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勝手にコラム

No.1:マルチプロセッサーの憂鬱(その2)

マルチプロセッサーカードが届いたその日、仕事もそこそこにさっそく装着。開腹は手慣れたものだ。世間では「最も開けにくい機種」だと言われているらしいが、私にとっては何のことはない。(じつは購入したときに開腹組立30回の儀式を済ませたおかげだ。)今回開けたついでに、外づけZip用の電源も内蔵HD用のコネクターから線を伸ばし、さらにCPUのヒートシンクにAートバックスで買ってきた車載用室内/室外温度計の室外センサーもとりつける。すべてを優秀な外科医のメスさばきの如く優雅な手つきでこなし、元通りに組み立てた。

それでは起動してみる。久々のコールドスタートから目覚めるのHDの回転音に耳を傾けつつ、期待と不安の入り交じった目でモニターを見つめていた。

最初は起動音も変わるのかと思ったのだがなにごとも起こらず、いつもどおりの起動プロセスが始まった。見慣れたデスクトップがでてくる。そこには何の変哲もない。ウィンドウの開閉速度も変わらない。ソフトを2、3立ち上げ、動作させても速度も体感的には全く変わってない。

「どういうことだ?」たくさんの不安が頭をよぎった。「もしや、非対応モデルだったのか?」いや、そんなことは絶対ない。8500だぞ。Rhapsodyでも対応している第二世代 PCIマックの主力機種だ。しかもメモリ&ハードディスクたっぷり以外に2次キャッシュすら変えていない、どノーマルモデルだ。「カードがちゃんと装着されてなかったか?」。もしかしてちゃんと装着できなかったのか?否、それはない。それなら起動音すらしないはずだ。もともと私はAppleVisionを使用しているので起動音ははっきりとは聞いていない。しかし、Finderが立ち上がっているという事は604eはちゃんと機能しているという事だ。残りの21種類の不安が1.9μsで大脳皮質を駆けめぐり、シナプスを浪費した後に、不安を物色する生産的方法を思い出した。

デスクトップに並んだハードディスクの階層をさかのぼり、「Clockometer」を立ちあげた。そこには「PowerPC604e:200MHz」の文字が!そして、その横にさりげなく「 *2」。
そうか、やはりちゃんと機能していたわけだ。しかし何とも心憎い演出だ。もう少し自己のパワーを主張してもいいのではないか。車にたとえるならエンジンを2つ積んでいるような状態だというのに。「黙して多くを語らず」というが、Macの奥ゆかしさには心を打たれる。まあ、Iンテルのようにシールまで貼られてはすこし恥ずかしいかもしれないが。
ここで私は最も重大なことに気がついた。

「対応アプリケーションがないっっ!」

私が主に使用するソフトはFractal Design Painter5なのだ。バージョン5からPowerPC専用となったが、マルチプロセッサ対応ではない。写真のレタッチにはPhotoShopではなくColor It!だ。ムービー編集ソフトもPremereではなくVideoShop、しかもバージョン2.0だ。これにいたってはPowerアプリですらない。(このことは今気がついたのだが、いまさらながら我自身の愚かさに驚いてしまった。)

「まずい、これではまさに”猫に小判”、宝の持ち腐れになってしまう。」すぐさま記憶をさかのぼった。そういえばQuickTimeは一応MP対応のはずだ。QuickDraw3Dもしかり。確かAllegroやRhapsodyもMP対応になると聞いたことがある。
それにたとえMP対応でなくとももともと120MHzが200MHzになるのだから生産性の向上には役立つはずだ。

Painterを立ち上げ、画像ファイルに”必殺!連続フィルター”をかます。確かに処理は速くなっている(感じだ)。続いてMoviePlayerでビデオクリップを数個同時に再生する。うーむ、コマ落ちが減った(と思う)。ついでにQuake(XPressではなくゲームの方だ)もやってみる。かなり効果がある(様な気がする)。
どうもはっきりしない。奥歯にピーナッツの詰まったMr.BEANの様な表情をして考えをめぐらせた。

そうだ、「BeOS」があるじゃないか。「Pulse」でバーグラフが2つあってこそのBeOSではないか。BeBoxにも勝るスピードでBeを動かせばさぞかし快適だろう。私は楽観的な人間で良かったとつくづく思った。


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