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勧告 5.9: 魚類の生息地として国際的に重要な湿地

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第5回締約国会議
釧路,日本
1993年6月9-16日

勧告 5.9: 魚類の生息地として国際的に重要な湿地に関するラムサール指針の設定

条約の序文で「水の循環を調整するものとしての湿地及び湿地特有の動植物特に水鳥の生息地としての湿地の基本的な生態学的機能」が強調され、「湿地が経済上、文化上、科学上及びレクリエーション上大きな価値を有する資源であること及び湿地を喪失することが取返しのつかないことであること」を確信していることを想起し、

条約によって、再生可能な自然資源のワイズユースに重要性が添えられたことを更に想起し、

魚類は湿地に関連を持つ最も豊富な脊椎動物であり、価値の高い漁業の基礎を形成するものであることに注目し、

海岸線に存在する湿地は、沖合の漁業を含む、漁業にとっては重要な稚魚の成育場を形成していることに更に注目し、

魚類の生息地や伝統的な漁業の資源として、重要な湿地のより効果的な指定と管理をすることは、地元住民の生活の質を改善し、途上国に、ラムサール条約へのより深い関連を持たせるであろうことを認識し、

ラムサール条約の関係機関と、漁場の保全とワイズユースに関連を持つ団体の間に、より密接な協力が必要であることを強調し、

スイスのモントルーで1990年に開催された第4回締約国会議の勧告4.2が、「国際的に重要な湿地の特定のための基準」を採用したことを想起し、

これらの基準の「植物または動物に基づいた一般的な基準」と題された第2項が、水鳥以外の動物を国際的に重要な湿地の指定のための基準として使う可能性があることを認識していることを更に想起し、

本会議分科会Dでのオランダと南アフリカによる、魚類の生態における湿地の役割に関する発表を記録に留め、

締約国会議は

生物の多様性と漁獲量に関して、魚類にとっての湿地の重要性についての基準と指針を発展させ、それらが「漁業が湿地になんら悪影響を及ぼすものではないようにワイズユースの原則を考慮にいれる」よう勧告する。

締約国からの適切な専門家、協力機関、科学技術レビューパネルの協力を得て、魚類の生息地として、或いは沖合の漁場を含めた、稚魚の成育場として、国際的に重要な湿地を指定するにあたって使用される基準に関しての案をつくること、またそのような基準の採用のための指針を発達させることを条約事務局に指示する。

以上の業務の結果を事務局が第6回締約国会議に提出するよう重ねて指示する。


[和訳:『ラムサール条約第5回締約国会議の記録』(環境庁 1994)より了解を得て再録]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う]

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