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ラムサール条約 第7回締約国会議

決議.21 潮間帯湿地

日本語訳:環境庁,2000年[了解を得て再録].

 英語   フランス語   スペイン語  (以上,条約事務局)    PDF  (環境省のインデックスページ)


「人と湿地:命のつながり」
"People and Wetlands: The Vital Link"
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第7回締約国会議
1999年5月1018日 コスタリカ サンホセ

潮間帯湿地の保全と賢明な利用の促進

1.干潟、塩生湿地、マングローブ、藻場を含む潮間帯湿地が持つ、特に漁業、生物多様性、海岸保全、レクリエーション、教育、水質に関する重大な経済的、社会的、環境的価値を認識し、

2.世界中で相当数の人々の生活が、潮間帯湿地の生産性と価値に依存していることを意識し、

3.多くの割合の潮間帯湿地とその価値が、特に干拓埋立、持続可能でない水産養殖、汚染によりすでに喪失または劣化し、地域によっては干拓埋立の規模が増大し続けていることを憂慮し、

4.潮間帯湿地の生産性と価値に関して、科学的根拠が増えつつあり、またそれらに対する地域社会による認識が高まりつつあり、特に干潟においては近年それが顕著であり、地方や国レベルでは潮間帯湿地の保全と賢明な利用に関する経験や専門知識が急速に増加していることに留意し、

5.世界的なレベルでは、これらの経験と専門知識を共有し生かすための適当な機構がない状況にさらに留意し、

6.勧告5.1が締約国に東アジアの渡りの経路上の湿地をラムサール登録リストに追加指定し、特に干潟を追加登録することを求めるとしていたことを想起し、それにもかかわらず「国際的に重要な湿地のリスト」に潮間帯湿地がまだ少ないことに留意し、

7.勧告6.4は、渡り性水鳥とその生息地の長期的な保全に貢献するため、情報交換の分野において参加国が協力するよう強く要望していることをさらに想起し、多くのこれらの潮間帯湿地に依存している渡り性水鳥は地球的規模で絶滅のおそれがあり、しかし(そのような潮間帯湿地は)既存のラムサール登録湿地にはあまり含まれていないことに留意し、

8.すべてのアジア太平洋諸国を含んだアジア太平洋地域の渡り性水鳥の長期的保全の枠組みを提供する多国間協定の策定を支持するよう締約国に求める、ラムサール条約第7回締約国会議勧告7.3に注意を払い、

9.勧告6.7が、マングローブと藻場を含むサンゴ礁と関連した生態系のふさわしい地域を、「国際的に重要な湿地のリスト」に登録するよう求めていたことに留意し、

10.沿岸域での戦略的計画に関する勧告6.8が、沿岸域の湿地とその他の鍵となる環境要素の保全と賢明な利用に関して、健全な意志決定を求めていることにさらに留意し、

締約国会議は、

11.締約国が、過去に起きた潮間帯湿地の消失面積を記録し、現存する潮間帯湿地とその保全状況の目録を作成し、その結果を第8回締約国会議に報告するよう求める。

12.締約国が、条約事務局、国際団体パートナー、及び関係団体と協力し、潮間帯湿地の消失面積とその影響と、残っている潮間帯湿地を対象とした生態学的特徴を維持する助けとなる代替的開発戦略に関する情報の伝達を可能にする対策を策定するよう要請する。

13.締約国が、潮間帯湿地に悪影響を与える現在ある政策を見直し変更し、これらの地域を対象とした長期的保全策を導入するよう検討し、これらの取組の成功や、あるいは失敗であっても、第8回締約国会議向けの国別報告書の中で、それに関して助言するよう、要請する。

14.さらに締約国が、より多くの数と面積の潮間帯湿地と、中でも先住民や地域住民にとって重要な場所や、決議.11で推奨されている地球的規模で絶滅のおそれのある湿地の種の分布する場所を優先し、特に干潟を、国際的に重要な湿地として特定し登録することを求める。

15.さらに締約国が、海岸湿地に有害な非持続可能な活動の拡大や新規施設の設置や促進を、適切な研究と合わせてこれらの活動の環境的社会的影響評価を通じて、環境と地域住民と調和した持続可能な水産養殖のシステムを確立することを目的とした方策が見つかるまで、停止するよう求める。


「記録」表紙

[英語原文:ラムサール条約事務局,1999.Ramsar Resolution VII.21 "Enhancing the conservation and wise use of intertidal wetlands", May 1999, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/res/key_res_vii.21e.htm.]
[和訳:「ラムサール条約第7回締約国会議の記録」(環境庁 2000)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年6月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]


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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop7/key_res_vii.21j.htm
Last update: 2006/09/27, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).