2012年モーニング感想部屋


三十六号  千葉戦は村越さんのゴールで決着がつくのでしょうか? 羽田さんたちの視点で試合を見れば、巻末のアオリにも書かれていたように、ETUの過去と現在を繋ぐという意味で、村越さんがゴールを決めるのが話の流れとしてはきれいだと思うのですが、回想シーンでは、なぜスカルズが村越さん個人に入れ込むのか、あまり描写されていなかったので、唐突であるようにも感じます。
 自分がスタンドにいない試合で、ETUに対して「負けちまえ」と思うんじゃないか、不安だったのではないか。石橋さんは羽田さんにこう問いかけます。一〇年以上の付き合いがあるサポーター仲間に、こういう風に思われる羽田さんって……。クラブに理不尽な処分を下されてスタジアムに行けなくなったのなら、八つ当たりでそういう風に考えることもあるのかもしれませんが、選手のために頑張っている(と主張している)人たちが、なぜそんな発想になるのか、理解できません。
 気になったことは全て指摘するのも一つの考え方だが、黙って見守るという支え方もある。石橋さんたちの態度から、羽田さんはそういう結論に至ったようですが、スカルズは意見がどうこうというよりも、怒鳴りこみや、バス囲みなどの態度に問題があるように感じます。スカルズ関係のエピソードはこういう的外れなことが多く、羽田さんたちがクラブハウスに怒鳴りこんできてから、モヤモヤし通しでした。
 自らの意思による退団だろうが責任を取っての辞職だろうが、クラブを抜けたのは愛がない証拠だから認めない、チンピラまがいの恫喝は平気でやるが、暴力は未遂でも厳禁。そんな団体のリーダーは、自分の意思でスタジアムに行くことを禁じておきながら「ETU負けろ」と思うような人間ではないかと、一〇年以上の付き合いがある仲間に思われている……。
 一連の羽田さんのエピソードは、極端に狭い視野しか持たず、仲間内のルールでしか他人を判断できない人間を、いかに魅力的に描けるかという制作サイドの挑戦だったのではないかという気がします。

 月給五〇〇円+新鮮な野菜で働いている兎ちゃんたちが可愛いです。ちゃんとお給料をもらっていたのですね。兎さんたちで遊んでいる座敷童子さんは、お願いですからその危険すぎるテーブルゲームをやめてください……!
二十四巻  巻末の描き下ろし漫画が面白かったです。
 村越さんには制服が似合う。有里ちゃん分かってらっしゃいます。普段は村越さんのことを恐がっている割に、仕事がからむと無意識に引っ張りまわす彼女が素敵です。村越さんの制服シリーズ、次は一日郵便局長になって、年賀状配達の出発式はいかがでしょう。ETUが天宮杯の決勝に残っていれば無理かもしれませんが。
 どれだけ歳を重ねても、恋する気持ちは大事。王子の身に流れるイタリア人伊達男のパワーを痛感しました。お年を召したレディを相手にこの騒ぎの彼ですが、まだランドセルも持っていない小さい女の子の前に立てばどんなことになるのでしょう。「おーじとけっこん」したい女たちの仁義なき争いが勃発するとか……?
 それはともかくとして、達海監督は一度、有里ちゃんにシメられた方が本人のためだと思います。イベントを無断欠席などという、クラブにも相手方にも迷惑がかかる行為は、さすがに後藤さんでも庇えません。
三十四号  同点に追いついて盛り上がるETUサポーター。指笛を習おうとする山さん親子が可愛いです。
 山さん親子とスカルズの若者や、OKKOの男の子とスカルズの旗振りの男性もそうですが、ゴール裏ではサポーター同士の交流が生まれつつあります。ゴローさん個人に限って言えば、スカルズのメンバーと上手くやっているように見えます。こういう和気あいあいとしたゴール裏を、羽田さんたちはどういう思いで見つめ、そしてどんな行動を起こすのかが気になります。クラブに対する問題行動さえ起こさなければ、羽田さんたちの存在は今のゴール裏に受け容れられるとは思うのですが。
 有里ちゃんがエキサイトしすぎてます。それを引きはがす後藤さん。川崎戦前にも見たような光景です。どこかのカメラが、後藤さんが有里ちゃんを後ろから抱きしめる決定的な瞬間を撮ってはくれないものでしょうか。久堂さん出番です。

 鬼灯の冷徹はお休み。それはそうと「デラシネマ」の御大の唐突な死がショックです。
三十二号  ETU同点。赤崎君がシュートを決めるまでのチームの動きを、子どもたちはよく見ています。ゴール裏のコールリーダー(羽田さん、田沼さん)やETUのユース(赤崎君)など、コータ君たちの未来には無限の可能性がありますが、そこに「解説者並みにサッカーに詳しい人」(町内のご老人)コースを加えてもいいような気がしました。

 座敷童子の双子が可愛いです。目が怖いですが。
 あとのこと(没落)まで考えて、白澤さんの店に座敷童子を送りこむ鬼灯さんはやっぱりどSだと思いました。
三十一号  不動のボランチ村越さん(ハシラの人物紹介より)。不動のファンタジスタ王子。なぜ両者のイメージはこうも違うのでしょうか。動いていないのに仕事してるというのも、ある種の才能だと思えてきます。
 マクレガーさん出動。サッカーでの人の動きを、このような言葉で表現されたのは見たことがありません。命令で派遣された軍人さんのイメージなのでしょうか。

 ムダに美少年なカロンさん見てみたい……! ギリシアの冥界は、日本人にとってはテーマパーク感覚で足を運べそうだと思います。
三十号  椿くんのシュートでにわかに活気づくゴール裏。鈍臭そうな面構えの上に、泣き出しそうな顔って……。確かに椿君には、写真を撮られるのが苦手そうなイメージがあります。
 千葉の選手は監督に頭が上がらない。ETUとは大違い。ETUの場合は、選手が監督にツッコミを入れてみたり、監督が広報に雷を落とされたりしています。よそのチームではありえないことなのでしょう。

 桃太郎のお供、柿助さんが今回の主人公。不喜処の新卒が顔ぶれ豊かです。全員、鬼灯さんがスカウトしてきたんでしょうね。
二十九号  大声や統率されたコールなどの、スカルズ的な応援はチームに必要かもしれませんが、マイナス面が多いスカルズがETUに必要と言うわけではない。ゴローさんによってまとまったETUのゴール裏を見て、そんな気持ちになりました。そして、よくわからない理由で自分を恨んでいる人たちのために「謹慎しているあいだの留守は俺が預かる」と言えるゴローさんは色々な意味で大人だと思いました。
 今のままだと、千葉戦の敗因は「謎のポジションチェンジをした達海監督の采配」になると思うのですが、反撃の狼煙が上がったようです。川崎のネルソン監督の言葉もそうですが、ETUは「一度負ければチームが大変なことになる」フラグが立ちまくっているような気がしますが、今の話の流れでETUが負けることがあったとしても、達海さんの求心力が低下するようなことがあるのだろうかと、正直、思います。

 業の秤でシーソーするシロちゃんとアヌビスさんが可愛いです。そして樒さんが色々な意味でお母さんすぎる……! お尻を叩かれる罰って、大人には色々な意味で辛いですね。
二十八号  ボランチは攻撃の三列目。そう言い切る王子に、黒田さんのイライラが募ります。代えてあのMF!
 王子のサポートを受けつつトップ下でマクレガーさんとマッチアップする椿くん。弱気を自力で克服できたらしい彼の活躍に期待したいです。
 息子の前で情けない真似はできないと、ゴローさんが勇気を出しました。シゲさんやご町内の人たちは、ゴローさんの指示通りに動いてくれるかもしれませんが、スカルズの人たちがゴローさんの言うことを聞いてくれるのかは難しいところだと思います。
 出戻りサポーターなのは他の江戸前応援団の人たちも同じなのに、なぜゴローさんだけが名指しでスカルズの目の敵にされるのかが、未だによくわかりません。奥さん相手に旅行や買い物などの果たせもしない約束をする田沼さんの姿を、羽田さんが偶然見ていて、自分と母親を裏切った父親と重ね合わせたのかとも思ったのですが、そういうわけではないようです。

 以前、イベント会場で清川くんのMiiと持田さんのMiiを見せていただいたことがあるのですが、なすびMiiはぜひ一度、見てみたいです。絵心ある人はやはりすごいですね。その前に3DSを買わないとですが。
二十七号    モーニングの表紙に達海監督。以前の、描いている人のしんどさが伝わってきそうな表情に比べると、何となく穏やかそうに見えます。
 おじいさんトリオの解説が実に分かりやすいです。ご町内の人たちのノリもいい感じです。スタジアムでサッカーを観るなら、おじいさんトリオの解説を聞きながら、スタジアムグルメでお腹を膨らませつつ、まったりと楽しみたいものです。
 達海監督がポジションをいじった結果、王子がボランチに。最小限の動きで相手の攻撃の芽を潰すタイプなのかもしれませんが、どちらにせよ、もう一人のボランチである村越さんの負担が大きそうです。山井さんたちの「考え直せ」という叫びは、記者という立場を越えているような気がしました。

 シロちゃんは可愛いけれども、探し物には不向き。そしてウサギは鼻が良くて近眼。昔話だけでなく、動物にも詳しくなれるマンガですね。なお、好評発売中の第四巻は、通常版を買いました。
二十六号  ハーフタイム突入。場面はロッカールームへ。思うとおりに試合が運べないことで、落ち込む人あり、イラつく人あり。翌日に五輪最終予選メンバーが発表されるということですが、川崎戦から言及されている代表へのフラグなのでしょうか。
 椿くんがトップ下。ポジションのシャッフルは夏のキャンプでもやっていたと思うのですが、椿くんの表情が見る人を不安にさせます。キョーコちゃんのヒーローでいられるように頑張って! (当サイトでは椿くん←キョーコちゃん←コータ君の三角関係を温かく見守っています)交代はしていないようですが、王子がどのポジションについたのかも気になります。

 男幽霊が多い場所。人は死んでも、いや、死んで魂だけの存在となったからこそ、本能をむきだしにするのですね。
 パソコンのデータを消したい。身の回りの「アレ(特に同人誌)」を処分したい。これは私も他人事とは思えません。何かいい方法はないものでしょうかね。
二十五号  監督と選手の信頼関係はチームそれぞれ。千葉が先制しました。マクレガーさん的には「異国の地で戦功を挙げた」ような気持ちなのかもしれません。
 一点取ったぐらいでは表情を崩さないミルコビッチ監督。千葉の選手が、ゴールを決めて監督に抱きつきに行く日は来るのでしょうか。
 達海さんは事あるごとに「試合を観て欲しい」と言っていますし、監督という立場を思えばそれは当然のことなのでしょう。そしてスカルズは、達海監督が指揮を執った試合を全て、スタジアムで見てきた人たちです。それにも関わらず、達海監督の就任時から現在に至るまで、「ETUへの愛情がない」というスカルズの評価は変わりませんでした。
 スタジアムを離れ、応援も一休みして、ゴール裏とは異なる場所でETUの試合を観ることが、羽田さんたちの考え方を変えるきっかけになるのかもしれません。

 鬼灯さんにも遊び心があったんだ……。画鋲とマグネットは男子の遊具。何だか分かるような気がします。非常ボタンをイタズラで押すのは迷惑ですが。
 割ったお皿を埋めようとする篁さん、けっこうとんでもないお人です。そんな彼も、奥さんと毎日、和歌のやりとり。平安貴族はさすがに雅です。
二十四号  プレイヤーが駒のように作戦を実行するチームにやられるのは悔しくないのか。取材をすると、そちら側をひいき目で見てしまうと前に言っていましたが、藤澤さんの考えはすっかりETU寄りのようです。有里ちゃんとご飯を食べに行ったときに、洗脳されたのかもしれませんね。
 思い通りのサッカーができない上に、ジャッジも何となく千葉寄り。王子のようなタイプのやる気を無くさせるというのは、作戦として非常に有効ですが、どうなってしまうのでしょうか。

 鬼灯キャラ版12星座に心ときめきました。牡羊座のシロちゃんの可愛いこと! ああ、モフモフ!
 桜肉とは馬の肉だったような。馬頭さんも牛頭さんと同様、あまりそういうことは気にしないのでしょうか。
 ゼウスが正妻以外の女の人を嫁にしまくったのは、ギリシアが版図を広げていったことに関係していると何かで読んだことがあるのですが、頭をカチ割ったら娘が誕生したというのは、何を暗示しているのでしょうか。
二十二・二十三号  おじいさんトリオいいなあ……。吉蔵さんの「気」の力に期待したいです。
 杉江さんがキャプテンシーを発揮しています。その指示を理解しているということは、ガブリエルくんはある程度日本語が出来る、聞き取りはOKだけども会話は少し苦手、だったりするのでしょうか。
 王子様がご機嫌斜めで、何だか心配です。戦争映画マニアのマクレガーさんに与えられた「もう一つの課題」も気になるところですね、サー。

「バナナで釘を打つ」セット、私も一つ欲しいです。食べ物を粗末にしてはいけないと、承知してはいますが、やはり一度はやってみたいです。
二十三巻  ネルソン監督の「見えないものが見える能力」は、経験や洞察力によるものではなく、やはりオカルトなのでしょうか。ラーメン屋さんのエピソード(お箸を使いこなしている)を見ていると、そんな気がします。それにしても、予言者=長いヒゲはお約束なのでしょうかね。
 コータ△! もうジェントルマンという域を越えています。田沼さんはいい息子を持ちましたよね。キョーコちゃん、彼の良さに気づいてあげて!
 二十四巻の予告漫画は、ああいう効果を狙ったものなのか、スケジュールが厳しかったのか、判断に迷うところです。
二十一号  宿題、学生、始業のベル……。こういった表現を好むからプロフェッサーはプロフェッサーなのでしょうか。ヨーロッパの方ですから、監督ライセンスだけではなく、教員免許を持っていても不思議ではないような気がします。
 一番怒鳴られたのは、一番期待されている証かもしれません。戸倉さんたちの頑張りで、ETUは押され気味ですが、達海監督はどのような対策を練るのでしょうか。

 地獄の鬼なのですから、人間と同じだとは限りませんが、朧車と小鬼のあいだに、どうやって子どもができたのかが気になります。そして次号は雪合戦。季節はずれな気もしますが次号が楽しみです。
十九号  千葉の監督はミルコビッチさん。東欧のご出身でしょうか。通訳の方は、達海さんの発言を訳すのに困っているようです。達海さんはマスコミ泣かせの上に、通訳泣かせなのですね。
 4−3−2−1のフォーメーションや、トリプルボランチなどの布陣について言及されているのが、久しぶりのことのようでもあるし、何だか新鮮にも感じます。真ん中が抑えられていたら、サイドで勝負。試合の行方が楽しみです。
 盛り上がりかけたところで、次号は休載。今年、休載は何度かありましたが、事前に告知してのお休みに、妙な安心感を覚えます。

 ネットでは多く見かける才能の無駄遣いは、あの世にも存在するものなのですね。


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