創作新作落語      ほとんど 実話            

101の愛用のマグカップで一息
パソコンは私の伝達手段


                       さっちゃんが今まで見たり聞いたりしたしたことを包み隠さず誇張もしないでかきとめました                           ほんまものを聞きたかったら 露店に来てください                                             

 えぇー昔から落語に出てくる道具屋といいますと、露店でわけのわからん物を売っている話とそうばがきまっていますが いまどきは リサイクルとかエコロジーとかいいまして 環境にやさしい時代の最先端の商いになってきよりましたなぁ  フリーマーケットもおおはやりでお互い、いらない人からいる人へ という合言葉でにぎわっていますな
 しかしなんでんなぁ  こんな時代でも  昔ながらのおもろい古道具屋さんというのが いやりますなぁ (まあ 一回だまされたおもて弘法さんの北門をのぞいてみなはれ ひやかすだけでおもろいから) と大家にいわれて 近江は守山から のこのこでかけてきました  びわやん
 ここは 京都の東寺の終い弘法 押すな押すなの善男善女で えろうにぎわっています   (今日は今年最後の弘法さんや うわあごっつ人が出とるで ) 境内は  ところせましと 露店が建ち並び 歩くことも ままにならないくらい 主催者発表10万人 (誰が調べたのや) さあさ こうてや安いで やすいでぇ とメリヤスのシャツやパッチ お茶から植木 たこ焼き おいもステイク とないもんがないくらい コンビニ マクド はおろか相互百貨店も真青  これはもともと真青で( いらんこといいな) と自分でつっ込み ブツブツいいながら 人の流れに押され ようやく北門のもう一つ骨董を商っている露店の並びにやって来ましたびわやん ( おまいりがてら 正月のろうそくと線香は もう こうたしと 大屋さんの言うとった ちょっとおもろい露店というのはどこやろなぁ) というているうちに ふと へいがあるあたりで 人の流れがよどんでいるところに 足が止まりました   たしかこのへんやいうとったけどなぁ  (なんや 今日は粗大ゴミの日かいなあ ゴミが一杯ほかしたるがな 紙くずに鉄くず つぶれたトランクに 欠けた茶碗 わしも タバコの空箱でもついでに ほかしたろ )とほったとたん   後ろから 「誰が売り物のところにゴミ捨てよねん」と大声が  びわやん よう見なおしても やつぱり ゴミ (ちりも積もれば山となる そんなこと言うてる場合やない 悪い予感がしてきた) 「お前に言うとんねん 他に誰もいよらんやないか」 びわやん タバコの空箱をひろって向こうに行こうとすると 後ろから さっきのおやっさんがやさしい声で 「おおいー そこのおやじ いや社長 会長 とどめや男前 色男 、、、  やっと振り返ったな」 にやり  「弘法さんの土産になんかこうていったり 」 びわやん(さっき 線香と ろうそく もうこうたし もうええわ)と行こうとすると またおやっさん 「もう片方の手があいたるやろ 両手にぶらさげて 帰り  よう探したら 何か掘り出しもんがあるかわからへんでぇ 」 (どこに?  掘り出しもん? 穴でも掘ったら小判でも出てくるのかいなぁ )とひやかしたのが 運のつき おやっさんにつかまってしまいました
 びわやん (おやっさんの店は なんかごちゃごちゃして ようわからんわ 自分で探す店なんかぁ えらいなまくらな店やなぁ)「そうやぁ 客から探す楽しみを取り上げたらかわいそうやしな」  (見てるだけで疲れる店やなぁ) 「そこがこの店の良いところや」 (ちょっと聞くけどなぁ こんな粗大ゴミ いやこれで この店 売れてんのかいな) 「よう心配してくれはりましたな わたいも心配でしてんけどなぁ これが 結講 ちょび ちょび売れていくんですわ 不思議でんなぁ こんど世界の七不思議に登録しようかと思うてまんねん 」 (ギネスやあらへんがな) とだんだんにおやつさんのペースに
 大家さんの言うてた北門の昔ながらのおもろい道具屋に自分から 知らず知らずはまってしまいました ひやかすつもりが逆に、、、、、  「 まあまあ これなど どないだぁ 今日の店長のおすすめ品 」 (誰が店長や  スーパー やレストランやないんやさかい) 「まあええやんか 細かいこといいな ほんならこれはどないや まあ手にとってみなはれ この皿 ようできてまっしゃろ 時代はあるし 焼きはミデイアムや 櫛高台 鍋島の献上品や 上品やろ まるでわたいみたいや 」 (そんなええもん この店にあったかいな ) 「それはそうと お客さん 言うてへんたかいな 一たんお手におとりいただいた品物はお買い上げいただくシステムになっとるんや 」 (うわぁー、返すわ) 「心配しな 冗談やがな 昨日まではなぁ、、、、、 今日は売上悪いし こてもらうわ」  ( うわぁー返すわ) 「よう返すやつやな ごめんな お客さん こんなことばっかりいうて楽しんでまんねん ひまやしな 」(よその店はよう繁盛してるで) 「なにいうてんねん わたいの店は自主独立 我が道を行く 路線でやってまんねん」 (かっこよろしいな ようわからへんけど )
 ああや こうやいうてる間に客がちらほらでもたかってきました 「 ほらみてみ 自主独立路線や アメリカはんの世話にならんでも頑張ったらこのとうりや 独立採算制を取り入れた近代経営の成果や」 (おっちゃん 学あるな ) 「まあわかりやすく言えばやなぁ 品物ではよそに負けるが あんたがサクラになってもろて客があつまったというわけや」 (ふうーん)  「鼻くそをほじくってものいいな 店長にたいして失礼やないか」 (まだいうてんのかいな 疲れてきたわ ) 「疲れるのはわたいのほうや 朝暗いうちから ずーとこないなことばっかりいうてんねんどー」 (しらん) 
  「まあええわ いろいろ協力してもろたし とっときのやつを安くしといたろ こうていくか これ 」  おやっさんがもたいぶってダンボール箱から取り出したのは小汚い地球儀  びわやん(こんなんこうてどないするねん) 「床の間があるやろ ガラスのケースどこかでこおて ちゃんっと飾っといたらええやないか 」(親戚中のもの笑いの種になるわ) 「言うとくけどな これはどこにもあるここにもあるちゅうもんとちゃうでぇ 」(ここに倒れたるやないか 玉だけとれて)  「いちいちつっこみな 品物のご紹介がでけへんやないか」 「もとえ これはな 東大の工学部に置いてたやつや お前ら 行ったことないやろ 」 (よういうわ おっちゃん いったことあるんか) 「わたいの母校や」 ( どた)  「あんな これは地球の自転にあわせて 勝手に回りよんねんで 磁場の影響で 太陽の黒点からでるベーター波の力を蓄えて サイクロンが渦巻いて えー とそんだけ説明したら良いやろ わかったか あぁーーん覚えとけ うそや思うねんやったら こうて帰えって 押し入れの中でこっそりと見てみい あかるうしたらあかんで アルファ波の影響を受けるさかいな」 (暗かったら見えへんがな 昔小さい時あったなぁ こういうだまし なつかしー ) 「ぼーとしとたらあかんがな しゃあないなぁ 別の地球儀出すわ 眼つぶっといてや」 というと真面目な顔をして くるーと背中に回し客に突きつけた 「 これや 朝から何にもこおてへん人はこれこおていってぇー」と大きな声張り上げたもんで さらに客が集まり出した  次の講釈聞きたいなぁ 何や何や それ わい わい がや がや  「あんたらな 人を馬鹿にしてるやろ これなぁ ここらへんにはないやつやねんで 南半球で使ことるやつや これほんまの話やで それが証拠に 見てみ 北半球が下になっとるやろ 」 あっ ほんま ほんまや めずらし   よう見たら玉ひっくり返しただけやないか もうちょっとでだまされるとこやった あぁおもしろ  「あっ そやった 南半球のやつ 家に置いてきたわ ほんならこれ 200円でええわ こおていったり 終い弘法の土産に 」 隣の骨董屋はんがすかさず 「おっちゃんとこ 初めて まともなこといいよったわ わしが保証書かいたる こうていったり」 びわやん ( こら あかん となりのおっさんも あんまり かわらんわ  そやけど こんなん こおてかえって何につかうねん ) 「そんなん自分で考えんかい 人にたよったらあかん 今日は特別や  よっしゃおせたろ まず台から玉とりだす ここんとこは慎重にな 取り出したらそれを  ドッチボールとかボーリングの玉に使うんや 」
 横で聞いていた客が(よう遊びよる 露店のおっさんも客も地球儀一つで30分も もたしよった  わしやったら      すいか割りに)                                                                                                                                                                                                          


 
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