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    さっちゃんの作文 ふたっめ               
                                             小学4年 5組   まるきさちこ 

さつちゃんのお店はがらくた屋さん

   さっちゃんにも やっと妹ができました 名前はあいちゃんて言います おちゃっさんが近くの日曜大工センターから貰ってきました 妹も私も同じハーフでとても素直な気立ての良い子です そのあたりも私によくにています 遠出の散歩に行くときは いつも私は助手席であいちゃんはおやっさんのひざの上に乗せて運転をしています 近所では「ちょっとかわっている車やなア」ともっぱらの評判です 犬が二匹も両窓からぬーと首をだしてさっそうと走っているのですから無理もありません そこへもってきて車の積荷が変わっていて外から丸見え 昔の電話機やゴミ袋に入ったぼろきれ おもちゃにたんすの金具 何やわけのわからん物が一杯詰め込んでいます 引っ越しかな? ちょっと違うみたい 廃品回収の車かな?これも違うみたい という回りの声が聞こえそう かなり怪しい車です しかしおやっさんはそんなことぜんぜんきにもしていません 
 買いだしに行くときも もちろん 一諸についていきます お客さんのニーズにこたえられるよう ちょっと変わったがらくたを探し出してくるのが一苦労 私もついていて だんだんとおやっさんの仕事の面白さと隠れた努力がわかります
このあいだも田舎の古いお家からがらくたを運び出している時 近所のおばさんが出てきて 不思議そうに見ていました  「怪しいものではありませんから 近江の骨董屋でんねん」と先に言い訳をしていました もうちょっとで昼間の泥棒と間違われそうでした
 さっちゃんのお店は青空が一杯広がっているの 大きい薄暗い店構えよりこちらのほうが楽しそう ときたま雨が落ちてくるし 涼しい風が吹き抜けるし日当たりは良好で言うこと無し 強がりでもなんでもありません おやっさんは私にガマンというものをみをもって教えてくれています そのかわり縮緬や絣 藍の型染めの上で寝ていても怒ったりしません 多少私の毛がついていてもそれはそれでしかたがないことと私もおやっさんもわりきっています お客さんもきれを見るとき「ちょっと さっちゃんどいてや」と私のしたからきれを引っぱりだしてきて気に入ったら買ってくれます 多少売れ行きが落ちますが はじめての人は「わあぁ 動いたー」と驚かれますが 私もはくせいではないのですから いがいと心の広いお客さんが多いのに安心をしています  感謝
こんな私にも悩みというものがあります あっち こつちでお昼どきともなるとお弁当の時間となります おかずの かしわのから揚げやウインナーのにおいがしてきます つい誘われてふらふらと食べている前に座りこんでしまいます じーとみておねだりをしていると 「ゆっくりと食べられへんやないか」とおこられますが しまいにはごちになってしまいます 気がついたおやっさんが近所の骨董屋さんにあやまりながら「さち こっちにきとき」と呼ぶ声で はじめてわれにかえります これ だけは頭でわかっていても自分が押さえきれなくて
 おしまい


また書きます
 
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