Swan 琵琶湖水鳥・湿地センターラムサール条約ラムサール条約を活用しよう第6回締約国会議

ラムサール条約
モントルーレコード運用のガイドライン

(決議.1,ブリズベン,1996,付属書,第3節)

日本語訳:「ラムサール条約第6回締約国会議の記録」(1996年)より,了解を得て再録.

 英語   フランス語   スペイン語  (以上,条約事務局)    PDF  (環境省のインデックスページ)


決議.1:登録湿地の生態学的特徴の実用的定義と、生態学的特徴を記載し維持するためのガイドライン、およびモントルーレコードの運用のためのガイドライン

決議.1の付属書

登録湿地の生態学的特徴の実用的定義と、それらを記載し維持するためのガイドライン、およびモントルーレコードの運用のためのガイドライン

3. モントルーレコード運用のガイドライン

3.1. モントルーレコードは、生態学的特徴を損なうような変化がすでに起きてしまった、起きつつあり、または起こるおそれがある場合、それゆえ優先的な保全措置が必要とされる登録湿地に焦点を当てるための、基本的な仕組みである。それはラムサールデータベースの一部として維持され、また継続的な見直しの対象となる。

3.2. 登録湿地がモントルーレコードに含められるべきかどうかを考慮する際、以下の手続きが順守されるべきである。

3.2.1 締約国は、潜在的または実際の生態学的特徴の否定的な変化を理由に、対応措置や支援の必要性に対する注意を喚起するため、登録湿地をモントルーレコードに記載するよう求めることができる。別の方法としては、事務局はパートナー機関、他の国際または国内NGO、または他の関心を持っている組織から、否定的な変化が実際に起きているかまたはその可能性があるという情報を受けて、関係する締約国にこの情報に対する注意を喚起し、問題となっている登録湿地がモントルーレコードに含まれるべきかどうか問い合わせることができる。登録湿地は当該締約国の承認によってのみ、モントルーレコードに含めることができる。

3.2.2 条約事務局は、パートナー機関、他の国際または国内NGO、または関心のある組織から受け取った情報を、簡潔かつ自主的な質問表(下記の『モントルーレコード質問表』参照)とともに、締約国に送付する。この質問表は通常は、事務局に3ヶ月以内に返送されるものとする。しかし途上国と経済が移行段階にある締約国を考慮し、この締切の期限は柔軟にすべきである。

3.2.3 当該締約国の同意のもとに、「登録湿地の生態学的特徴の実用的定義とそれらを記載し維持するためのガイドライン」に沿った形で科学技術検討委員会の助言を求めるため、この質問表の回答は事務局より委員会に転送される。事務局は締約国の合意のもとに、質問表の回答をもともとの情報を提供した機関に送付する。もし締約国がこれに同意できない時は、事務局は当該締約国の決定を連絡する。

3.2.4 科学技術検討委員会による専門的な意見または助言は、事務局により締約国と、もともとの情報を提供してくれた機関(もしそれが締約国ではない場合)に送付される。

3.2.5 登録湿地がモントルーレコードに含まれるべきかどうかの決定も含め、どの様な措置を取るかを決める目的で、科学技術検討委員会の意見と助言を、事務局は当該締約国とともに論議する。適切な場合には、事務局との協議の上締約国によってなされた決定は、科学技術検討委員会と他の関心を持っている組織に通知される。

3.2.6 3年ごとの国別報告書の中で、モントルーレコードに含まれている登録湿地の保全状況について、締約国は条約事務局に報告を行う。もし必要ならば、事務局の求めに応じさらに情報を提供する。

3.3. モントルーレコードに掲載されている登録湿地の削除を考慮する際には、次の手続きが順守されるべきである。

3.3.1 モントルーレコードに掲載されている登録湿地を取り除く要求が、当該登録湿地をその領域内に含む締約国から条約事務局に提出される。あるいは、事務局は他の情報源から、登録湿地の生態学的特徴の変化の危険がもはやないことを示唆する情報を受け取る。

3 3.2 簡潔な質問表(以下の『モントルーレコード質問表』参照)を事務局は締約国に送付し、「登録湿地の生態学的特徴の実用的定義とそれらを記載し維持するためのガイドライン」に沿って助言を求めるため、その回答結果を科学技術検討委員会に送る。

3.3.3 委員会の専門的意見または助言と一緒に、科学技術検討委員会のさらなる情報の請求は事務局が締約国に送付する。また事務局は、他からの情報も求めることができる。

3.3.4 締約国から要請があった場合は、理想的には事務局の適切なスタッフ、科学技術検討委員会の地域出身メンバー、そして他の適当な専門家による登録湿地訪問を条約事務局は組織することができる。

3.3.5 科学技術検討委員会の助言と意見を考慮した後、締約国の要求に基づき問題となっている登録湿地はモントルーレコードから取り除かれる。最終的な決定は締約国によってなされるものとする。

3.3.6 当該締約国が反対しない限り、締約国が行った決定についての情報を事務局は他の関心を持つ組織に提供する。


[この決議には『モントルーレコード質問表』が添えられており,別ページに掲載されている。]


[英語原文:ラムサール条約事務局,1996.Ramsar Resolution VI.1 Annex, section 3 "Guidelines for Operation of the Montreux Record", March 1996, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/key_mr_guide_e.htm.]
[和訳:「ラムサール条約第6回締約国会議の記録」(奥田直久小林聡史 監修,東梅貞義 編集,釧路国際ウェットランドセンター 発行,1996年;環境省HP収録,2006年)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年8月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]

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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop6/about_mr_brisbane_j.htm
Last update: 2007/05/16, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).