2014年モーニング感想部屋


五十二号(♯354)  オシム元日本代表監督は「結婚して四十年経つが、未だに妻とオートマティズムが取れていない」という表現で、短い期間で代表選手が連携を高めることの難しさを説かれたものです。ブラン監督は甥御さんの結婚を通じて、慣れの危険性と努力(日本代表における競争の重要性)を語りました。いいことを言っているのに、おじさんの手で日本のメディアにメールを晒されてしまったフィリップ君(衣装と眼鏡のせいかウォーリーに見えました)が気の毒でなりません。
 椿大介選手日本代表選出! 有里ちゃんが感極まって涙を浮かべています。そして! 四巻では有里ちゃんのことを「永田さん」と呼んでいた椿くんが「有里さん」と呼んでいます。有里ちゃんは選手に「有里さん」と呼ばれることに抵抗はないでしょうが、椿くんにとっては勇気が要ったかもしれませんし、周りに影響されて自然にそう呼ぶようになったのかもしれません。彼が呼び方を変えるまでのあれこれを妄想してしまいます。

 唐瓜さんのお姉さんは甜瓜(てんか)。元ヤンという過去のせいか、若いうちに結婚、出産するイメージがありました。きょうだいの配偶者との付き合いは重要ですから「姉の旦那」ではなく「自分の義兄」として相手を見て意見することがお見合いでは求められるのかもしれません。
 ハートの形になる方程式。そう聞くとロマンチックですが、数式だけ言われても非理数系の人には通じません。ケチャップの出し方からいきなりそんな話を持ち出されたにも関わらず、飯島さんは告白の期待をしていました。本人はまず気づいていないでしょうが、脈はありますよ、掛田氏!
五十一号(♯353)  清水が千葉に勝ち、大阪が首位陥落。そしてETUは六位に。最後にトップに立っていればいいと豪語するダルファー監督ですが、一敗一分した相手への台詞ではないと達海監督に挑発されてしまいます。監督が腹を立てることは分かっているのに、それでも悪口を伝えなければならないのが通訳の辛いところ。ソノダくんお疲れさまです。
 そんな達海監督の発言の裏に隠された悔しさを感じ取る松原コーチ。普段から厳しいことを言われ慣れている人の発言には説得力があります。
 勝ちたかった。勝てる試合だった。そう思っているのは達海監督だけではありません。試合をテレビで観戦していたOKKOのメンバーは魂が抜けたかのように呆然としています。ETUを応援しつつ夏休みの宿題を片付けるという企画にはやはり無理がありました。
 そんな少年たちに宿題を終わられるよう諭しながらも、ETUが強くなってきたと語る山さん。彼ようなサッカーを見はじめたばかりの人にも、ETUが強くなっていることは感じられるようです。
 日本代表にETUの選手が選ばれるかもしれない。選手が代表に呼ばれることは、強いチーム、優れた選手である証の一つだと思うのですが、さてどうなるのでしょうか。

 倍率ドン。本放送を見ていたのが昔のことなので、細かいルールが思い出せません。とりあえず、とくがわさんに三千点! と言っておけばいいのでしょうか。
三十三巻  チームがピンチの時に進化するマスコット。ポケモンのメガ進化のようなものでしょうか? ですが試合に負けそうになることだけがチームのピンチではありませんし、そういったケースでは何らかの形で活躍が見込めるかもしれません。
 パッカくんは単行本二十五巻で、彼女と元カノを含めた楽しい一家を想像していました。多くの人々に夢を与えるマスコットというものは、自分自身が大きな夢を持っていなければいけないのかもしれません。
 そして冷静にツッコミを入れる有里ちゃん。幼いころからETUを応援していた彼女とパッカくんには、ホーム川崎戦でのパッカくんとキョーコちゃんのような微笑ましいエピソードが間違いなく存在していると思うのですが、現在の二人にはそのようなものが欠片も見あたりません。立場と時間がお互いの関係を変えてしまったのでしょうか。
四十七号(♯352)  大阪対ETUは二対二の引き分け。ブラン監督が試合を最後まで見ると言い出すような展開を少し期待していましたが、そうはなりませんでした。
 タイトルを得るために勝つ。けれどもそれは、決して簡単なことではない。そんな現実が突きつけられるような試合でした。他チームの結果次第では、優勝争いが混戦となるかもしれません。
 試合終了後、互いの健闘を称えて握手をする椿くんと窪田くん。一七ページ三コマ目の椿くんの乱れた髪が、どことなく丹波さんを思わせました。
 若人の爽やかさとは対照的に、険悪な握手をする監督。達海監督の表情と擬音から察するに、手に思いきり力を込めている感じがします。握力勝負ではダルファー監督の方が有利に見えますが、達海監督はそんなことで引き下がる人ではないでしょう。
 連載は三週間お休み。再開後はA代表がメインになるのでしょうか。

 新白河原人が漫画化。二頭の犬が漫画ではどのようにに描かれるのか楽しみです。
四十六号(♯351)  攻めるガンナーズ。ETUも粘りましたが、窪田くんのパスをハウアーさんが爪先で押しこんで同点。「大きい分、足も長いと思った」という発想は、今まで繰り返されていた「長身の選手は足元の技術が低い」という評価の逆であるように感じます。
 高さ、足技、そして男前の三要素が揃った選手。イケメン選手はサッカーに関心のない女性の注目を集めてくれそうですが、欧米と日本ではたぶん男性の容姿に求めるものが違いますから、ハウアーさんが男前扱いされるかどいうかは判断の難しい所です。
 マスコミに囲まれる前にスタジアムを出ようとするブラン監督。今後、代表に選ばれる可能性があるのが彼の言う「面白い選手」なのでしょうが、やはり椿くんと窪田くんのことなのでしょうか。

 昆虫やネズミ、鳥などの小さい生き物でも、大群となると怖い。そしてネズミはペストを媒介するから余計に怖いです。
 今年の夏ごろ、ロンドンにネズミカフェがオープンしたというニュースを目にしたのですが、店内にはハツカネズミやハムスターなどのペット系のネズミはいませんでした。
四十五号(♯350)  モーニングの表紙に有里ちゃん! 達海さんと二人で歩いているのはおそらく仲見世通りなのでしょうが、なぜ二人きりのお出かけなのか、理由が気になります。何かのお使いなのか、ふらりとクラブハウスから姿を消した達海さんを有里ちゃんが連れ戻している最中なのでしょうか。人形焼を食べる達海監督に「なんで財布持ってないのよ!」とか「歩きながら食べないの!」とか言ってそうです。
 試合はガンナーズが攻めています。松尾くんはユース出身でハタカタコンビの後輩。彼のシュートは杉江さんの読みに防がれます。
 もぎとったコーナーキックに盛りあがるホームゴール裏。畑さんがサポーターに盛り上がれと要求する横で、片山さんがガンガンに蹴りを入れているのですが、マスコットへの暴力行為はカードの対象にはならないのでしょうか。審判は見てなくても、カメラに抜かれていたり、客席から撮影した動画がネットにアップされる可能性がないとは言い切れません。

 金属ナトリウムは水に入れると大変なことになる。池が爆発なんて、学内では結構な事件だと思うのですが、工科医大では「高科先生また何かやってる」で済まされてしまうのでしょうか。
 高科先生を呼び出したCIAがアメリカの中央情報局なのだとすれば、目的は何なのでしょう。事情聴取? スカウト? コンピューターの開発依頼? 白石先生の言葉通り、心当たりがありすぎて想像がつきません。
四十四号(♯349)  窪田くんにイエロー。仲良しな二人だけれども、試合は真剣勝負。二人を見守る藤澤さんのモノローグが何となくお母さんっぽいです。
 先輩から「サボる」というアドバイスをもらっていた窪田くん。二人が説くペース配分の重要性に「九〇分間全力疾走できる選手がいるわけねえだろ」という単行本一巻の達海監督の台詞を思い出しました。
 前回のETUと大阪の試合は五月の上旬に、そして今回の試合は八月の末に行われています。三ヶ月程度で急激にスタミナがつくとは思えませんし、個人的なイメージですが窪田くんは「好き嫌いなくたくさん食べて体力をつける」タイプには見えません。食が細いか、同じ物ばかり大量に食べているような感じがします。ただ胃腸は丈夫で、海外遠征でもお腹を壊したことはなさそう(あくまでも個人のイメージです)です。
 サイドアタッカーは鉄砲玉と評価する片山さん。チーム名のガンナーズとかけているのだと思うのですが、どことなく発言がチンピラくさいです。関西人として、大阪弁のせいだとは思いたくないのですが。

 以前、カナダ人の女性に聞いたことがあるのですが、その人の故郷には、お菓子をくれなかった家の窓に生卵をぶつける習慣があるのだそうです。一〇月末の冷え込みで、翌朝には卵が凍って窓が大変なことになっているという本場の「トリック」に震える思いがしたのですが、白澤さんが作った「ハロウィン仮面」は、それを置くこと自体が「トリック」だと思いました。
四十三号(♯348)  前回最終ページのハシラが「達海采配的中!?」だったり、今週の表紙が黒枠に囲まれている上に、アオリ文が「一瞬の歓喜。」だったりと、ETUが追いつかれる予感が漂っています。
 ゴールに大喜びする椿くん。喜び方が板についてきたけれども、初々しさがなくなって残念という石神さんの言葉に深く頷きたいところです。椿くんの成長は物語の重要な要素ですし、ETUにとっても彼自身にとっても喜ばしいことなのですが、椿くんには「怖がりのなワンコ」でいて欲しい自分がいます。
 大阪はハタカタコンビが交代。ハウアーさんに「関西弁=うるさい言語」というイメージが植え付けられつつあることが心配です。

 関西と関東では「アホ」と「バカ」の使われ方や言葉の受け取め方が違うというのはよく知られた話です。これからは「天然」と言っておけば、悪口ではありませんし、地方文化の壁も越えられるので丸く収まるような気がします。そういえば、かつてETUの監督は「天然系」と紹介されてれていました。まあ達海さんがフットボールバカなのは否定できませんね。
 さぼリーマンはモーニング・ツーに移籍。いつも巻末に掲載されていましたし、スケジュール的に週刊連載は難しかったのでしょうか。
四十二号(♯347)  むらこしが あらわれた!
 身長一八〇センチの筋骨逞しい男性が、鬼気迫る形相で近づいてきたら、私ならボールを置いて逃げます。もちろんプロのサッカー選手はそんなことをしないでしょうが、志村さんが「王子様を相手にしてた方が楽だった」と思うのは二人の体格差を考えれば当然なのかもしれません。そして村越さんにはその体格を活かして、相手選手を吹っ飛ばしたり、引きずったままシュートを叩きこんで欲しいものです。
 大阪の攻撃を防ぎ、ETUのカウンター開始。夏木さんにボールを送ったことを「最大のパスミス」と言ってしまう王子。結果的に椿くんがゴールを決めたから良かったものの、もしも夏木さんがミスをしていたら、ホーム大阪戦の時のように、王子に冷たい視線を向けられていたのでしょうか。

 以前、テレビで農業高校の生徒さんが牛のコンテストに出場するのを見たことがあるのですが、会場では牛を美しく見せるために、毛の手入れなどが行われていた気がします。お肉や牛乳の味に加えて、外見の美しさまで要求される牛界は大変なところなのだと思います。
 休日でも飴谷さんはスーツ。前回では広い部屋に住んでいましたが、食(主にスイーツ)と住にお金をかける代わりに、服は仕事用のスーツしか持たないようにしているのかもしれません。
四十一号(♯346)  静かに燃える七番対決。顔の角度とトーンのせいか、窪田くんの表情は普段と変わらないのに、どことなく闘志のようなものが感じられます。
 ETUの攻勢に、流れが戻ってきたのではないかと予想する有里ちゃん。そして冷静にツッコミを入れる後藤さん。ETUに関しては突っ走る傾向にある有里ちゃんと、それを見守りつつ必要であればブレーキをかける後藤さんは、いいコンビだと思います。
 広報の有里ちゃんがピッチサイドにいるのは当然ですが、後藤さんは前節では会長たちと上から観戦していましたし、アウェイの浦和戦、千葉戦では有里ちゃんと一緒でした。ですが有里ちゃんがハーフタイム中に達海監督を溺死させかけた山形戦では会長たちと観戦していましたし、後藤さんが有里ちゃんとピッチサイドに立つ基準が知りたいものです。

 理系の怖い話は怪談よりも怖い。たまにフィクションで、学会を追い出されるマッドな科学者を目にしますが、まさか実在したとは思いませんでした。
 着ぐるみを貸してもらったということは、飯島さんは小鹿のゾンビちゃんさんの姿を見たのでしょうか。それとも振り返ればガワだけ置いてあったのでしょうか。
四十号(♯345)  殿山さんOUT王子IN。達海監督が三枚目のカードを切りました。王子はトップ下に入り、椿くんがボランチに移動します。
 それによって椿くんと窪田くんの対決が実現。試合終了のホイッスルの後、二人が笑顔で互いの健闘を称え合えるような、そんな勝負を期待したいです。周りからはお前らキモイとか突っ込まれそうですが。
 亀井くんに宿っていた黒田さんのパワーが切れて制空権を得たハウアーさんと、より自由になった志村さんが気になります。椿くん以外の選手にがんばってもらい、この二人を抑えて欲しいものです。

 一生懸命お仕事を頑張っている葉鶏頭さんには親切な座敷童子ちゃんたち。はたして彼はカツラをかぶってくれるのか、そしてかぶった時、角は一体どうなるのかが気になります。
 飴谷さんが暑い中でもスーツなのは、前回披露した「傀儡の所業」でいつでもブログが更新できるようにするためだと予想していました。彼はスイーツのためならば体をいじめ抜くどころか、命も懸けられると思います。
三十九号(♯344)  記憶にございません。政治家のようなことを言う黒田さん。亀井くんにパワーを送るだけでなく、冷静に試合を分析しています。
 試合は熊田さんOUT清川くんIN。藤澤さんは交代の意図が左サイドの修正にあると分析すると同時に、ガブリエルくんを交代させることになった「アクシデントが再び起こる可能性」を危惧しています。しかし夏の連戦の疲れがたまっているのはETUも大阪ガンナーズも同じですので、大阪の選手が交代せざるをえなくなるという状況も十分に考えられます。
 攻める大阪。志村さんが「乗っている」のはリマの弔い合戦(死んでません)だからでしょうか。窪田くんを殿山くんが止めましたが、判定に大阪のゴール裏からはブーイングが。ダルファー監督も怒っています。この試合の殿山さんは、忍ぶほうのニンジャから戦闘力高い系のニンジャになっている様子。客席やTVの前で「とのやまー! 忍べー!」と言いたい気分です。
 三枚目のカードを切る決断をした達海監督。王子の投入と椿くんが最後のコマで見せた表情が気になります。

 「あの女」や「人造人間」など、なぜスイーツ男子の発言は女性に厳しいのかと妹と話し合った結果、「女性というだけで、人目を気にせずに好きなように甘いものを食べられることへの嫉妬と苛立ちが原因」なのではないかという仮説が生まれました。単にスイーツ仲間が欲しかっただけの土橋さんが気の毒ですが、飴谷さんは営業をサボってスイーツ巡りをしているのですから、確かに職場の人にバレたらマズいよなあとも思うのでした。


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