2018年モーニング感想部屋


十九号  ヨルダン史上ナンバーワンのキーパー。中東のサッカー事情に詳しくないので、いまいち凄さが実感できませんが、引き分けを狙って守備を固めようとするヨルダンの意思は理解できました。
 とはいえ、日本が目指すのは勝利と決勝トーナメント進出。ゴールこそ決められないものの、日本は「いい感じで」ゲームに入れたと窪田くんが分析しています。
 シムさんではなく、しむらさん。桐生さんと違ってわざわざルビが振ってあるところに、先輩の名前を略さない窪田くんの性格がうかがえます。
 セットプレー時にヨルダンの選手にどつかれる花森さん。審判の見ていない場所では、選手の押し合いやユニフォームの引っ張り合いはよくある事のようですが、花森さんや城西さん、そしてクボバキコンビあたりはやり返すタイプには見えません。持田さんは普通にやり返すし、やり返さなくてもあの目力で相手がビビるタイプだったと思います。
 ヨルダンの選手に彼なりの共感を示しながらも、自身との違いを強調する花森さん。サッカーという集団競技のプレイヤーなのに「たった一人」というモノローグがどことなく物悲しくあります。一個人が抱える精神的な問題に対して、仲間や友人ができることに限りがあるのは確かなのですが。
 花森さんがシュートを放ったところで次号休載。今月発売の単行本が楽しみです。
十八号  お父さん……。椿家は本当にお母さんが強いお家です。この作品で家族構成が明らかになっているのは、田沼家と松原家、そしてご両親が離婚した羽田家ですが、田沼家もお母さんが強かった気がします。永田家は昭和の雷親父を絵に描いたようなお父さんがいますが、成長した娘さんとの関係を見ていると、亭主関白の家庭ではないような気がします。
 ベンチスタートの椿くんが、スタメンの選手に声をかけて送り出します。窪田くんもこの試合はベンチスタート。花森さんと桐生さんがスタメンに復帰し、田辺さんに代わって綿谷くんがピッチに立ちました。
 ピッチに向かって声を張り上げる姿を窪田くんに「張り切っている」と評価される椿くん。窪田くんは本当に椿くんのことを良く見ています。
 試合に出られないことに苛立ったり、心身ともに不調に陥って帰国を考えたりと、代表で色々な経験を積んだ椿くんは、選手としてはもちろん、人間としても成長しています。その成長を微笑ましく思う半面、彼がETUから巣立つ日を予感してしまうのが複雑でもあります。
十七号  簡単そうなシュートを外してコーチに叱られる夏木さん。難しいシュートは決められるのにイージーミスが多いという癖は、トレーニングや練習でどうにかできるものなのでしょうか。
 対照的に花森さんは立て続けにシュートを決めています。星野さんが自分はフリーだったとアピールしていますが、彼はフィールドプレイヤーとしてこの練習に参加していたのですね。ゴールキーパーは別メニューだと思いこんでいたのですが、紅白戦の人数の都合によっては、控えのゴールキーパーがこのような形で練習に参加することもあるのでしょうか。
 花森さんを冷静にする分析する城島さんですが、アレックさんに押さえつけられています。代表最年長とは言え、城島さんにはイジっても笑って許してくれそうな雰囲気がありますが、先輩の背を縮ませようとしたり、花森さんにプレッシャーをかけてみたりと、アレックさんは先輩相手にやりたい放題しすぎだと思いました。
 花森さんの問題は、彼一人ではどうにもならないもの。パートナーの存在が大きいフィギュアスケートのペアやアイスダンスなどは違い、フットボールは十一人でプレーするスポーツです。誰かが去ったことで生まれた穴は、数の上では別の選手によって埋められるものですし、ピッチに残った人間にとっては厳しいことかもしれませんが、精神的に折り合いをつけなければなりません。
 そんな花森さんの内心を知らず「試合に出られなくて悔しいだろうから」とパスを出しまくった椿くん。人間が落ちこんでいても、あえて空気を読まずに遊びを要求する犬みたいだと思いました……。
 グループステージ二試合目の相手はヨルダン。花森さんがスタメンに復帰したということは、彼はある程度「精神的な整理」ができたとブラン監督が判断したのでしょうか。
十六号  畑さん早まらないで! 中東のサッカークラブは給料は良いものの、お金を国外に持ちだすことできなかった(お金を稼いでも自分の国に仕送りが出来ない)とか、宗教上の理由で女性の行動が制限されているために家族が苦労したとかいうインタビューを数年前に読んだことがあります。今は事情が変わっていると思いますし、何となくですが、畑さんには奥さんはおろか、彼女もいなさそうなイメージがあります。
 八谷さんを「さん」付けしているということは、ハタカタコンビは八谷さん(単行本十巻に二十六〜七と記載)よりも年下と考えて良いのでしょうか。オールスターでのカニ談義を思い起こせば、八谷さんは志村さんと同い年の二十六歳、川崎のキャプテン近藤さんは二十七歳というのが、しっくり来るのかもしれません。年上の持田さんや花森さんをなぜか「君」付けしている八谷さんは、キャプテンを「近藤君」(キャプテンというよりもクラス委員っぽい雰囲気になりました)と呼んでいるのでしょうか。
 周りへの気配りを欠かさないアレックさんとセンスの塊の岩淵さん。岩淵さんはオールスターでこの物語に登場した、どちらかといえば「古株」ですが、海外移籍したものの結果が出せずに帰国(久しぶりにオールスター出場)した、鹿島の選手(有里ちゃん曰く、敵としては怖いけど味方だと思うとワクワクする)ということぐらいしか情報が明かされていません。窪田くんほど無口ではないにせよ、口数の少なそうな人というイメージを抱いているのですが、岩淵さんは果たしてどのような人なのでしょうか。
 ビブスを受け取った椿くんがいい顔をしています。思いきりボールを蹴りたい、走りたいという気持ちが前面に出ているのでしょうが、ドッグランでリードを外された犬みたいだと思ってしまいました。
十五号  チャラ男っぽい雰囲気の若い記者にまで、ETU推しを見抜かれている藤澤さん。花森さんが投入されるのが妥当ではないかという大方の予想を裏切り、ピッチに入ったのは城西さんでした。
 花森さんはスタメンで出場していたら出場していたで、「おのれブラン……。この天才に余計なプレッシャーを……」という感じの恨み言を口にしそうなので、難しい人です。そんな感じで、椿くんにとっては「次元の違う人」でしたが、試合に出られないことを悔しがるのは同じ。次回からは椿くんと花森さんの親密度が上がり、二人がブラン監督が望むような成長を果たすイベントが起きるのでしょうか。
 花森さん不調説(仮)がSNSに載せられることに顔をしかめる緑川さん。佐藤くんがノートパソコンを操作しているということは、クラブの公式ブログか何かに「緑川さんがこんなことを言っています!」という感じで解説が掲載されるのでしょうか。達海監督の発言が「全部テキトー」だったことは、クラブと監督のイメージを守るためにも黙っておいたほうが良さそうです。
十四号  巷のサッカーファンのようなことを言う有里ちゃん。緑川さんは一巻のころから変わらず、彼女を「有里ちゃん」呼びです(私にとっては重要)。日本代表の経験がある彼は、初戦の難しさを理解している様子。彼が日本代表に招集され、正GKを務めていたのは何歳ぐらいのころだったのかが気になります。
 選手たちは期待に応えただけではなく、ブラン監督から与えられたミッションを達成したのだと語る達海監督。選手に自信がつくだけでなく、チームの底上げができたと解説しますが、有里ちゃんはそこにETUの選手が含まれていないことを残念がっています。ピリピリした雰囲気を放っていた海外組の隣に座ることで、夏木さんと椿くんのメンタルが鍛えられた可能性があるかもしれません。
 達海監督はブラン監督に似て性格が悪い。有里ちゃんやコーチだけでなく、宮野くんまでもが指摘しています。前々回の有里ちゃんへの発言もそうですが、宮野くんは年長者にも遠慮をせずツッコミを入れられる性格なのかもしれません。年齢ではなく実力がすべての世界では、物怖じしない度胸は貴重なのでしょう。余計な発言をしてSNSが炎上しなければ良いのですが。
 とはいえ、監督を罵るのは別問題。持田さんにハゲと言われたブラン監督は、桐生さんに凶悪犯面のハゲメガネと言われてしまいました。達海さんもバカだの何だのと罵られていますが、容姿に関する悪口は言われていないように記憶しています。
 ヒーローという役割を果たしたアレックさんと桐生さん。ここでブラン監督は最後のカードを切るつもりのようです。試合はほぼ決まったような状態で投入される最後の一人は、単に点を取るだけが仕事ではないと思うのですが、誰がピッチに入るのでしょうか。
十三号  海外組メインでは苦戦すると思ったから、メンバーを入れ換えたのではないか。そして同時に、ブラン監督が海外組に物足りなさを感じているのではないかと分析する達海監督。チームの雰囲気なんてものは、勝てばどうにでもなるものだという発言に宮野くんが納得しています。だとすれば現在のチームの状況はブラン監督にとっては望ましい物ではないと指摘する緑川さん。このあたりに、二人の年齢や分析力の差、そして達海監督への信頼の度合いなどを感じます。
 勝てなければチーム内の雰囲気が悪くなるだけでなく、メディアからも厳しい評価を受けてしまう。さまざまな思いを抱く選手たちが、ついにゴールをこじあけて日本先制。畑さんのゴールを窪田くんがアシストする形になりました。
 結局、窪田くんは四つ子の長男なのか、弟たちが三つ子なのか、どちらが正しいのでしょうか。モーニングのハシラでは、単行本で三十二歳と明記されている城島さんが三十歳と書かれている事もあるので、正確な情報を載せてほしいものです。それから、窪田くんの人物紹介には、鼻血を出していないイラストを使ってあげてください。
 ハシラでETUの勝利>>>色恋沙汰が明言されている有里ちゃん。ツジトモ先生の意向なのか担当さんの方針なのかは分かりませんが、有里ちゃんで恋愛絡みの話を書く気はないという製作サイドの強い意志を感じます。
十二号  ガンナーズの三人が仕掛けるも、畑さんのヘディングはクロスバーを叩きます。
 畑さんが活躍すればポジションを奪われるかもしれないと、アレックさんに忠告する桐生さん。調子の出ていなかった椿くんに面と向かって厳しい評価を下したりと、桐生さんからは思ったことをはっきり口にする人という印象を受けました。彼の言葉に答えるアレックさんもまた、温和で面倒見の良いだけの選手ではないのでしょう。
 海外組の力、いわゆる選手の「個の力」で試合を決めてしまっては、より困難な課題に挑むことで日本代表のチーム全体のレベルを上げるというブラン監督の目論見は果たせません。藤澤さんはそれに気づいたようですし、広報としてETUの試合を観てきた有里ちゃんも、気づいたことがあるようです。
 ブラン監督のやり方は達海さんに似ている。選手がいる場所で、達海監督が自分の采配や心の内を明かすとは思えないのですが、初めて出会った時から長年の友人のように話が合った二人の監督のサッカー観が語られるのだとすれば、試合だけでなくETUのクラブハウスや日本代表ベンチの動きにも気を配りたいところです。

 個人的なメモ。二十歳の宮野くんは有里ちゃんを「永田さん」呼び。その後に続く発言は的確で、彼が(たぶん)年下だという事を忘れそうになります。
 椿くんは「永田さん」から「有里さん」に呼び方が変わり、仕事をしているうちに心の距離が近づいたのかと思ったものの、また「永田さん」に戻っていました。先輩選手に「なんで有里の事を馴れ馴れしく名前で呼んでやがる!?」などという理不尽な〆られ方をしたとは思いたくないのですが、有里ちゃんよりも(たぶん)年下で、彼女の事を名前で呼べてしまう世良くんは、もしかしたらETUにおいて、かなり貴重な存在なのかもしれません。
 有里ちゃんや藤澤さんの年齢が気になりますが、本編に絶対に必要な情報ではありません。また、女性に年齢を聞くのは失礼ですし、下手をすればセクハラ扱いされる可能性もあります。そのため青年誌であるモーニングでは、女性の年齢に関する話題には触れないようにしているのかもしれません。
 ですが、名前はその人を知るに当たって重要なものです。ブラン監督と達海監督の会食にも同席していたフットボール協会の女性スタッフの名前が知りたいです!
十号  クラブハウスで観戦する人の多さに驚く達海監督。松原さんは、お父さんが家で夜更かしをしていると子どもたちに悪影響なので、クラブハウスに来たのかもしれません。
 緑川選手と宮野選手がSNSを使ってこの試合を解説します! 緑川さんが登場したのは随分久しぶりな気がします。ケガで別調整でも、とりあえず練習には参加できているようで良かったです。
 ETUの若手選手は、割とSNSを使いこなしているイメージがありますが、翌日に練習があることを抜きにしても、試合の解説ができる選手は少なそうです。うっかり試合の実況してしまい、夜更かしがバレる選手が出なければいいのですが。
 ブラン監督は城島さんを除く海外組を先発から外してしまいました。比較的温和で面倒見が良さそうなアレックさんでさえも、夏木さんに「隣がピリピリしていて嫌」と言わせる始末。自分も怖いからとはいえ、そこでNOと言えるようになったのは、椿くんの成長の一環なのかもしれません。
 いつもとは違う試合前の雰囲気、水が氷に変わる瞬間に例えた志村さん。相変わらず感性が独特です。彼が「やりやすい部分も生まれている」と感じたのは、畑さんや窪田くんといったガンナーズのメンバーがピッチにいるからなのでしょうか。
九号  椿くんの立ち直りの早いこと。これが若さなのでしょうか。
 朝食はビュッフェ形式。日本代表の海外遠征にはシェフが同行して、コンテナ一杯の食材を持ちこむそうですが、海苔を巻いたおにぎりやお茶碗に入ったご飯が食べられるのも、こうした裏方の人たちの力なのだと思います。
 椿くんは大食いキャラ。好き嫌いもなさそうですし、外国で食べ物に困らないというのは良い事です。食事をする椿くんのほっぺたが可愛いです。
 窪田くんは四つ子(てっきり年下の弟が三つ子なのだと思っていました)なので、親御さんは食事と洗濯が大変だった気がします。長男の晴彦くんは派手なイタズラはしなさそうに見えますが、静かだからといって油断していると大惨事を引き起こしてそうです。まったく同じ顔の兄弟が手をつないで、UFOを呼ぼうとした過去はありそうです。
 夏木さんは時差ボケ。ETU組はトラブル続きだと思われていますが、都内でキャンプを行うようなチームなので、選手が海外でサッカーをする事に慣れていないことも原因であるように思います。
 アジアカップのグループステージで、日本はクウェート、ヨルダン、中国の順に対戦。W杯にも言えることですが、初戦は落とせませんし、初戦を落としたチームが優勝するのはレアケースという統計も出ています。
 険しい顔の花森さんを筆頭に、代表常連組の選手が驚いていますが、ブラン監督は誰をスタメンに選んだのでしょうか。
八号  代表発表の前日、密かにブラン監督は達海監督と会っていました。店員さんがうっかりSNSやブログに目撃情報を載せる心配がなさそうな、高級料亭の個室を利用しているのですから、ブラン監督が念入りに変装をする必要は無いと思われます。
 ひと目を忍んでの会合でしたから、ブラン監督は古川通訳には秘密にしていたでしょうし、達海監督もETUのスタッフには何も告げずに出かけたことでしょう。そうなると気になるのが、ブラン監督が達海監督を呼び出した方法です。達海監督は携帯電話を持たせてもすぐに失くす人だと言われているので、作中にスマホが登場していても、通信機器は持っていないでしょう。パソコンを使っている姿も描かれてことがありませんから、電子メールのアドレスも持っていない、あるいは使っていないと思われます。もしかしたら、東京ダービー終了後に、ブラン監督の指示を受けた美人秘書が、達海監督に密かにメモを渡したのかもしれません。
 急成長する椿くん。それゆえに初めての事が多すぎて、何かがきっかけで調子を崩すかもしれない。
 達海監督の分析通り、体調不良の椿くん。基本的には健康優良児に見えますから、帰国まで考えてしまうほどに追いつめられたのも、チキンが復活したのではなく、体の不調と睡眠不足に精神が引きずられたのかもしれません。
 それはそうと、日本語で呼びかけられたからといって、海外でホテルのドアを開けるのは不用心すぎます。とはいえ、ドアには除き穴が見当たりませんでしたし、日本代表が宿舎に使うようなホテルなのですから、フロアごと貸しきられていて、セキュリティは万全なのかもしれません。
 意外な再会を果たしたチームの先輩選手に泣きつこうとしたら、先に泣きつかれた。空気も水も違う異国の地で、普段と変わらずに振る舞うのは難しいものです。ですがそんな時に大事なのが、食べて寝ること。達海さんのメッセージは、指導者というよりも親のようです。有里ちゃんは「お母さんみたい」だと言われていましたし、夏木さんの合流に喜んでいたことから考えるに、椿くんにとってETUの人たちは家族に近い存在で、親友である窪田くんとはやはり違うのだなと思いました。
 久しぶりに声を立てて笑い、ヨダレを垂らして快眠。次号の表紙&巻頭カラーで、元気になった椿くんが見られると良いのですが。
四十六巻  ポンポンが喋ってる!? リーグジャパンのマスコットは無口なのが定番ですが、さすが日本代表の公式マスコットといったところでしょうか。単行本のカバーで出番が約束されているパッカ君と違い、本編が代表に絡まなければ登場できないのが、誇りある青いユニフームの代償なのかもしれません……。
 サッカー選手が特徴的な髪型をするのは、大所帯の部活や広いピッチの上で目立つためだと聞いたことがあります。だからといって、一つのチームに三人も金髪がいるのは多すぎる気がしますし、松原コーチのツッコミも最もだと思います。
 清水の広報は事あるごとに「蛯名監督負傷のお知らせ」をリリースしているのでしょうか。突き指はともかく、鎖骨骨折は黙っておくわけにはいきません。蛯名監督は自分の事を「不器用な選手だった」と言っていますから、現役時代もこのような怪我が多かったのでしょうか。
七号  窪田くんの秘密大公開。彼はギャグ漫画などにありがちな、親兄弟が同じ顔をしてそうなイメージがあるので、弟が三つ子というのは非常に納得できました。椿くんの悩みを聞き、困っている時に手を差し出すことができたのも、実生活で「お兄ちゃん」であることが大きいのかもしれません。
 試合中にUFOを見た。夕刊スポーツ紙やオカルト雑誌からインタビューが来そうな案件です。ハタカタコンビもツッコミを忘れて「ええか窪田、そういうことはあんまり他人に言うたらアカンぞ」と真面目なアドバイスを送りそうですね。
 それに対して、椿くんは目を輝かせて「凄いや、窪田ちゃん! 俺、UFOなんて見たことないよ」などと言ってくれそうです。ですが彼の故郷の山にはツチノコが出そう(偏見に基づいたイメージ)なので、窪田くんはオフの日にでも椿くんのご実家に泊まりに行けばいいと思います。
 立野さんが負傷離脱。彼との日本代表に対する意識の違いを見せつけられて、椿くんが落ちこんだあげく、体調まで崩しています。そして、何もしていないのに監督に疑われる通訳の古川さんが不憫です。
 彼ならこういうこともありうる。ブラン監督の言う「友人」が達海監督の事ならば、清水戦後の「お前はもうチキンじゃない」発言は、椿くんをその気にさせるためのもので、まだ彼のメンタル面には課題が残っていると達海監督は評価しているのかもしれません。
 もしかしたら、椿くんを代表に呼ぶにあたり、ブラン監督と達海監督の会談が都内で行われていたのかもしれません。二人とも時間や場所を決めて待ち合わせを行うような人ではありませんから、協会とETUの人たちが会談のセッティングに右往左往したのかもしれませんし、東京ダービーの後にブラン監督が達海監督に会いに行ったのかもしれません。
 ブラン監督の「プレゼント」は夏木さん。空港までの送迎はあると思いますが、大会を途中離脱したり、追加招集される選手は、一人きりで国際線に乗ることになるのでしょうか。
四・五号  もうチキンじゃないと言ったな、アレは嘘だ。
 そんな達海監督の声が日本から聞こえて来そうです。
 日本代表との差を改めて痛感しただけでなく、桐生さんから厳しい言葉をかけられる始末。そのせいで精神的に空回っているようです。
 アブダビの夜は城島さんとアレックさんの部屋で盛り上がっている様子。花森さんは呼ばれても頑として足を運ばなさそうです。
 明らかに年長で、代表経験も多い相手を「バカなだけ」などと言ってしまう八谷さん。彼の「代表への思い(自虐付き)」が聞きたいものです。
 確かにチキンでなくなったからと言って、急にメンタルコントロールができるようになるわけではありません。それにしても、窪田くんに海外志向があったことに驚きです。やはり目的はUMAなのでしょうか。
 とはいえ、椿くんは今のところ海外移籍は頭にないようですし、必ずしも「海外組」が「国内組」よりも優れているわけではありません。また、今の時点で達海監督に再び海外に行くフラグが立っており、十年前とは違う円満な別れがほぼ約束されているのですから、なおさら椿くんが海外に移籍する必要はないようにも思えます。
二・三号  代表ユニフォームで写真撮影。前回の花森さんの発言もあり、卒業アルバムにも載るクラスの集合写真を連想してしまいます。
 真ん中の列の選手は立っているせいか、前後の列の選手たちに比べると、距離があるように見えます。椿くんは友達の窪田くんの隣をキープしているのにも関わらずそれが顕著で、日本代表に完全に馴染めていない心の距離のようなものを感じました。
 再びこの試合用ユニフォームを着る機会はあるのか。 自問する椿くんですが、海外組中心のAチームを脅かすには至りません。彼の成長を見続けてきた藤澤さんの表情とハシラの「瞬間、影がさす」というアオリが不吉でなりません。ケガ関係ではないとは思うのですが。


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