三十六・三十七号 |
ETUのクラブハウスと田沼家に響く「おおっ!!」の声。人は本当にすごい物を見た時には言葉を失うものです。 クボバキコンビと花森さんは「頭の中で同じ絵が描けている」と分析する達海監督。チームメイトとはいえ、自分とは別の人間とイメージを共有するのはどのような感覚なのでしょうか。 人を立て、クラブオーナーをたらしこむのも、監督の戦い方。ブラン監督は協会の村林さんや、女性スタッフをたらしこんでいるのかもしれません。達海監督は、意図せずにクラブの偉い人やスポンサーの心をつかめる「天性の魅力」を持った人ですが、だからこそ言葉や態度で他人を立てることには考えが至らないのかもしれません。 夏木さんが年上の選手を「花森君」呼びしている……。以前、八谷さんが持田さんを「持田君」と呼んでいましたが、この二人には「君」付けしても良い特別な何かがあるのでしょうか。クラブの下部組織は、学校の部活ほど上下関係が厳しいようには見えません(サッカーを良く知らない個人のイメージです)が、持田さんと花森さんはユース出身なので、年下に「君」付けされても気にしないのかもしれません。 このままでは岩淵さんが「窪田くんの笑い方が変だと思っている鹿島のFW」になってしまう……。センスの塊らしいので、決勝トーナメントでは彼の活躍にも期待したいものです。 グループリーグを一位抜けしたにも関わらず、開催国のUAEと当たることになったブランジャパン。中東アウェーというと、いわゆる「中東の笛」やピッチに爆竹が投げ込まれたなどのエピソードのせいで、昔は怖かったというイメージがあります。 |
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三十五号 |
日本代表でのフットボールを楽しんでいる椿くん。アイコンタクトが無くても窪田くんの考えていることが分かるのは、どういう仕組みなのでしょうか。窪田くんが愛読している(と思われる)雑誌の「超能力特集」で取り上げられそうな気がします。 夜更かしをしていても元気なコータ君。決められるシュートを外しまくっていると周りの目が冷たくなるという経験者の言葉が刺さります。初登場のシーンでも、フリーなのにシュートを外していましたものね……。 いつの間にかサッカーに詳しくなっていたお母さん。家族で一つの事を共有できるのは楽しいものです。お母さんは、父と息子がETUサポーターという視点で日本代表チームを見ていることも指摘しています。 浅草で持ちあがる夏木さんイジメ疑惑。急遽、中東まで追加招集されたのに、試合に出してもらえないというのは辛すぎます。決勝トーナメントのどこかで、夏木さんの出番があると思いたいのですが、どうなるのでしょうか。 楽しそうにボールを蹴るクボバキコンビに、かつての自分と持田さんを重ねる花森さん。誰かに仲が良いのかと聞かれても、持田さんと花森さんは絶対に首を縦に振らなかったと思うのですが、ピッチの中では相性が良く、楽しいサッカーができる相手だったのだろうなと思います。 中国相手に四対〇で勝利。日本は一位でグループリーグを突破しました。投入された花森さんがどんな活躍をしたのかが描かれていませんが、次回以降に彼の活躍や心情にスポットが当たるのでしょうか。 |
三十四号 |
モーニングのページをめくった途端、目に飛びこんでくる「通じあうふたり!」という煽り文。浦田さんがゴールを決め、椿くんにはA代表初のアシストが付きました。 ワタシ、ニホンゴ、チョットデキル。十年前の達海さんはあまり英語ができるようには見えませんでしたし、リチャードが日本語の勉強をしていなければ、達海さんと代理人契約を結ぶことも難しかったでしょう。 リチャードにとって、ゴトーGMはミス・ナガタと一緒にいるものらしいです。達海さんに「(自分に代理人は)いない」などと言われていますが、そのあたりのことは分かっているようです。有里ちゃんがいないのをいいことに、椿くんに接触されるのは困るのですが。 代理人にアジア杯の観戦を呼びかけていたのはブラン監督。万が一ブラン監督が解任された後に選手や通訳にバラされれば大変な事になりそうです。サッカー日本代表を強くするために、使える物は何でも使うというやり口は理解できますし、サッカー選手に限らず、人生の選択肢は多い方がいいのも事実ですが、このやり口は賛否両論があるだろうと思いました。 |
四十八巻 |
アジア杯に選出された日本代表メンバーの一覧が掲載されましたが、今回は年齢が載っていません! 雑誌と単行本で年齢が違う城島さんのような状態を避けるために、あえて年齢を書かなかったのでしょうか。 ガンガン砲ふたたび。大阪にあるガンナーズのクラブハウスで試合観戦していたのでしょうか。表紙の折り返しの部分では、パッカ君がラクダに乗っていますが、まさか彼も中東に来ているのでしょうか。 日本代表の勝利に祝杯を挙げる副会長と松原コーチ。有里ちゃんが「ダメな大人」に呆れてツッコミを入れています。夜中に近い時間帯にクラブハウスにいることから察するに、家に帰ってからお酒を楽しむわけにはいかないようです。 私の記憶違いなのか分かりませんが、単行本にはモーニングにはなかったシーンがいくつか見受けられます。ブラン監督の「僕ほど花森のことを考えてる人間はそういない」という台詞には見覚えがありませんし、花森さんと持田さんの回想シーンの前に描かれた花森さんのモノローグも、単行本の方が悲観的なように感じました。 単行本作業による休載が一週から二週に変更されたのは、主に花森さん関係の加筆修正が影響なのかもしれません。 |
三十三号 |
椿くん→アレックさん→窪田くんの連携で日本先制。椿くんは「窪田ちゃんの姿を見たら冷静になれた」そうです。この二人の仲良しっぷりは、日本代表選手(綿谷くんはSNSやってそうなイメージがあります)の力で、既に世界中に拡散されているような気がします……。 力の差は想定済と言いつつ飴を噛み砕くモレッティ監督。それに大して、通訳さんが驚くほど落ち着きすぎています。この人は一体、何者なのでしょうか。 後藤さんがETUのクラブハウスに姿を見せなかったのは、現地観戦のためだったことが発覚。英語も得意でない彼が、よく一人で中東まで行けたものです。GMが椿くんを代表の集合場所まで送って行っただけでなく、現地に足を運んでいたことが他のチームの人に知られれば「ETUは過保護」と言われそうな気がします。有里ちゃんが椿くんの母親というのは無理がありますが、後藤さんの年齢ならばギリギリ父親役が務まるのではないでしょうか。 笠野さんに乗せられたのが、後藤さんの現地観戦の理由らしいですが、笠野さんの言う事に疑問も持たず、乗せられてしまうETUの人たちには、若干の危機感を覚えます。仮に考えて行動しても、美味しい所を持って行くのは笠野さんでしょうし、笠野さんを使えば物語や人物を動かすのに便利だというのは理解できるのですが。 リチャードと再会したはいいものの、後藤さんは英語ができません。果たしてコミュニケーションは成り立つのでしょうか。うっかり「イエス」とか言ったばかりに達海さんや椿くんを売る羽目になったら困るので、国際電話の値段や時差は無視して、後藤さんはセ●ムもとい、有里ちゃんと連絡を取るべきだと思います。 |
三十号 |
秋森さんを押していたことが判明し、孟盛のゴールは取り消しに。「フェルナンドだってよくやってる」と自国リーグを思い出し、孟盛は納得していないようです。
身内の言葉には従うが外部の人間の意見を受け入れないという指摘通り、モレッティ監督は中国代表の選手からの人望が薄いようです。ある日突然前触れもなく「コミュニケーションが足りない」などと協会に言われて解任されなければ良いのですが。 孟盛が他の中国代表選手よりも抜きん出ているのは、南米のフェルナンドやイタリア人のモレッティ監督などの「外部の人間」を受け入れ、手本にできるからだと思います。中国代表の選手も彼の言葉なら聞き入れているようですし、孟盛クラスの選手をより多く育てることができれば、モレッティ監督は「中国サッカーがアジアの盟主になるための礎」として中国のサッカー史に名を残せるかもしれません。 欧州の中堅クラブを転々としていたブラン監督。ウルグアイのペーニャ監督との過去話から、ヨーロッパのビッグクラブを率いた経験があるのかと勝手に想像していたのですが、達海監督と似た者同士であるならば、ビッグクラブの指揮は好まないタイプなのかもしれません。 欧州での実績は明かされてはいませんが、ブラン監督を代表に引っ張ってきた日本フットボール協会はすごいと改めて思いました。 目と目で通じ合う椿くんと窪田くん。そういう仲になっているのですね。フリーの椿くんにボールが渡ったところで、次号は休載。七月に単行本が出るので、そのための作業なのかもしれません。 |
二十九号 |
ピッチ内での飲食はどこまで許されるのでしょうか……? 水やスポーツ飲料は飲んでも良い、というか飲まないとキツいのは分かりますが、いきなり監督とコーチがベンチでカレーを食べ始めたら、飯テロに認定されるかもしれませんし、選手が試合に集中できないかもしれません。飴やガム、チョコレートバーなどの小さいお菓子ならば持ちこみ可能なのかもしれませんが、達海監督がベンチで駄菓子を食べている姿がカメラに抜かれて、ネットで騒ぎになれば有里ちゃんが頭を抱えることになるので、リーグジャパンは食べ物の持ちこみは禁止でいいと思います。 クボバキコンビの活躍に嬉しさを隠さない藤澤さん。彼女がこの二人を応援する読者の代表のように見えてきました。アジアカップ編に入ってから彼女に絡むようになった若い男の記者が何者なのか気になります。 金だけもらってトンズラしようと思った。監督の衝撃の告白を笑顔で受け流す中国の通訳さん。コピペのような表情で、単行本で色々とぶっちゃけてくれそうな気がします。 中国の七番孟盛はアジアカップですでに三ゴールを挙げている大エース。彼の事を「デタラメだが身体能力だけはズバ抜けていた」とモラッティ監督は評価します。十三億の人口と中国雑技団のイメージから、中国代表は身体能力が優れた人たちを集めれば強いチームが作れるのではないかと、昔から勝手なイメージを持っていたのですが、何よりもお金が必要ですし、モラッティ監督が「外部の人間の意見を受け入れない」と指摘しているように、そう上手くは物事は運ばないようです。 文化は金では買えない。でも、金の力はカルチョを面白くしている。孟盛が先制しましたが、試合はどうなるか、そしてクボバキコンビに見せ場はあるのかが気になります。 |
二十八号 |
椿くんのスパイクは黄色。彼が色付きのスパイクを履いているとは思いもしませんでした。スタメン出場しているということは、手の怪我は軽いものなのでしょうが、スパイクで手を踏まれるというのは、想像しただけでとても痛そうです。 ETUのクラブハウスは大盛況。有里ちゃんが「試合中に居眠り」という達海さんの過去のやらかしを暴露してしまいました。確かGW開けあたりに、公式ツイッターで、有里ちゃんが達海さんの眠気覚ましをするシーンが使われていたような気がします。あれがトラウマになった人たち(夏木さん、世良くん、清川くん)は、クラブハウスにはいませんが、あの凄惨な現場にいなかった緑川さんは(達海さん、そんなことしてたのか……)などと考えているのかもしれません。 多くの人々が椿くんを見守るなか、キックオフ。田沼親子も無事にリアルタイム視聴できるようです。それにしても、パッカ君はどこで試合を観ているのでしょうか。 今のところ、中国代表は背の高い選手が多いという情報しかないのですが、次号からは椿くんの活躍とともに、中国の選手にもスポットが当てられるのでしょうか。 |
二十七号 |
日本代表にリーグ首位通過という新たなミッション発生。リーグ戦を一位で抜けるか二位で抜けるかで、対戦相手や試合の開催地が変わるので、グループリーグを突破したからといって油断はできません。 そんな重要な試合に椿くんがスタメン出場するのですから、リアルタイムで試合観戦をしたいのがサポーターというもの。とはいえ、小学生に夜更かしは禁物です。お母さんは「早起きして録画した試合を観る」という提案をしていましたが、試合が気になって寝られないような気がします。 中国代表の監督はイタリア人のエッジオ・モラッティ。ブラン監督とは旧知の仲のようです。「中国は国家を挙げてサッカーの強化に取り組んでいる」とのことですが、あの国のサッカーは政治(協会の派閥ではなく、政党的な意味で)が絡んで色々と大変だったとインタビューで読んだ記憶があります。 中国の選手は大きい。監督が背の高い選手を集めたのかもしれませんが、椿くんの視線の先には窪田くんがいます。二人にはぜひとも日本代表の勝利に貢献してほしいものです。 |
二十六号 |
椿くん投入の流れで盛り上がる日本の皆さん。椿くんのお父さんの緊張と並松先生の涙腺が大変な事になっています。 有里ちゃんが達海さんの肩を揺さぶっています。達海さんへのスキンシップが多い彼女ですが、手荒い(「引退試合」後に松原コーチごと突き飛ばす、アウェイ山形戦のハーフタイムでの眠気覚ましなど)ものばかりなのが気がかりです。 割引チケットを持つ男、キリューン。ダリューンみたいな感じで発音をすれば良いのでしょうか。物語の舞台は二〇〇七年という設定ですが、まさか志村さんは「アルスラーン戦記」の読者で、新刊を待つファンの気持ちをサッカーに例えたりしているのでしょうか。 桐生さんがもぎ取ったPKを花森さんが危なげなく決めて日本代表二点目。畑さんがアレックさんと交代して、椿くんは再びアップに戻ります。 監督が選手の心理をコントロールするのは重要ですが、利用された方はたまったものではありません。達海監督が「交代するフリ作戦」を思いついたのは、やはりブラン監督と似た者同士だからでしょうか。 有里ちゃんの怒りの矛先が向くのが分かっているので、沈黙を選ぶ達海監督。達海監督が空気を読んでいます。前回、タブレットを使いこなしていたことといい、本人も自覚していない部分で彼は人間的に成長しているのかもしれません。 試合は三対〇で日本が勝利し、決勝トーナメント進出決定。椿くんの出場時間は五分程度でした。 今は「持田・花森とその同世代の選手たち」や「代表の世代交代」にスポットが当たられているので、アレックさんや桐生さんたちの世代に夏木さんが強引に飛びこむとか、クボバキコンビを筆頭に五輪世代が大活躍をするという展開でもない限り、ETUの選手が代表で活躍するのは難しいのかもしれません。 |
二十五号 |
優等生にできること。優等生にしかできないこと。城西さんがイエローカードと引き換えに日本代表のピンチを救いました。サッカーに詳しくない人間はどうしてもボールの動きに目を奪われてしまうので、ボールを持っていない選手が、どんな動きをしてチームに貢献しているのかという部分には、なかなか意識が向かないものです。 試合中だからかもしれませんが、一つ下の越後さんが城西さんにタメ口。東京ヴィクトリーでの教育の成果なのか、成田さんや城西さんに敬語を使っていた持田さんが、すごく礼儀正しい人間のように思えてきました。持田さんは体育会系の厳しい上下関係や礼儀を鼻で笑うタイプだと思っていたのですが、年長者に敬語を使うことが、彼なりに人を認めた証なのかもしれません。 ETUの会長令嬢がヨルダンのキーパーに注目。代表戦で選手が活躍することを「見つかる(そして海外移籍する)」などと言いますが、中東の選手がETUに見つかってしまいました。外国人キーパーはフィールドプレイヤーとの意思の疎通が難しいでしょうし、緑川さんが顔に縦線を入れるまでもないと思います。緑川さんだけではなく宮野くんも、この試合をクラブハウスで観戦しているようです。 シュートが決まらないのは「運」もある。緑川さんに説明されて膨らんだ有里ちゃんのほっぺたが可愛いです。試合に勝った勢いやお酒の影響で、過去に有里ちゃんのほっぺたに手を出したETU関係者がいたとしても、それは不思議ではないと思います。 達海さんがタブレットを使いこなしている! 達海さんは会長や副会長、笠野さんと同じく「ハイテク機器は苦手」な人だと思っていました。Wi−Fiの設定は後藤さんか有里ちゃんか佐藤くんあたりが代わりにやったのだと思います。達海さんより二歳だけ年下の緑川さんやETUのベテラン陣は人並みかそれ以上にパソコンやスマホを使いこなしているイメージがあります。時代を考えれば、若手選手もそれらを使いこなしてクラブのアピールをしているはずなのですが、なぜか椿くんは電子機器が苦手そうに見えます。これも七番の系譜なのでしょうか。 |
二十四号 |
星野さんの年齢に疑惑が持ちあがりました。単行本三十七巻によれば彼は二十五歳で、桐生さんと同い年です。誕生月の関係で桐生さんの方が学年が上だったという可能性はなくもないですが、二十四歳の岩淵さんを「さん」付けするとは思えません。 多分、単行本で星野さんのセリフに修正が入ると思うのですが、物語が代表の世代にスポットが当たっているタイミングで、キャラクターの年齢を間違えるのは、いかがなものかという気もします。キャラクターが多くて作者や担当さんも把握できていないのであれば、代表編執筆中は三十七巻の描き下ろしプロフィールを拡大コピーして、目立つ場所に貼っておくことを提案します。 後半からは八谷さんの代わりに城西さんがピッチへ。八谷さんはネルソン監督以外の人も「ボス」と呼ぶのですね。 城西さんは自己分析ができる人。自分に花森さんを救う力はないと言い切っていますが、だとすれば誰が花森さんを救えるのでしょうか。もしかしたら、花森さんを救う力のある誰かの背中を押すことが城西さんの役割なのかもしれませんし、天才は他人の手による救済など必要としていないのかもしれません。 後半からピッチに入るキャプテンを応援するクボバキコンビ。「城西さん頑張って」という一言だけなのに、窪田くんがものすごく喋って(=城西さんに心を開いて)いるように思えるのは、日ごろの行いのせいでしょうか。 |
二十三号 |
若いって素晴らしい……。 五輪、海外移籍、そしてW杯。持田少年の前には無限の可能性が溢れていて、その隣、あるいは一歩後ろに花森少年がいることを当たり前のように思っていましたし、花森少年が否定したのは、自分が二番手であることだけでした。 ですが、現実は思い描いた通りにはなりませんでした。 大人になるということは、理想と現実の差を思い知らされ、打ちのめされ、折り合いをつけることでもあります。ですが少年たちには、思い描いたものを実現できるだけの力がありました。花森さんは五輪にもW杯にも出場できましたし、 海外移籍も果たしました。ただ、持田さんが一緒ではなかった。 単行本四十五巻で、平泉監督は持田さんの事を「周りを巻きこんで熱量を上げさせる選手」だと評価していました。だとすれば、プライドは高いけれどもテンションの低い花森さんは、少年のころから持田さんの熱に煽られ、内なる火を燃やしながら、フットボールの世界で生きてきたということになります。 やっとの思いでたどり着いた場所なのに、そこに持田さんはいない。花森さんの落胆は察して余りありますが、持田さんが世界の舞台に立てないのは彼の責任ではありませんし、誰よりも悔しいのは持田さん自身でしょうから、文句も言えません。 花森さんの言う「天才ゆえの孤独」は、本人が自覚している以上に深いように思えます。椿くんや窪田くんならば、A代表には年齢が関係ない事を、持田さんがオーバーエージ枠で五輪に出場したように、次のW杯という可能性があることを、ボールを蹴ることで花森さんに思い出させてくれるのかもしれません。 花森さんの孤独に気づいていた城西さん。東京ダービーでも、持田さんに花森さんあての伝言を頼まれていますし、世代別代表に選ばれていましたから、彼も持田さんと同じく、東京ヴィクトリーのユース出身なのかもしれません。 |
二十一・二十二号 |
公式ツイッターに掲載されていたモーニングの表紙を見て、クラスの集合写真を思い浮かべました。漫画の主人公が勢ぞろいしているのに、丸囲みされているパッカ君が「写真撮影日に欠席した人」に見えたからなのかもしれません。 不思議な電車に乗り合わせる人々。人ではない方も混じっていますが。達海さんの姿は中吊り広告にありましたが、彼が多忙を理由に企画をサボったのか、パッカ君が「ジャイアント・キリングの主人公は自分」だと行動によってアピールしているのか、判断の分かれるところです。 それはともかく、パッカ君が東大を目指すというのは、ETUの本拠地が浅草であること考えればクラブの企画として成り立つような気がします。問題は、パッカ君にセンター試験の受験資格があるかどうかですが。 花森さんのシュートは決まらなかったものの、オウンゴールを誘って日本先制。チームメイトにもみくちゃにされる花森さんの姿が、日本で行われたスコットランド戦を思い出させます。 花森さんはH・ベルリンの前はシャルケに所属しており、便利屋扱いされていた。起用法に不満があったとしても、花森さんはそれを言葉や態度に出さないタイプですから、監督にとっては扱いの難しい選手だと思えます。 先制点に絡み、メディアに叩かれるというプレッシャーから解き放たれても、見える景色は変わらない。試合中の景色と言えば、椿くんや達海さんですが、花森さんもまた、独自の景色が見える人なのでしょうか。 |
四十七巻 |
表紙はクボバキコンビ。世界に羽ばたく若い二人、チームメイト、そして彼らを支え見守る人たち……というキャスティングなのでしょうが、ブラン監督は変装スタイルで堂々と表紙に登場しても問題ないのでしょうか。若い日本人女性を連れたヒゲとサングラスの外国人男性というのは、ブラン監督だとバレなくても目立つような気がしてなりません。 帯の下には後藤さんと有里ちゃん。広報部長に「お母さんみたい」と言われた彼女ですが、強い母親とは逆に、父親の威厳や発言権がまるでないご家庭を、つい最近モーニング誌上で見かけた気がするのは、私の記憶違いでしょうか。 アジアカップのグループリーグと決勝トーナメントの組み合わせが描き下ろされていました。日本にとって非常に重要な情報なのですが、いかにも外国のマスコットらしい目力のあるラクダが気になって仕方がありません。日本代表におけるポンポンのような、UAEの代表公式マスコットなのでしょうか……? 名前と所属だけでも知りたいところです。 単行本のおまけでリプレイされるクボバキコンビの再会の踊り。そのうちに代表選手の手で二人のダンス動画が世界中に公開されてしまうのではないかと不安でなりません。 窪田くんの三つ子の弟はナツヒコとアキヒコとフユヒコ。髪型を変えることで区別しているようですが、基本的な顔のパーツは兄弟そっくりです。兄が晴彦ですから、漢字も奈津彦、亜季彦といったように捻りを加えているのかもしれません。 甲府の石浜くんとの関係を否定する神戸の立野さん。顔のパーツは違いますが、言われてみれば石浜くんと清川くんを足して二で割ったような髪型に見えます。四十六巻では、清水の金髪トリオがネタにされていましたが、長期連載によるキャラクターの増加が、キャラクターの描き分けという新たな問題を生み出してしまったのかもしれません。 個人的にジャイキリに関しては「〇〇(所属チーム)の××(個人名)」というプロフィールに新しい情報が追加されていくイメージなので、顔に関してはあまり気にしたことはありませんし、出場選手の顔と背番号を全員覚えていなくても、楽しめる作品だと思っています。 |