二十一・二十二号 |
予想外の結末。 二年以上かけて描かれたアジア杯がバッドエンドに終わった挙げ句、椿君の成長がゼロどころかマイナスに振り切れるとは予想もしていませんでした。 時折「代表に選手を貸したらケガをさせられるから、自分の応援するチームの選手を代表には送り出したくない」という発言をネットで見かけますが、ガンナーズとETUのサポーターやクラブ関係者はブラン監督とフットボール協会に文句言っていいレベルです。 前回、三位決定戦が残されていると書きましたが、2019年開催のアジア杯では三位決定戦が廃止されたことと、ハシラの「日本代表終戦」という言葉、そしてレッドカードをもらった椿君が出場できないことを考えれば、三位決定戦は行われないまま日本代表は帰国する可能性もありえます。 気がかりなのは今後の展開です。アジア杯は椿君の成長にとって必要なエピソードではありましたが、それゆえにオーストラリア戦終盤の展開が唐突に感じられました。 多くのJサポーターがアクセスしている大手サッカーブログが、二月の下旬にJリーグの試合開催延期を受けたジャイアントキリングが50話まで無料公開したニュースを取り上げました。その記事のコメント欄には、しばしば発生している予告なし休載を非難する意見だけではなく、アジア杯の長期化や、主人公が達海猛から椿大介に交代したとも言える展開に否定的な意見もいくつか書き込まれていました。私には、ツジトモ先生やモーニングの編集者がそれらを目にした結果、強引にアジア杯を終わらせたように思えてならないのです。 オーストラリア戦では、前号まで日本代表の敗北を予感させる描写や伏線がありませんでした。あえて言うならば、サリバンさんが過去に幾度となく日本代表を苦しめてきたという描写程度でしたが、彼に関しては、若いコヴァルさんと感情のすれ違いに見られる日本代表との「世代交代」の対比が重視されていたように思えます。 敗北の後はブラン監督の進退問題や椿君の再起イベントを描く必要がありますが、ツジトモ先生の中にそれらを描く「ストーリーの引き出し」があるのか、正直なところ疑問です。 フットボーラー持田蓮の退場の仕方は、読者の予想を良い意味で裏切るものでした。そのキーパーソンとなったのが、東京Vの元選手の成田だったことも、一定の説得力を感じさせる人選だったと思います。 メタ的なことを言えば、ケガでボロボロの他チームの選手がダービーを最後に引退しようが、地道に治療しつつ次のW杯に望みを託そうが「ジャイアントキリング」が達海猛を中心とするETUの物語である限り、ストーリーの大筋は変わりません。だからこそ持田蓮はわずかな可能性を残しながらも、物語の舞台から退場できたのだと思いますし、自分が知る範囲では、持田の選択に不満がある人を見たことがありません。 ツジトモ先生は、十年以上週刊連載を続けている「中堅〜ベテラン」の漫画家ですし、「ジャイアントキリング」は間違いなく週刊モーニングの看板作品です。 ストーリーというのは、ただ読者の予想を裏切れば良いわけではないことは、当然ご存じでしょうし、リーグ戦に戻ってからも「読者の予想を裏切る」ことだけを目的に、唐突かつ読者の大半が納得できない方向にストーリーを進めるようなことはして欲しくはないと思いました。 |
---|---|
二十号 |
つらすぎる。 古谷さんや桐生さんがケガの経験者として、窪田君の状態を冷静に語るのがつらすぎます。チームメイトである畑さんの「こんなんあんまりや」という言葉が重いですし、タンカで運ばれながら顔を覆う窪田君がつらすぎます。 花森さんはこの場面で、持田さんのケガを思い出しています。盟友がケガでピッチから去るという共通の経験を持つ者として、椿君に助言できれば良いのですが。 ケガをさせた側もショックを受けています。それは分かるのですが、窪田君のケガという「人の不幸」を、コヴァルさんとサリバンさんの和解のダシには使って欲しくないと思いました。正直言って、アジア杯で対戦した外国の選手は、この漫画が完結してから、椿大介を主人公にしたスピンオフが連載開始されでもしない限り、試合が終われば「それっきり」の人たちです。自分の思い入れは「クボバキや夏木さん>日本代表の関係者>外国の代表選手や監督」ですし、個々人を掘り下げるなら、日本代表に関わる人々のドラマや交流が見たい。 椿君のメンタルがガタガタすぎる。成長するには試練が必要なのは理解できるのですが、この試練は辛すぎる。 オーストラリア戦がどのような結果に終わろうと、日本代表にはもう一試合が残されています。「アジア杯を長々とやっておいて、バッドエンドはありえない」という意見もネットでは見かけましたが、ツジトモ先生が読者の期待と予想を裏切るには、それぐらいしか方法はないだろうなという気もします。 |
十九号 |
つらすぎる。 コヴァルさんのタックルではなく、窪田君がタックルを避けて着地した時に足を痛めたというのが「悪い人」を描かないツジトモ先生らしいと思いました。 試合終了後に、コヴァルさんとサリバンさんの関係がどうなるのか分かりませんが、窪田君をこういう目に遭わせた時点で、コヴァルさんとサリバンさんに対する私の感情が「試合が終わった時点で、関係を改善する糸口ぐらいは作れたらいいですね」と思っていたのが「相手チームの内輪もめとかどうでもいい」というように考えが変わったのは事実です。 夏木さんのように文句を言えるわけでもなく、花森さんのように治療を見守るわけでなく、ただ立ち尽くすことしかできなかった椿君の姿が、読者に重なって本当に痛ましいです。 アジア杯で椿君がさらなる成長を遂げるには「窪田君なしで決勝に出る」ことだと以前書きましたが、やはり選手のケガはつらいものです。今更言っても仕方がないことですが、累積イエローで決勝は欠場ぐらいに留めておいて欲しかったです。 |
十八号 |
椿君のゴールに、スタジアムだけではなく、日本中が盛り上がっています。息子が、弟が「日本のヒーロー」になった椿家の皆さんは、驚くと同時に誇らしかっただろうなと思いました。 後藤GM号泣。よりにもよって代理人の前で「椿をETUに引き留める力なんてない」と発言してしまいました。 椿君の海外移籍が決まったら、後藤さんと有里ちゃんは、椿君の思い出やクラブの強化を語り合いながら、二人でひっそり泣けばいいと思います。 アディショナルタイムは六分。日本代表は城西さんが投入されましたが、引きが不穏すぎる……! 直前のページとコヴァルさんの「血気盛んで死に急ぐ若い兵士」フラグを考えれば、窪田君とコヴァルさんが接触プレーを起こしたと考えるのが自然なのでしょうか。 自分は十五号の感想で、日本代表の選手が怪我をするならば、本命は椿君、次点は窪田君と予想していましたが、正直言ってこんな予想は当たって欲しくないと思っています。 |
十七号 |
達海選手の動画を見たと語るブラン監督。作中は二〇〇七年ですから、その十年前に達海選手が最後の公式戦に出場したことと合わせて考えると、元の映像はビデオテープだったと考えるのが自然です。スマートフォンやタブレットのように、ジャイキリ世界では映像機器のハイテク化が進んでいると考えるべきか、達海選手のファンががんばってビデオテープをデシタル化して動画を作ったと考えるべきなのでしょうか。 永田さんちの有里ちゃんならば、家に大事に保管していたビデオテープを使って動画をネットにアップロードしても不思議ではありませんし、ETUの公式サイトにアップされている動画であれば、権利関係の問題もクリアされるように思えます。 すぐに日本中の選手達をごぼう抜きする。ブラン監督にはかつて木の根と間違えられた「ごぼう」の正体を知っているのでしょうか。ブラン監督ならば、持ち前の好奇心できんぴらごぼうを食べていても不思議ではありませんし、いざとなれば美人秘書が通訳してくれるから問題ないようにも思えます。そろそろこの秘書の名前が知りたいのですが、いつになったら彼女の情報が明かされるのでしょうか。 椿君がベーカーさんをかわしてゴール。ついに日本が逆転を果たしました。 今回が545話ですから、546話と547話でオーストラリア戦の決着をつければ、単行本もキリのいいところで「次巻に続く」ことができるような気がします。 |
五十四巻 |
代表チームを応援するためにフェイスペイントをしよう! 作中は二〇〇七年ですから、まだフェイスペイントも主流だったのかもしれません。当時Jリーグの試合を見に行くと言っただけで「顔にペイントとかするの?」と、「サッカーの応援=フェイスペイント」的なイメージを持たれていたことを思い出しました。 オーストラリアにて三十代〜五十代の男性が男児に「元気だね」と声をかける事案が発生。体や声が大きい見知らぬ男性というものは、その存在だけで小さな子どもに恐怖を与えてしまうものです。 ナレーションの「男どもにしか人気がない」というのが何とももの悲しすぎる……。黒田さんのファンが厳つい男性ばかりだったことを思い出しました。ETUの躍進でファンが増えましたから、黒田さんを応援する女性もいると考えたいです。 ロッカールームでの「後半はもっとやれると思う」というアレックさんの言葉が胸に痛いです。ハムストリングは、どれぐらいの期間で完治するものなのでしょうか。 シベリアンハスキーの「オレはやるぜ」並みにテンションが高い城島さんを見て「負けそう……」などとネガティブになる椿君。窪田君は花森さんに対して、割と失礼な発言をしていますが、椿君も人のことは言えないのではないかと思いました。 |
十六号 |
ブランコ乗りに行く。三十五歳の言い訳にしては下手すぎますし、事実だとすれば監督が職質を受けてしまう案件です。達海さんはフットボール以外では、本当に人を騙したり引っかけたりすることは苦手なのだと実感しました。
クラブハウス在住で、携帯電話を持っていない達海監督を相手に、どうやってブラン監督が食事の約束を取り付けたのかが気になります。アジア杯期間中にタブレットで海外の試合を観戦していましたから、もしかしたらメールアドレスは持っているのかもしれません。 八歳も年上の相手に窪田君が「減らず口」とか言ってます。単に言葉の引き出しが少ないのか、心からそう思っているのか判断が分かれますが、窪田君の場合は後者な気がしてなりません。 ベンチに下がったオーストラリアのジョニー選手に、「止められる気は正直しなかった」とまで評価されたクボバキコンビ。窪田君からゴール前の椿君にボールが渡ったところで「次号に続く!」となりましたが、ジャイキリの場合は、この引きだと得点にはつながらない気がします。 |
十五号 |
コヴァルさんがキレました。もしかしたら、ピッチ内では「ピー」音で修正されそうな英語が飛んでいるのかもしれません。 そんなコヴァルさんの態度を「無礼なのは構わん」とスルーするサリバンさん。彼なりにコヴァルさんの能力を評価していることは、マクレガーさんや読者には伝わっているのですが、コヴァルさん本人には伝わっていないために、この試合が終わった後のオーストラリア代表の人間関係が心配になります。 血気盛んで死に急ぐ若い兵士。マクレガーさんの表現が独特すぎる……。前回の椿君の好調アピールをいわゆる「怪我フラグ」ではないかと感じた人をネットで見かけたのですが、今回コヴァルさんに立ったフラグと重ねると、彼がプレー中にミスをして本人は退場した上に、椿君も怪我をして交代or次戦欠場という、リアルではあるものの誰も幸せにならない展開しか私には思い浮かびません。 クボバキコンビがマクレガーさんに「危険な存在」扱いされています。窪田君の笑顔にコヴァルさんが苛立っていますから、もしかしたら彼によって怪我をさせられるのは、椿君ではなく、窪田君かもしれません。 メタ的なことを言えば、ETUでは既に緑川さんの怪我イベントが発生していますし、椿君に試練を与えつつ成長させるには、窪田君がピッチにいない状態でアジア杯の決勝に立つのがひとつの方法だと思うのです。 アジア杯後に描かれる予定のリーグ終盤戦では、おそらく鹿島との戦いに焦点が当たるはずです。ETUとの試合が終わっている大阪は、必然的に出番が減りますし、窪田君の怪我が原因で優勝争いから脱落すれば、ETUと鹿島の「一騎打ち」感が盛り上がります。 シーズン終了後、椿君に海外のクラブからオファーが来て移籍するというのは、多くの読者が予想している展開ですが、オーストラリア戦の時点で、椿君に海外志向が薄いのも事実です。しかし、もしも窪田君の海外という夢が、怪我によって絶たれているならば、椿君は「窪田ちゃんの代わりに、窪田ちゃんの分まで」異国のピッチを駆けることを選ぶような気がするのです。 ここまで妄想を書き連ねていて思ったのですが「ライバルにして盟友でもある二人。一人は海外に飛び立ち、もう一人は怪我に泣かされて海外に行けなかった」と書くと、まるっきり持田さんと花森さんになってしまいます。 フィクションの試合であっても、できれば選手にケガはして欲しくないので、無事にオーストラリア戦を終えて欲しいと思いました。 |
十三号 |
夏木さんのゴールに沸く人たち。有里ちゃんがすごい声を出してます。そして佐藤君以外、誰も彼女にツッコミを入れないクラブハウスの人たちが気になります。父親と叔父さん、そして松原コーチあたりが「また有里(ちゃん)が興奮してる」とスルーするのは想像がつくのですが。
夏木さんがホラー漫画の登場人物みたいな顔をしている……! アドレナリンが出過ぎると画風まで変わるものですが、アシストをした椿君は平常運転です。窪田君と二人で試合を楽しんでいるのは良いことなのですが、楽しみ方が他の選手と違っているように思えます。八谷さんがドン引きするのもやむを得ないと思いました。 アディショナルタイムを含め、試合は残り十五分。ゴードン監督に警告が出たことが、今後のオーストラリア代表にどのように影響するのか分かりませんが、コヴァルさんとサリバンさんの周辺は、もう少し掘り下げられるような気がします。 巻末予告にはジャイキリの名前がなかったので、来週は休載のようです。休載ならば漫画の最終ページ(今号なら48P)に書いてもらったほうが分かりやすいのですが、印刷の都合上、難しいのかもしれません。 Jリーグの開催延期を受け、ジャイキリ50話までが無料で読めることになりましたが、私は正直なところ、この作品を人に勧めるときに「Jリーグが好きな人なら楽しめると思います」とは言えても、「サッカー日本代表が(以下略)」は言うことができずにいます。 フットボーラー椿大介の成長を描くにあたり、アジア杯というイベントが必要なのは理解できるのですが、今年中にアジア杯が終わるかどうかも分からない現在の連載ペースや、単行本化にあたる膨大な修正・変更を見ていると、ツジトモ先生ご本人も、ストーリーの「引き延ばし」に苦労しているように感じられます。 |
十二号 |
日本代表と自分自身の未来。椿君が五輪代表候補に初選出された時に「日本全部の代表なんて無理。僕は地元と大阪の代表のつもり」と言っていた窪田君ですが、A代表を経験することで考えが変化したようです。若い子の成長は見ていて微笑ましいですね。 ベイカー無双からの椿君の「見える」が発動。アウェイの名古屋戦以来ですが、よくよく考えれば、ETUにとっても、ストーリーにとっても重要な意味を持っていたホーム東京ヴィクトリー戦では、この能力が発動しなかったことに思い至りました。 椿君から夏木さんへのETUホットラインで日本代表が同点に追いつきます。ベイカーさんのような優れたGKには、夏木さんのような「理論的に説明できないけれども、何だかすごい力を持った選手」をぶつけるのが効果的なのかもしれません。 |
十号 |
お前には貪欲さが足りない。 ゴードン監督はコヴァルさんの出来に満足しているようですが、本人とのコミュニケーションという大事な部分が欠けています。勝負の世界では、誰かを見返したいという気持ちが力になることもあるのは理解していますが、フットボールという集団競技で、年長のチームメイトや監督への信頼関係にヒビが入っているのは、望ましいことではありません。正直、今週はコヴァルさんがかわいそうだと思いました。オーストラリア代表がリードしている展開なのに、ボールを蹴っていても必死さばかりがアピールされて、楽しくなさそうです。 自分がチームで一番上手いという自信を持つがゆえに、コヴァルさんは苦しみ、代表での自分のあり方に悩んでいるわけですが、代表の中では自分の実力は下の方だから、チームに貢献できるように上手くなりたいと考えている椿君の姿勢とは真逆であるように感じます。 「若者に必要なのは、年長者を敬う謙虚さ」などという、年齢の高さだけが取り柄の方々しか喜ばないような結論には至らないとは思うのですが、試合終了後のコヴァルさんの代表での人間関係が気がかりでなりません。 |
九号 |
異国でもETUへの思い入れは変わらない藤澤さん。あくまでもブレない姿勢に心が和みました。 オーストラリア代表の高さと勝負できるほど、夏木さんは好調のようです。ですがシュートに精度がなく、関西出身の畑さんの「バカ」が突き刺さります。そしていつの間にか、夏木さんのやらかしは「伝説」の域に達していたようです。 かつて「探偵ナイトスクープ」でも取り上げられた「地方によるアホとバカの使い分け」は、日本で生まれ育った日本語ネイティブの人間にとって、かなり重要なことだと個人的には考えています。 ハタカタコンビの「お前アホやな!」という会話は、挨拶のようなものですが、これが「お前バカか!」であれば一触即発。いつ何時殴り合いが始まっても不思議ではありません。窪田君と志村さんは平常運転でしょうが、間違いなく平賀さんの顔が青くなる案件です。 つまり、畑さんは心の底から夏木さんを「バカ」だと思いつつ、そこに希望を託していることになります。 夏木さんの「バカ」っぷりに代表される日本代表のプレーが、ゴードン監督は「勝負を楽しんでいる」ように見えたようです。オーストラリアの勝利を確実なものにするために、14番のケリーと19番を、6番と7番(ウッド)に入れ替えます。 1枚イエローをもらっているCBライアンと、サリバンとの不和が明らかになったコヴァルを残し、右サイドのテコ入れをはかったゴードン監督の意図は、今後明かされていることになるのでしょう。 日本代表は江田さんにイエローが出てしまいましたが、試合の流れによってはどちらかのチームが10人で戦う展開もあり得るかもしれません。 |
八号 |
夏木陽太郎、異国のピッチに立つ。 ETUのスタッフや選手、サポーターにとっては歓喜の瞬間なのでしょうが、ピッチに入るなり夏木さんが椿君に抱きついたため、色々と台無しになった感じがします。当時の匿名巨大掲示板には「止めてください夏木さん。オレには窪田ちゃんが……!」などというスレッドが立ったかもしれません。 改めて思いましたが、サリバンの左腕のタトゥーがすごいです。これを毎回手書きで描くのは大変だろうなと思いました。 リードしたオーストラリアは5バックで守備を固め、マクレガーさんはリーグ戦で相手をすることのなかった夏木さんを警戒しています。試合の流れを変える力があるゴールというのは、FWというポジションにいる人たちの中でも、ごく限られた人しか持っていないものです。 この試合では、花森さんやアレックさんに勝負を託されたクボバキコンビに加えて、夏木さんの活躍にも期待したいものです。 |
六号 |
アレックさーん!(涙) クボバキコンビに「花森に言われたこと…忘れたらあかんよ?」と言い残した時の表情が格好いいからこそ、彼の退場が残念で仕方がありません。 当事者のクボバキコンビだけではなく、他の選手もブランジャパンのピンチを前に気合いが入っていました。ここで青くなるのが実に花森さんらしいと思います。この言葉が達海監督が発したものであれば、不敵な笑みとともに選手たちを送り出すと思うのです。それはそうと、達海監督が指揮を執る姿を長く見ていませんが、今年中には見ることができるのでしょうか。 ブラン監督の美人秘書を発見。開催国の宗教上の都合もあって、てっきり日本にいるものだと思っていましたが、そろそろ彼女の名前が知りたいです。 一刻も早い止血が必要な人と、そうでない人を比較していいものかは分かりませんが、試合が止まっている間に、オーストラリア代表の選手がサリバンに声をかけなかったことが気になります。逆転できたから、あえてサリバンに声をかける必要がないと思ったのか、サリバンが言葉よりも行動(例:追加点を取るために攻撃)を求める人だからなのかは分かりませんが。 夏木さんの登場で「続く」となりましたが、巻末予告に載っていないということは、次号休載なのでしょうか。今号で最終回を迎えた「鬼灯の冷徹」は、江口先生がご入院されてから、隔週連載になったと記憶しています。 今年は東京五輪がありますし、サッカーを漫画で盛り上げたいという大人の事情は理解できなくもありませんが、休載が多発するようであれば、思い切って連載ペースを隔週や月一に落とした方がツジトモ先生はもちろん、読者の精神安定にもつながるような気がします。 |
二・三号 |
アレックさーん!(涙) オーストラリアが三点目を叩きこんで、日本のネット界隈で「二対〇は危険なスコア」というワードが飛びかっていることよりも、アレックさんが肉離れを起こしたことのほうがショックです。 代表編は椿君の成長やクボバキコンビのやりとりを見守りながら読んでいたので、二人に親切なアレックさんには当然、良い印象を抱いていましたから、このオーストラリア戦で彼にスポットが当たったときには、活躍して欲しい、より具体的にはゴールを決めて欲しいと思っていました。 アレックさんの負傷退場は、夏木さんの試合出場フラグだと予想できますが、やはり選手がケガをするのは精神的につらいものがあります。 |
一号 |
仲間割れを起こした舞台は破滅に向かう。戦争映画には詳しくないのですが、「殺人犯と一緒にいられるか!」で死亡フラグが立つミステリーや、恐怖のあまり普通ではあり得ない行動をとるホラーでも、仲間割れは良くない結果を招くような気がします。単独行動ダメ絶対。
ゴードン監督が言うには、サリバンはコヴァルさんのことを高く評価しているそうです。それをコヴァルさんに直接言ってあげていれば、二人の関係はこじれなかったように思います。 ハシラに「寡黙な男」と書かれているように、サリバンは窪田君とは方向性の違うものの、口数の少ない人なのでしょう。言葉ではなく行動で人を動かすタイプの選手として、オーストラリア代表では長く信頼されてきたのでしょうが「背中で語る」やり方が通じなかったからと言って、相手を一方的に責めるのはいかがなものかという気がします。 2006年のW杯の後、日本代表の敗因を「意思統一の失敗、コミュニケーション不足」という切り口で取り上げていたテレビ番組を見た記憶があります。自分の意思を他人に理解できるように伝える力というのは、言語能力だけの問題ではないのでしょうが、だからといって対話をおろそかにして良いわけではありません。 サリバンが「俺の背中を見ろ」と言えるタイプではなかったこと、そして、サリバンとコヴァルさんの間に立って「あいつの背中を見ろと言える人がいなかったことが、二人にとっては不幸だったのかもしれません。 強い代表。ボールを蹴るサリバンの姿から、コヴァルさんが何かを感じることはあるのでしょうか。 |