったが、今回はこれ以上ないくらい良い天気で快適そのもの。ただ日差しもかなり強そうなので、日焼け止めクリームを塗りたくった。白く見える薬師岳の尾根が眺望できるようになってきたので、バックに入れて写真を撮ってもらった。

　視界が開けてから所々に木道が敷いてあり、延々と続いていた。途中、五光岩というところにたくさんベンチがあり、登山者が憩っていた。私もそこで、小休止。ここでも薬師尾根の眺望は素晴らしかった。ずっと眺めていても見飽きることがなさそうだ。天気次第でこんなにも山歩きが楽しくなるのか。

　やがて遠くに赤い屋根の山小屋が見えてきた。どうやら太郎平小屋らしい。小屋の前は広いスペースでたくさんのベンチがあり、多くの登山者が休んでいた。ここからの眺めも最高で、雲の平方面のすべての山並みが望めた。まさに楽園のようなところだ。記念写真は、雲の平方面の山並みを入れて撮ってもらった。

　ここから今夜のテント場まですぐのようなので、ここで、持ってきたビールをいただくことにした。この景色を眺めながらのビールは最高という言葉以外ない。至福の時というのはこんな時なのだろう。苦労して山に登ってこそ味わえる悦びなのだろう。

　１時間以上もこの素晴らしい景色に見とれてしまった。今夜のテント場はここから２０分下った薬師峠にあるようだ。正面に薬師岳の尾根を見ながら歩く。ここも木道が敷かれていて歩きやすい道だった。途中から右手を見ると、今まで見れなかった槍ヶ岳の穂先が手前の山の斜面から少し姿を現してくれた。

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【日　時】　2009年９月２０日（日）、２１日（月）
【行き先】　薬師岳
【天　気】　快晴
【メンバー】　シャラ単独
【コース・タイム】
9/20　折立出発　　　　　　 8:35
　　　 三角点　　　　　　　　10:40
　　　 五光岩ベンチ　　　　13:25
　　　 太郎平小屋　　　　　14:20　　
　　　 　　　　　　　　　　　　 15:30
　　　 薬師峠テント場　　 16:00

9/21　薬師峠テント場出発　　5:40
　　　 薬師平　　　　　　　　　　 6:20
　　　 薬師岳山荘　　　　　　　 7:20
　　　 薬師岳頂上　　　　　　　　8:30　　　9:05
　　　 薬師峠テント場　　　　　10:50　　　11:50
　　　 太郎平小屋　 　　　　　　12:10　　　12:30
　　　五光岩ベンチ　　　　13:20
　　　三角点 　　　　　　　　　14:30
　　　　折立帰着　　　　　　　　16:00

　たくさんの登山者なので、遅くなってしまって、テント場が空いてないのではと心配したが、まだスペースは大丈夫だった。午後の４時だったが、天気がいいので、まだまだ明るかった。ゆっくりテントを張った。夜中にトイレに行ったら星が綺麗だった。明日の天気もまちがいなく快晴だろう。