2011年モーニング感想部屋


二十巻  付いてくるのは「20番の世良にちなんだステッカー」と宣伝されていたはずですが、見たこともない女性が描かれています。何者なのでしょう。世良ギャル? 世良くんの関係者? 単に先生が女の子を描きたかっただけ? グッズを身に着けているだけで「世良にちなんだ」と表記するのは、苦しいような気がします。

 ちょっとネガティブというか、そんな感じの文章なので、隠します。読後のことは責任が持てませんのでご了承ください。
 物語には意外性が重要です。「GIANT KILLING」は今までに何度も、読者の期待や予想をいい意味で裏切ってきました。
 モーニング三十四号で明かされた設定は、培われてきたキャラクターのイメージを大きく崩しました。読者からは、賛否両方の意見が出るでしょうし、考察や妄想の余地もあります。
 しかしながら、二十巻に付いていたステッカーのデザインと宣伝文句からは、「看板に偽りあり」という言葉が思い浮かぶだけで、今後ステッカーの女性が本編に登場したとしても、肯定的に受け止められそうにありません。
 製作者サイドが「サプライズ」を重視しすぎるあまり、迷走しているようにも思えます。それらは単純に、担当さんが代わった影響だと受け止めてしまって良いものなのでしょうか。

 山形の怖い話。カモッピの顔色が悪いです。寮で蝋燭を灯して怪談をする山形の若手選手が素朴で素敵です。この人たちは携帯ゲームなど使わずに、皆でトランプなどをしてコミュニュケーションをとっているような気がします。
 光り輝くケン様。全盛期の髪型がすごいです。ドレッド? コーンロウ? 四十一歳にしてなおも現役を続けるスーパースターは、体だけではなく毛根も丈夫なようです。
三十四号  有里ちゃんの隣に副会長。いつもはスタジアムの上の席で、会長や後藤さんと試合を観戦しているのに、どうした心境の変化なのでしょう。接待の都合なのか、副社長と顔を合わせることを避けたのか、有里ちゃんに「叔父さんヒマでしょ?」とばかりに駆り出されたのか、判断の分かれるところです。
 
 村越さんに関する考察と、奥さんに関する妄想文です。読まれるのであればマウスでドラッグしてください。読後のことは責任を持てませんのでご了承ください。
 村越さんはオフの日に、ファンシーなアミュズメントパークで家族サービスに勤しんでいる。そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。
 ETUにすべてをかけてきた人ですから、未婚と既婚の確率は五分五分ぐらいなのでしょうが、もしも村越さんが既婚者なのだとすれば、相手は学生時代の同級生か、サッカー部のマネージャーで、高い場所にある物を取ってあげたとか、重い物を運んであげたとか、ベタすぎるぐらいにベタな馴れ初めを想像していました。長いあいだ苦労をかけてきた負い目から、村越さんはきっと奥さんに頭が上がらないのだろうと。
   村越さんがETUのキャプテンとして背負い続けてきた苦労を分かち、彼を支えられる人。もしも村越さんに妻がいるのならば、そんな人であって欲しいという願望を、私は抱いていたのだと思います。「ずいぶん若い元タレント」では、その条件を満たせそうにないから、ショックを受けたのかもしれません。
 
 まず考えられるのは、十年のあいだに、村越さんの心の中で、達海さんのことに関して整理がついていた可能性。単行本一巻の、達海監督の初めての練習のシーンで、村越さんは清川くんに声をかけていました。厳しい人ではあるけれども、決して近づきがたい人ではない。冗談も通じるし、軽口も叩く。チームメイトにとって頼りになるキャプテン。それが、達海さんが監督に就任する前の、そして本来の村越さんの姿だったのかなと思います。
 しかし同時に、彼はキャプテンとして、選手のバランスや戦力を考慮し、負けないことを第一に戦ってきました。キャプテンという地位を越えた役割を課された状態に、いつの間にか村越さん自身が慣れてしまっていた。
 一人の選手に負担を強いる体制は、長い目で見ればチームにとっても、選手にとってもマイナスでしかありません。達海選手が中心だったころのETUのように。しかしながら、村越さんには過去を振り返っている暇はなかった。
 村越さんの献身は実を結び、チームはどうにか一部リーグに留まった。やがて彼自身にも、家庭を持つ余裕ができた……。
 そんな矢先に、達海さんが監督として戻ってきた。
 ETUを捨てた男に、ETUを守り続けてきた自分が負けるわけにはいかない。そんな思いで挑んだ紅白戦には敗れ、村越さんがしてきたことは新監督に否定された。キャプテンという、自身の拠り所を取り上げられた時、村越さんの心に、達海さんの突然の退団がきっかけとなって起きたETUの暗黒時代の記憶が蘇り、彼自身が自覚していなかったことや、他人に打ち明けるつもりもなかった苦しみが、怒りとなって溢れだした……。

 もう一つは、若い元タレントが、村越さんを長いあいだ支えてきた可能性です。
 村越さんの妻は、小さいころから劇団に入っていて、子役として芸能界で活躍。仕事の役作りか、友達の付き合いなどの理由でETUの練習場に行き、村越さんに恋心を抱きます。
 若い彼女のアプローチに圧倒されるも、村越さんはファンを大切にするのがモットーなので、厳しく拒絶できません。体格の良い選手と互角に渡り合えるのに、女性には弱い男。それが我らのミスターETU。ベテラン選手は、そのあたりの過程を目にしています。
 彼女のとりとめのないお喋りを聞いているのが苦痛ではないことに気づいたり、普段と違う彼女の姿をテレビで見たりと、次第に村越さんの気持ちには変化が訪れます。
 紆余曲折を経て、二人はついにゴールイン。彼女は結婚を期に芸能界を引退し、今では妻として村越さんを支えています……。
 「いつも主人がお世話になっております」と頭を下げるキャプテンの奥さまが、自分(矢野さんで二十四歳)よりも年下なのです。この説ならば、若手がタブー視するのも頷ける……かもしれません。歳の差カプに萌える人間としては、後者の説を押したいです。


 「恩人を裏切る」ならまだしも、「命の恩人の、その奥さんと昼ドラになる」とは、ピンポイントな地獄もあるものです。この地獄は亡者の数が少なそうですが、気のせいかもしれません。
 今週もシロが可愛いです。もふもふ!
三十三号  八谷さんはポジティブシンキング。勝負の世界では大切なことなのかもしれませんが、暑苦しいです。エスコートキッズも、まさか転ばされるとは思いもしなかったでしょう。
 緑川さんがケガをしている上に、村越さんと堀田さんが欠場しているETUと、急造の最終ラインを代表GKの星野さんが統率する川崎。前節の相手である山形は、どちらかといえば守備に重きをおくチームだったので、川崎戦では派手な取り合いが見たいです。
 キョーコちゃんの家で飼っているナナは、トイプードルなのに猛犬のようです。キョーコちゃんの家族>ナナ>キョーコちゃんという格付けの結果なのかもしれませんが、噛み癖は早いうちにどうにかしたほうがいいと思います。
 そんな彼女がETUの練習を見に行けば、犬を飼っている人同士(?)、王子と話が弾むかもしれません。彼は女性に優しいですし、うまくいけば、テッタくんが、キョーコちゃんをダシにして王子のサインをゲットできる可能性もあります。ただ、もしもそんなことになれば、コータくんとキョーコちゃん、テッタくんの間で、三角関係が発生するような気がしないでもありません。

 奪衣婆が出したヌード写真集の印刷代と発行部数が非常に気にかかります。ネットの一部で話題になっているということは、見た人が当然いるわけで、もしかしたら画像もアップされているかもしれません。恐いもの見たさとはまさにこのような気持ちなのでしょうか。
三十二号  八谷さん、監督の話は最後まで聞いてください。「世間の声が聞こえる」という発言を訳さねばいけなかった通訳さんの苦労がしのばれます。
 リーグ戦の前半が終了した時点で、首位のガンナーズと三位の勝ち点差は六。それが「首位の背中が見えている」状態になったということは、リーグジャパンの上位チームに、波乱が起きているのでしょうか。
 星野さんとネルソン監督の関係は、意外と簡単に修復された様子。内輪もめとまではいかないにせよ、ひと波乱はあるかと思っていたので、少し拍子抜けです。結局、彼もまた、他の川崎の選手と同様、調子乗りだったということなのでしょうか。代表で上手くやっていたのは、ブラン監督に褒められていたからなのかもしれませんが、「今のズビーッとしたコーチングは良かった!」などと言われて、調子が上がるのかどうかは分かりません。
 ETUのキャプテンマークを巻くのは杉江さん。椿くんはホッとしているようですが、試合になれば、また八谷さんとマッチアップすることになると思うので、それはそれで大変そうです。
 キョーコちゃんの手を握るパッカくんは、ちょっとだけ紳士に見えました。女性とちびっ子には優しいのに、相変わらずコータ君たちを無視するパッカくん。小学四年生(一〇歳)の男の子は、パッカくんの「ちびっ子」基準から外れているのかもしれません。
 そういえば今週は村越さんが出ていませんでしたが、他のベンチ外の選手とともに、メインスタンドで試合を見ているのでしょうか。別にパッカくんの中にいるとは思っていませんよ!

 扉絵で浅草寺のホオズキ市の宣伝をする鬼灯さん。浅草はETUのホームですし、台東区は週刊モーニングに感謝状を贈ってもいいと思います。
三十一号  有里ちゃんが可愛すぎる……。
 有里ちゃんはクラブの男性に触れることに抵抗がないようですが、有里ちゃんに触った人は、単行本二巻の王子に続いて、後藤さんが二人目だと思われます。グラウンドで練習している選手やコーチには「何かを叫んでいた有里ちゃんを、後藤さんがネットから引きはがしていた」とか「取り乱す有里さんの肩に、後藤さんが手を回していた」ように見えていたのでしょうか。動揺する若手選手と、「あの二人(というよりも有里ちゃん)にはよくあること」と平然としているベテラン勢の姿が目に浮かぶようです。
 有里ちゃん会長の若くて未熟な部分を、時には諭し、献身的に補佐する敏腕GMの後藤さん。有里ちゃん会長の周囲が、どんどん埋まっていくようです(ただし、私の想像の中で)。
 川崎のチームバスにふろりん! モデルとなったチームのように、外国人選手が「フロリンダイジ! モットオオキク!」とバスのデザインに注文をつけたというような、心温まるエピソードを勝手に期待します。
 村越さんがまさかのベンチ外。達海監督が「連戦続きで怪我が悪化しても困る」と言っていますが、練習中にどこかを痛めたのかと心配です。また、村越さんの信奉者であるスカルズが「達海の野郎、村越さんをスポンサーの接待に回しやがった!」などと騒ぎだしそうなのが怖いです。

 酒は飲んでも飲まれるな。あの地獄の亡者のなかには、ファーストフード店のマスコット人形をお持ち帰りした挙句、弄んでポイ捨てした人もいるのかもしれません。
三十号  先週の編集後記によれば、ジャイキリの担当さんが代わられたようです。マンガ連載において、編集者さんの影響は小さくはないと思うのですが、サッカーに詳しくない新人の方だということが今後の物語の展開にどのように影響するのか、少し気になります。
 自分の半分も生きていないお子様たちに「友達」認定されてしまった椿くん。コータくんたち子どもサポーターには、一緒にチームの応援ができる同年代の友達がいる。スクールでサッカーをしていれば、選手と一緒にボールを蹴る機会もある。そんな彼らを見ていると、つい十年前の有里ちゃんを思い起こしてしまいます。一人でスタジアムに応援に行っていたけれども、彼女はETUや、その周囲の大人たちに気軽に相手をしてもらっていました。スタッフの家族という特殊な立場にいた彼女が、サポーターの子どもたちよりも恵まれていたのか、幸せだったのか、比べることに意味はないのかもしれませんが。
 その有里ちゃんがジャイアント・キリングを果たしたETUフロント。広報部長と笠野さんは、有里ちゃんのすることを笑って見守ってそうなイメージですし、数年後には有里ちゃん会長が実現するかもしれません。
 次節はホーム川崎戦。大江戸通運の副社長がお越しになるそうですが、ふろりんは遊びに来てくれないでしょうか。パッカ君とのPK合戦から乱闘……などという展開になったら、スポンサー様が呆れちゃうからダメデスカソウデスカ……。

 メスのウサギに「辛子」と名付けるセンスがたまりません。そういえば幼少時の管理人にショックを与えたのも、地下迷宮に潜った冒険者を容赦なく一撃で倒していたのも、ウサギでした。人間が一方的に「可愛らしさ」を動物に求めてはいけないのですね。
 もしかしなくても「ダメな上司がいると部下が恐ろしく成長する」というのは、鬼灯さんご自身のことなのでしょうか。白澤さんに上司がいるとしたら、閻魔大王とは違う意味で苦労しているように思います。また、カッちゃんとタッちゃんは、カッちゃんが事故で死んでしまうから不吉な気もしますが、地獄だから関係ないのかもしれません。
二十八号  ガブリエルくんを肩車させられている殿山くんが大変そうです。ひょっとして、ガブリエルくんが殿山くんにくっついていることが多いのは、存在感の薄いチームメイトが置き去りにされないための彼なりの心遣いなのでしょうか。「殿山はどこだ!?」→「こんなところにいた!」というお約束ネタを狙っている点も否定できませんが。
 羽田さんは「4戦連続引き分け」と言っていますが、 リーグ再開した前々節のアウェイ札幌戦で、ETUは勝利しています。自身も応援に行っていたのに、山形の暑さで記憶があやふやになっているのかもしれません。単行本で修正されていることを願います。
 山形の社長が観戦に来ておられました。チームの財政上、お金は出せないけれども、口も出さない。佐倉「監督」誕生にも大きく関わったこの社長は、現場の人々を信じていて、そして目を配っているのだろうなと思いました。
 てっきり、瀬古さんのほうが年上だと思っていたのですが、小森さんとの歳の差がよくわかりません。それはそうと、メガネは返してあげて……。憧れた人に、監督として影響を与えることができるようになっても、それでも佐倉監督はいじられ系なのでしょうし、それがチームに良い影響を与えているのでしょう。
 来週は休載。ゲキサカのインタビューから時間が経っていますし、「休載」に対するツジトモ先生の考えが変わっているのかもしれません。再来週からの新展開に期待したいです。

 鍼治療は肩こりに効きそうだと漠然と思っていましたが、一つ間違えると大変なことになるのですね。「鬼灯の冷徹」は、現世の人々の行いに注意を与えるだけでなく、健康にも気を配ってくれる、実にためになるマンガです。ただいま単行本発売中!
二十七号  表紙は達海監督。クラブハウスの屋根に足をかけているようです。ネクタイをしめていますから、試合に出発するまえに、クラブの人たちの様子を観察していたのかもしれません。
 前回の終わり方や、ゲキサカの予告ネームには王子が掲載されていたことから、夏木さんがゴールを決めるとは思っていなかったですが、夏木さんが王子にPKを譲り、王子が仕事を果たしたシーンは、いい意味で予想を裏切られました。
 選手が成長するということは、フィジカルやメンタルという要素に加えて、チームメイトとの関係が変化するということでもあるのかなと思います。
 メンデスさんにレッドカードが出たのは、堀田さんにレッドカードを出した分、審判が帳尻を合わせようとしたのかもしれません。そういう意味でも、堀田さんの頑張りは無駄にならなかったのだろうなと思います。それにしても、メンデスさんのかっこいいこと。ケン様とは違う種類のかっこよさがあります。山形の選手の皆さんには、プレーに加えて、こういうところも学んで「女性にモテるかっこいい男」を目指して欲しいものです。
 蹴る側も、そして防ぐ側も、PKは本当に祈るしかない。試合が終わった後、佐倉監督が倒れていないか、少し心配です。

 パンくん>茄子くん≒アレな部類の小学校五年生男子。パンくんは本当に賢いです。「エライ」と褒められたときに首を横に振った場面を見て、「この子謙遜できるんや……!」と驚いた覚えがあります。鬼灯さん、相変わらず動物番組のチェックは細かいです。
二十六号  チームが逆転できないのを、チームメイトのせいにしてはいけません。たとえ彼が「ヘタレ」でも。この試合が終わったあと、丸岡さんは菅野さんへの態度が変わってしまい「丸岡のクセに生意気だぞ!」などと言われるのでしょうか。
 自身がゴールに転がり込んでも、山形の得点を許さなかった村越さんがかっこよかったです。プロスポーツの世界は、頑張りや気持ちが必ずしも結果につながるものではありませんが、ETUの決勝ゴールに期待したいです。
 達海さんは試合映像だけではなく、インタビューでの言葉からも、選手の性格を分析している人だった。自身が現役時代から「マスコミ泣かせ」なのは、自身の心の内を読まれたくない、ということもあるかもしれませんが、有里ちゃんの苦労を考えると、もう少しどうにかならないものだろうかと、達海監督のインタビューを見ていないのに思ってしまいます。

 ヤシャッキーの皆さん、誕生おめでとうございます。この子たちも大きくなったら、不喜処地獄で働いて、ご両親のように職場結婚をするのでしょうか。
二十五号  十分の待ち時間は「何もしない時間」ではなく、右サイドを確実に制圧するためのものだった。「堀田の頑張りは無駄にしない」と言って、それを実行に移せる達海監督が素敵でした。
 それにしても、山井さんが身勝手すぎて逆に笑えてきました。山形戦が終わったら、彼はETUの番記者として、どのような記事を書くつもりなのでしょう?
 メンデスさんの顔のアップのコマに描かれた「ゴゴゴゴ」という擬音が何だか怖いです。勝つために、攻撃に参加するつもりなのでしょうか?
 
「鬼灯の冷徹」にもついにネコの足音が……! 「イヌ派」か「ネコ派」かと聞かれて「金魚派」と答えちゃう鬼灯さん流石です。飼っているアレを金魚と呼んでいいものかは判断に迷うところですが。
 二人そろって脱衣婆の脱衣グラビアをお勧めする閻魔大王さまと鬼灯さん。必死で袋とじを覗き、世の中が甘くないことを突きつけられて、少年はひとつ強くなる。それが男の世界なのですね。
二十四号  体操をしているようにも見えるガブリエルくんの動きが訴えているものに、殿山くんが気付いたようです。チームメイトなのに「いつから試合出てたっけ」などと言われてしまう彼が気の毒です。溜めを作ることでプレーのリズムやテンポを狂わせ、疲れを対戦相手の心身に突きつけるということなのでしょうか。
 ハシラの紹介に「さわやかな笑顔の下はのぞかないでください」と書かれてしまったガブリエルくん。サイドを駆け上がるシーンのモノローグがそれを裏付けていますが、プロとして勝負の世界で戦っていくためには、確かに野心も必要ですよね。
 
 クッキーちゃんは愛玩犬にありがちな名前ですが、夜叉一はどういう人に名付けられたのでしょう。生前は極道さんの一家か何かで、番犬兼闘犬として飼われていたのでしょうか。
 救護班にいたウサギちゃんたちが可愛いです。それぞれに名前は付いているのでしょうか。
二十二・二十三号  合併号はニャイアント・キリングというか、週刊モーニャングでした。猫好きの漫画家さんが多いというのは分かるような気がしますが、猫顔の編集長がイメージできません。
 山井さんが語った「外国人選手が日本のサッカーに適応する難しさ」のなかには、言葉の壁が含まれていると思うのですが、ガブリエルくんは大丈夫なのでしょうか。今のところ、ETUの誰かがポルトガル語を話せるという描写はありませんし、チームメイトの言葉もいまいち通じていないようです。ピッチに送り出されるときに、何らかの指示は受けているはずなので、チームメイトと意思の疎通ができればいいのですが。
 達海さんが監督として問題なのは、十分以上も何もしなかった(ように見える)ことよりも、前半にベンチで居眠りをしていたことだと思われます。

 「鬼灯の冷徹」五月に単行本発売。めでたいです。男性が女性に求める一般的な理想をまとめると「牛」になる。確かにそうかもしれないと、何だか納得してしまいました。
十九巻  君もファンタジスタになれるよ! パッカさんは形から入るタイプなのでしょうか。体型のせいで、襟を立てていたことに気付くのに時間がかかってしまいました。
 自虐ネタで若手をいじる緑川さん。最年長で渋い外見なのに、お茶目なところがある人です。いじられた宮野くんは明らかに困っていましたが。
 本人だけではなく、荷物までも存在感が薄かった殿山さん。クラブハウスに残っていたスタッフが、新幹線の駅までバッグを届けに行ったのでしょうか。遠征の帰りに殿山さんが一人置き去りに……! などという事件が起こりはしないか、山形戦終了後が今から心配です。
二十一号  椿くんは「いじられキャラ」ですが、達海監督は「イジる」側。これが二人のETU七番の大きな違いに思えますが、あまりたいしたことではないのかもしれません。
 退場になった自分が今、チームのためにできること。有里ちゃんに的確なツッコミを入れられる時点で、堀田さんは十分に冷静さを取り戻していると思われます。
 達海監督の口から明かされる、小森システムの弱点とケン様を下げられないという山形の現状。それでも「期待されてるなら、それに応えりゃいい」と与えられた役割を果たそうとする小森くん。この試合をきっかけに、監督と選手の関係が変わろうとしているのかもしれませんが、それでも佐倉監督がスッ転ぶたびに、小森くんは遠慮なく爆笑してそうです。
 ガブリエルくんの投入は、ETUの選手にとっても、佐倉監督にとっても、分かりやすい合図でした。相手に作戦を読まれていても、右サイドから仕掛けて勝算があるのか、それともETUの選手だけにしか分からない「もう一つの合図」が、これから送られるのか、達海監督の考えはどちらなのでしょうか。
 カブリエルくんと交代したのは清川くんですが、今後、描かれるであろう甲府戦に向けて、二人の定位置争いにも期待したいです。

 「動物だから! 休日とか分からないから」というノリで休みの日に起こされるのは勘弁してほしいですが、桃太郎さんたちのお供トリオが可愛いです。ところで、鬼灯さんは「坊や」に当てはまるのでしょうか……。?
二十号  表紙でETU全員集合。達海監督の手が有里ちゃんの肩に……! 微妙に浮いているように見える彼の親指を、どのように解釈すればいいのでしょう。好きなお洋服(エプロンやジャージですが)を着せたり、朝食を用意させたりと、やりたい放題やってる相手なのに、肩を組むことには少しためらいがあるのでしょうか。有里ちゃんは、単行本四巻で椿くんの胸に拳を当てていましたし、選手に触れることにあまり抵抗がなさそうに見えます。
 山形戦は弟キャラの丸岡さんが、いつも威張っていた菅野さんにジャイアントキリングを果たす話……だったのかもしれません。ベンチに座り、自分が疲れていることに気付いた菅野さん。逆転ムードにサポーターの声援が加わって、選手に脳内麻薬のようなものが出ているのでしょうか。
 山形の選手に疲れを思い出させる方法。そのために達海監督はガブリエルくんを投入するようですが、何をさせる気なのでしょうか。

 朧車がネコバスの仲間というのは何かが違いすぎる……。車と照明(運転手とガイド?)と勝手にメーターを上げようとするなんて、まさに地獄のタクシーですね。
十九号  達海監督が貪欲に勝利を求める人種だということは、読者だけではなく佐倉監督も承知していることです。だからこそ、どのタイミングで、どんなことを仕掛けてくるのか、宮野くんにどんな指示を与えたのかが気になります。相手のストロングポイントを突いてきた過去の達海監督のやり方を思えば、やはり狙われているのは、小森くんなのでしょうか。しかし殿山さんの「気配とかねえのかよ!」というのは、どんな状態なのでしょうか。彼がきちんとカメラに映っているのか、何だか心配になってきました……。
 フットボールは言葉の壁を超える。ゲームの中ボスっぽいメンデスさんの言い回しは相変わらずです。山形では、ケン様が彼の通訳代わりになっている感じですが、大倉さんの「前に出てくれ」という指示や、キャプテンとしての意気込みは伝わっているようです。日本語が全くできないわけではないのでしょうか。メンデスさんは日本語を学習する過程で書道に興味を持って、和服姿で力強い筆さばきを披露してくれる人だと勝手なイメージを抱いています。

 ダーリンの浮気を許さない女の子は、確か宇宙人だった気がします。鬼ではないし、出版社が違うし、確かにアウトですよね。
十八号  SAMURAIのトップをTONOSAMAと呼ぶのは知ってるだろ? でも、ETUのTONOYAMAはNINJYAの子孫なんだ。だから気配を消して移動できるんだよ! Oh! SとYのたった一文字で大違いね!
 小粋なアメリカンジョークを目指してスベりました。こういうノリで浅草の外国人の皆さんが、殿山さんを応援してはくれないでしょうか。
 それはともかく、小森くんの「怖さを感じる選手ではない」という殿山さんへの評価は今後のフラグにしか思えません。
 達海監督は周囲に働きかけ、変化を起こし、チームや選手の成長を促す人です。三十五歳という年齢と、監督を始めて四、五年になるという経歴を考えれば、一部リーグのプロフットボールクラブでシーズンを戦ううちに達海監督自身がレベルアップするのは自然なことだと思うのですが、山形への対策も含めて、それがどのような形で描かれることになるのか、期待したいです。

 鬼灯さんがキャラ人気一番というのは納得ですが、次点はシロなんですね。わんこ可愛いです。モフモフ撫でまくりたいです。そういえば、モーニングはイヌ漫画よりもネコ漫画の方が多いような気がします。
十七号  ケン様のゴールに喜ぶ山形の皆さん。そして再び吹っ飛ぶ佐倉監督のメガネ。フレームの部分にストラップでも着けて、首から提げておいた方が良いような気がするのですが、それでも彼は毎日のように「メガネ、メガネ」と言ってそうです。
 逆転を期待して押せ押せムードになる山形のサポーター。羽田さんはそれを憂いていますが、アウェイのスタジアムの雰囲気をサポーターが変えるのは、難しいことでしょう。人によって温度差はあっても、チームの勝利を願い、選手の活躍を願うサポーターの気持ちに変わりはないわけで、物語で描かれているサポーター問題も、何かの形で折り合いをつけることができないかと思います。
 存在感が薄いのに、さっそく王子にニックネームを着けてもらった殿山さんがピッチへ。当然、指示は受けているでしょうが、監督自身が「今はもうお手上げ状態」と言っていることから、しばらくは山形の攻撃に耐える時間が続くことになるのかもしれません。

 「奈落に落ちる」「バチが当たる」と警告しつつ、実際には「落とす」「当てる」鬼灯さんが素敵です。有言実行というやつですね。


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