日々、在りしことども



雪見月三十一日

雪見月三十日
初雪
雪見月二十九日
昨日に続き襖張り。 地震だが、犠牲者は四万から七万、まだ増えるとか。
雪見月二十八日
ここ数日、特筆すべきことども、これとて無し。よってつらつらと思いつくまま。 数日。酒を飲せず。油を差した機械の如く、心身快適。二日酔い無き朝、実にヨロシ。 遠洋にて地震あり。亡くなりし数、二万と数千を超えるとか。死を、思う。 クリスマス、前後に手を動かす。やや、色々とヨロシ楽し。
雪見月二十三日
寒い眠い寒い眠い。
雪見月二十一日
読書の邪魔になる、睡眠の邪魔になる。この二つをあげただけであらゆる対人関係の否定は皆様御納得いただける次第かと思うが、本日また思う。
声を掛けるとき、相手の開いている頁が本の先頭か、真ん中か、はたまたクライマックスの終盤十数頁なのか。それを一瞥して気遣う程度の小さな配慮が、この世の中から争いを減らすと。
雪見月二十日
どうやら本冬は思いの他、暖かいようだ。

毎年、冬この頃になると、無性に眠気を覚えることがある。冬眠、と冗談交じりに呼び、寒さによるものだと思っていたが、本日また眠く、しかし別に寒くは無し。
本当に、冬眠を体が求めているのだろうか?

ここ長らく何も無し。刺激が無ければ反応が鈍るも道理だが、本当に無刺激ならば、人間半日ほどで幻覚を見たはず。――幻覚さえも見られないのか……
雪見月十三日
夜、ふたご座流星群をちと見る。
時刻は一時前、南西低め、図書館の屋根上辺りを幾つか流れる。

昔ほど寒くはなく、昔ほど星も白くはなく、昔ほど情熱もない。けど、やはり冬の夜気は星は良いものだなと幸せになる。

夕、夜、猫ころころ。野良ども、餌は足りているだろうか?
雪見月十二日

雪見月九日
昨日から仕込んでおいたオデンがあったなと、夕食の支度を放り出して外出。
帰路、何気なく冷やかしに寄った酒屋でウイスキーの量り売りを見付ける。
焼酎、日本酒なら知っていたが、これは初見。日本は愛知の産だとか。度数五十度も店頭に並ぶこの御時世だが、日本ウイスキーらしくやや薄目、そして安い。更に量り売りの値引きも効いているので、ものは試しと購入。

瓶とか容器の持参が要りますか?
ああ、大丈夫だよ。ちょっと待ってな。

社長さんがレジ横の小さなペットボトルをがさごそと取ってきて、樽の注ぎ口にじょうごを当てる。と、ふとレジを振り返って一言。

『オイ、こいつの中、綺麗か?』
『大丈夫、水だから』

多分、問題はそこじゃない。
ここ、日本だよな? まさか洗ってないのか?
ちょっとした無法ぶりに、そこはかとなく好感度が上がる。

現在、地元『てんびんの里 天然水』の空ペットボトルを満たす大人の烏龍茶。
そういえば昨年、良質の濁酒が成功したときの仕込みが、多賀の麹にこの水だったなと思い返しつつ。本日、予期せぬ晩酌。 ウイスキー量り売り500ml:税込み四百五十円也
雪見月八日
駄目ー。
雪見月七日
月初め、珍しくと真剣に読書へ取り組んだ反動か、ここ数日は紙の活字を一気に放り出しネットで軽いものを読み漁る。
雪見月六日
先日、ふと見た顎の線が変わっていた。少し痩せたか、と思った。
本日、適度にものを噛んで食べたところ、顎のそちらがつりかけた。
単純に筋肉が萎えていただけの模様。

何処から、何処から食生活の改善を!?
雪見月二日
天気良く、洗濯乾く。
日光浴。読書、処理。
雪見月一日

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