三十五号 |
シュートがキーパーに弾かれ、セカンドボールを拾った別の選手がゴールを決めるのはよくあることですが、マクレガーさんはこれらの作業を自分一人でやり遂げてしまいました。 無事に故郷に帰れたらバーボンを奢らせてくれ。なんということでしょう。マクレガーさんは千葉だけではなくオーストラリア代表でもフラグを立てています……! 自ら敗戦の原因を作りに行くスタイルなのか、あえてフラグに挑戦しているのか、彼の心境が気になります。 戦争映画に続いて、今度はボクシングの例えが飛び出してきました。それらに一つ一つツッコミを入れていることが、コヴァルさんの疲労の原因にも思えてきます。それにしても「人としての魅力は驚くほど感じられない」というキャプテンへの評価があんまりだと思いました。 状況が変化するゲームではチームリーダーが重要。オーストラリア代表ではトーマス・サリバン選手がチームリーダーの役割を果たしているのでしょうが、日本代表の場合、誰がその立場に立つのでしょうか。花森さんはエースではありますが、リーダーではないように思えますし、クボバキコンビではまだ若すぎるような気がします。 オーストラリアが強引にゴールをこじ開けて同点。この状態から「数号休載」か……。 休載にはやむを得ない理由があるのでしょうが、連載再開時期に関する具体的なアナウンスが全くないことが不安です。 ホームでの東京ヴィクトリー戦連載中には、原因不明の長期休載があったので、今回も休載が長期化するのではないかというのが第一の不安であり、第二の不安は、休載が長引いた結果、漫画そのものが雑誌からフェードアウトしてしまうのではないかということです。 編集部の姿勢や雑誌のカラーなのかもしれませんが、週刊モーニングは「休載になった作品がいつの間にか消えている」ことが多い雑誌だと思っています。今回のジャイキリの休載がきっかけでネット検索した結果、私は昨年の夏に突然載らなくなった(誌面には「次号に続く」と書かれていました)「八百森のエリー」が他誌に移籍することを知りました。作者はツイッターでは明かしていませんが、モーニングの編集部と色々あったことは想像に難くありません。 休載の理由や再開時期を明かさない、明かせないことによって、私のように「作者と編集部がもめているのではないか」と勘ぐる読者もいるのです。先生に無理のない程度に、できるだけ早く連載の再開を望みます。 |
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三十四号 |
SBのポジションチェンジは勝てる場所で戦うためだった。クラブでも試したことがない「ぶっつけ本番」のフォーメーションでも、オーストラリア代表が優位を奪い返せるのは、二点を先制されたという状況に加えて、選手の能力の高さを示しているのかもしれません。 与木で良かった。秋森さんが城島さんに失礼な発言をしています。与木さんがサンアロー広島に所属しているということは、八谷さんとチームメイトだった時期があるかもしれないのでしょうか。 修正を加えるならばハーフタイム。それまでオーストラリアの攻撃を凌げるかどうかが日本の課題ですが、マクレガーさんが前線に(こう表現するとミリタリー映画っぽい)向かっています。「耐え凌ぐか、決壊か。」というハシラのアオリに緊張感が漂っていますが、どうなることでしょうか。 |
五十二巻 |
ついに椿君が単独で表紙を飾りました。従来は帯に隠れる表紙の下に、登場するキャラクターが描かれていたものでしたが、これも椿君の成長なのかもしれません。
代表での成長を目指した結果、星野さんが迷走してしまいました。川崎のファンクラブ会報誌には、彼をモデルにした四コマ漫画「がんばれホシノくん!」が連載(作者は川崎在住の漫画家)されているような気がしてなりません。 帯に「有里号泣」と書かれたものの、泣いていても仕事は忘れない有里ちゃん。椿君が代表初ゴールを決めたその日に記念グッズを作ろうとする姿勢に佐藤君が若干引いています。 今までの仕事ぶりを見て、佐藤君にとって有里ちゃんは「年下の先輩」(アルバイトの経験等で有里ちゃんの方がETU在籍年数が長い)だと思っていたのですが、海外のクラブが椿君の照会を行ったことがきっかけで、二人の関係が変わったような気がします。有里ちゃんにツッコミや注意ができる後藤さんが日本にいないことも影響しているのかもしれません。これもジャイアントキリングの一つの形なのでしょうか。 【朗報】緑川宏、三十三歳に戻る。【単行本で修正】 五十二巻収録分で最も心配していた部分が解決して安堵しました。世代別代表やチームでの立ち位置にも関係することなので、一度設定した選手の年齢は、しっかりとチェックして欲しいものです。 |
三十二号 |
モーニングの表紙は椿君。「2点先制で、勝ちきれるか」という文章が地味に不穏です。やはり「2-0は危険なスコア」なのかもしれません。 オーストラリア相手に開始14分で2点先制という事態が信じられず、有里ちゃんが松原コーチのほっぺたで確かめています。有里ちゃんのほっぺたは柔らかそうですが、松原コーチのほっぺたも触り心地が良さそうに思えます。 普段暗そうでつまんない人に見えるのに。日本のエースが聞けば落ち込みそうな評価を下す有里ちゃん。色恋沙汰に興味のない彼女に、選手がプレーでカッコよく思える感性が残っていたことにひと安心です。 達海監督は、花森さんのプレーが椿君の刺激になるのではないかと予想しますが、股抜きを選んだ理由を問われて「天才だから」と答えてしまうコメント力を参考にしてはいけないと思います。椿君の側に、そして日本代表に窪田君がいてくれて、本当に良かった。8歳も年上の相手を「いい感じでなめてる」彼ならば、そのメンタルの強さを活かして海外でも活躍できるような気がします。 久堂さんが言うには、ミスター滝本は分析のスペシャリストなのだそうです。単行本でもブラン監督が能力を評価していました。以前、山形の佐倉監督が、人手不足のクラブでは選手に見せる指導用の映像も自分で作らねばならないと言っていましたが、日本代表はスタッフが充実しているようです。 試合運びもセットプレー対策も順調な日本代表ですが、予定通りにはいかないのがサッカーというものです。サリバンさんが椿君を止めましたが、ここからオーストラリアの反撃が始まるのでしょうか。 |
三十一号 |
前回に続いて椿君がキレッキレ。クロスを上げますが、ボールはアレックさんに届かずオーストリラアのGKに弾かれます。 オーストラリアの19番ジョニー・ファニングは、クレバーに見えてたまにスタートが不安定。本人なりに気持ちを立て直したというのに、マクレガーさんに激励されるタイミングの悪さ。しかし「いつも何かがズレていて」も、オーストラリア代表が結果を出せるのは、実力がある証拠なのかもしれません。 椿君の仕掛けでオーストラリアがラインを下げたことを見抜く志村さん。サッカー選手は高級車に乗っているイメージがありますが、彼の車にカーナビは搭載されていないのでしょうか。 マクレガーさんを大きい外国人選手の代表のように怖がっていたのに、ピッチで彼を翻弄する椿君の姿を見ていると、窪田君に二重人格疑惑を掛けられるのも仕方がないような気がしてきました。 椿君から志村さん、アレックさんから花森さんにボールが渡って日本に待望の追加点。しかしサッカーの世界には「2-0は危険なスコア」という言葉もあるので安心はできません。 |
二十九号 |
日本代表先制のシーンがリプレイされます。椿君が両手の拳を握って雄叫びを上げたのは、このプレーが始めてのことかもしれません。 いつもの笑い声とともに椿君に飛びつく窪田君。体重をかけないように飛びついているのだとは思いますが、ほとんど体格が変わらない窪田君を軽々と担ぎ上げている椿君は、どことなく以前よりも逞しくなったように見えます。 世界を戦うイメージを持って生まれたゴール。リチャードさんの言葉に後藤さんが動揺しています。相思相愛になってしまうという発言が、息子の交際に反対する父親のようです。そして後藤さんに椿君の件を報告したのは、有里ちゃんだったことも判明しました。「連絡」という表現と時差を考えるに、有里ちゃんと後藤さんは電話以外の方法、例えばメールで連絡を取っているのだと思うのですが、有里ちゃんは海外のクラブから照会があったというだけで動揺していましたから、電話越しの声やメールの文章にも、それは現れていたと思います。後藤さんがどうやって有里ちゃんを落ち着かせたのかを想像するのが実に楽しいです。 君にだけは話せない。わざわざ代理人が動く案件があると自白しているのが、GMとしての後藤さんの欠点なのだろうなと思いました。人間としては好ましい資質だと思いますが、腹の探り合いや駆け引きには向いてなさすぎます……。 松原コーチがテンションの上がった有里ちゃんに「松ちゃん」と呼ばれている影で、金田コーチが有里ちゃんを「有里ちゃん」と呼んでいることが判明しました。言葉遣いから察するに、コーチ陣では若手の部類に入る彼ですが、ETUで選手として活躍していた経歴があってた、有里ちゃんとの付き合いが長いのかもしれません。 試合開始直後というオーストラリア代表の弱点を突いたのだとすれば、ブラン監督は先制した後の戦い方も考えているはず。達海監督が予想したように、日本代表は攻め続けます。オーストラリア代表の裏を狙って、ボールが江田さんから椿君に渡るのですが、彼のモノローグが、逆に不安を誘います。 オーストラリア代表が本気を出すフラグであればともかく、椿君や日本代表の選手の怪我だったらとても嫌すぎます。 |
二十八号 |
トップが自らエンターテインメントを演出するアットホームな職場です。日本代表が準決勝に進出し、クラブハウスでのテレビ観戦を選んだばかりに、会長と副会長が(普段と変わらず)ひどい目に遭っています。 ジジイども。達海監督の言葉に永田兄弟と松原コーチがショックを受けていますが、今までに達海さんが年寄り扱いしたことはなかったので、私も驚いています。一般的に、ジジイという言葉は孫がいる男性を呼ぶ時にも使われるので、永田兄弟のどちらかが、近いうちに「お祖父ちゃん」になるというフラグなのかもしれません。 オーストラリア代表は中東の暑さに耐えかねて省エネサッカーをしているとのことです。本気になればいつでも点を取れるという強い自信と、勝利という結果があるからこそできたことですが、ブラン監督はオーストラリア代表が本気を出す前に点を取るという作戦を立てました。 椿君が序盤から走り、窪田君のシュートで日本先制。クボバキコンビが躍動していますが、試合はまだ序盤です。オーストラリア代表の反応も含めて、今後の試合の動向が見逃せません。 |
二十七号 |
現地の人々はもちろん、日本のサポーターも見守る中、オーストラリア戦キックオフ。序盤から日本が攻めますが決定機は作れません。 ゴードン監督は日本代表を称えつつ、自チームの試合の入り方を「雑」だと評価します。ですが大雑把さがチームの強みとも考えているあたり、彼は短所を改めるのではなく、褒めて長所を伸ばすタイプの指導者のようです。 俺にボールを寄越せ。オーストラリア代表の10番を背負うイアン・コヴァルさん。モノローグはボールもろとも八谷さんにカットされてしまいます。 八谷さんを止めたマクレガーさんや、江田さんが「蹴り損ない」と判断したボールを収めた9番など、オーストラリア代表は言動が個性的ですがフィジカルは折り紙付きです。 ついにオーストラリア代表のエースサリバンさんにボールが渡りました。今のところは監督の言葉を繰り返している人ですが、柱に「瞬き厳禁。」というアオリ文句が付いているのですから、その実力はただ者ではないはずです。ずば抜けた個の力に対して、日本代表がどのように立ち向かうかが楽しみです。 |
二十六号 |
選手入場の列を感慨深く眺める藤澤さん。椿大介という選手を見いだした笠野さんと育て上げた達海監督は、椿君が世界の舞台に立つことを予想していたのではないかと浅草の二人に思いを馳せていますが、達海監督は大あくびをしています。時差のある日本では真夜中だから眠いのは当然のはずですが、達海監督の場合「変な時間に目が覚めて眠い」可能性も否定できません。彼の規則正しい生活のためにも、リーグジャパン公式戦の一日も早い再開を願います。 UAE戦に引き続き、テレビの正面に有里ちゃんが陣取っています。彼女の右に松原コーチというETUの布陣は変わっていません。まさかとは思いますが、この席順はクラブ内での力関係や身長に応じて定められているのでしょうか。 オーストラリアの代表監督は声が大きいゴードンさん。笛が鳴る前から戦いは始まっていると言わんばかりに、ブラン監督を叩いています。ブラン監督が「やたらと色々デカイ連中」と評したオーストリアの選手たちは、マクレガーさんの言葉でクボバキコンビや志村さんを警戒したようです。 窪田君が志村さん相手に普通に会話をしている……!!! 窪田君がハタカタコンビや平賀さんに対して口数が少なかっただけで、ハルハルコンビはひっそりと、しかし確実にコミュニケーションを取っていたのか、側にいる椿君のために、窪田君が頑張って会話をしているのかが気になります。志村さんはマイペースなので、窪田君の口数が増えても普通に受け入れるような気がします。 繊細そうに見えてドジっ子。志村さんの「大きい選手」評をアレックさんが地味に気にしています。「ジンベイザメ」という例えが出た時に、大阪の海遊館を連想したのですが、調べてみたところ、1990(平成2)年にオープンしたときから、海遊館にはジンベイザメがいたそうです。志村さんの「幼少期」という言葉から察するに、彼らが子どもの頃に海遊館に行った可能性は否定できません。 ヒョロヒョロではなくスマート。花森さんは持田さんに「ガリヒョロ」とも言われていたので、フィジカルに恵まれているイメージはありません。日本人で体格が良い選手、具体的に背が高くて筋肉質の選手というと、代表だと星野さんと、ETUだと村越さんあたりをイメージします。城島さんはモデルになった選手と同じく、体脂肪率が低い感じがします。 |
二十五号 |
戦争は悲劇しか生まないのに、なぜ人と人は戦うのか。マクレガーさんは相変わらず戦争映画のノリで生きています。単行本26巻のおまけページで映画の死亡フラグのようなことを言い出したために、千葉が敗れたことを思い出しました。 オーストラリア代表はマクレガーさんを筆頭に個性的な選手が多いチームでした。試合直前に大量に水を飲んだりバナナを食べたりしたら、走っているときに脇腹が痛くならないかと心配になりますが、日本人とは体のつくりが全然違う上にアスリートだから大丈夫な気もします。 オーストラリアの10番コヴァルさんはツッコミ役。ジャイキリ世界の10番は、周りからツッコミを受ける個性的な人々が多いので、一周回って新鮮に思えました。 個人の力と互いを尊重する協調性。オーストラリア代表選手の間でケンカが起きていないことをコヴァルさんは「他人に興味がないのではないか」と分析しています。個性的な選手が集まっているからこそ、コヴァルさんは「ツッコミができる常識人」として10番を背負っているのかもしれませんが、次号以降で彼への評価が覆る可能性は否定できません。 僕の考えた最大のリラックス方法。緊張と縁の薄い志村さんと窪田君に挟まれるという椿君の発想はオセロを思わせます。海外を目指す窪田君は気合いが入っていますが、鼻血が出るには至っていません。ケン様や椿君のような特別な相手がオーストラリアにはいないからなのか、それとも鼻血癖が克服されたのかどちらでしょうか。 |
二十四号 |
オーストラリア戦のスタメン発表。GKは星野さん、DFは右から田辺さん、越後さん、江田さん、与木さん。MFは中盤に八谷さんと志村さん、二列目は右から窪田君、花森さん、椿君。FWはアレックさん。UAE戦で活躍したクボバキハナトリオがスタメン出場します。 桐生さんと岩淵さんは小さいのでしょうか……? アレックさんは「わかりやすく小っこい」と言っていますが、体格に恵まれず遅咲きだった城島さんを含めて、日本代表のメンバーには際だって小さい人はいないように見えます。星野さんやアレックさんは何となく背が高いイメージがありますが、サッカーの世界は180cmのGKでも「小柄」扱いされるので、一般の感覚で身長を考えてはいけないのかもしれません。 君達の活躍次第で、クラブやリーグジャパンの評価が上がる。ニッポンの価値を高めるのは君達だ。ブラン監督の演説で、夏木さんのモチベーションが上がっています。全員が拍手をするというよく分からない雰囲気になりましたが、試合に出ていない選手も含めて、チームがまとまっているのは良いことだと思いました。 ブラン監督は62歳。胴上げは対象となる人に関連する回数(引退する選手ならば背番号)行うのが定番ですが、節分に食べる豆のように、歳の数だけ胴上げをするのは斬新すぎるアイディアだと思いました。 チームがタイトルを取ったのに「真顔でキレて」胴上げを拒否したオシム監督(身長191cm)とは違い、ブラン監督は明らかに小柄な男性として描かれています。選手とスタッフがその気になれば、ブラン監督の胴上げは簡単そうですが、そのためにも日本代表には優勝して欲しいものです。 ブラン監督はアジア杯の先、W杯を見据えていました。持田さんが「次のW杯には間に合う」と言い残して東京ダービーでピッチを去ったことを思い出します。 達海猛監督が主人公の「GIANT KILLING」は、シーズン終了と同時に幕を閉じるのだと思いますが、その先には、ブランジャパンがW杯に出場して、クボバキコンビや花森さん、持田さんが揃ってピッチに立つ物語もあるのかもしれません。 |