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ラムサール条約 第7回締約国会議

決議.24 失われた湿地生息地等の機能の補償

日本語訳:環境庁,2000年[了解を得て再録].

 英語   フランス語   スペイン語  (以上,条約事務局)    PDF  (環境省のインデックスページ)


「人と湿地:命のつながり」
"People and Wetlands: The Vital Link"
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第7回締約国会議
1999年5月1018日 コスタリカ サンホセ

失われた湿地生息地等の機能の補償

1.多くの国で自然の湿地の総面積が依然として減少し続けていることに留意し、

2.これ以上の湿地生息地の喪失は、生物多様性をはじめ水質や洪水調節等に恩恵をもたらす機能に、国レベルまたは国際的レベルで悪影響を与えかねないことを憂慮し、

3.締約国に登録簿に掲げられている湿地の保全を促進し及びその領域内の湿地をできる限り適正に利用することを促進するため、計画を作成し、実施するよう要請するラムサール条約第3条1を想起し、

4.また、劣化した湿地の復元と湿地喪失の補償についての締約国の約束が含まれる「ラムサール条約施行の枠組み」に関する釧路宣言(決議5.1)を想起し、

5.効果的な湿地の保護には、3段階にわたって続くミティゲーション 訳注、すなわち影響の回避、最小化、補償の中でも、第一の選択肢は湿地の保全であり、後者は最後の手段でしかないことに留意し、

6.勧告3.3及び「賢明な利用の概念実施のためのガイドライン」(勧告4.10及び決議5.6)で定義される賢明な利用の概念に、提案された計画またはプロジェクトが合致するかどうかを判断するために、環境影響評価を計画策定上の決定に組み込むことを締約国に求めた勧告6.2を想起し、

7.欧州連合の加盟国は、生息地指令(92/43/EEC 1992年5月)により、評価結果が否定的であっても、公共の利益の優先という不可避の理由と代替策が無いという理由で、計画またはプロジェクトが実施されなければならない場合も、「ナチュラ2000」の全体的な一貫性を確実に守るため、あらゆる補償の手段をとらなければならないことに留意し、

8.米国は、その水質浄化法の規定、及び湿地の機能と価値全体で正味の損失は出さないと明言する政策により、避けられない湿地の喪失を補うためすべての実行可能な手段を取らなければならないことに留意し、

9.自然の湿地の喪失を補う上で傑出した役割を果たしうる、湿地の復元に関する勧告6.15を想起し、

締約国会議は、

10.締約国に対し、人間活動に起因する、湿地の機能、属性、価値の喪失、湿地の質と表面積との両方の喪失を補うためのすべての実行可能な手段を講ずるよう要請する。

11.締約国に対し、湿地の喪失を補償する規則を、国内の土地及び水の計画策定に関する政策に組み入れるよう求める。

12.また締約国に対し、湿地の喪失を補償するためには、同じ集水域内の類似したタイプの湿地で補うのが望ましいということを組み込むよう求める。

13.常設委員会に対し、科学技術検討委員会及びラムサール条約事務局と協力し、また国際団体パートナーと協議して、避けられない喪失が生じた場合のために、湿地生息地の補償基準とガイドラインを定め、これを第8回締約国会議での承認に備え提出するよう促す。


訳注 影響緩和


「記録」表紙

[英語原文:ラムサール条約事務局,1999.Ramsar Resolution VII.24 "Compensation for lost wetland habitats and other functions", May 1999, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/res/key_res_vii.24e.htm.]
[和訳:「ラムサール条約第7回締約国会議の記録」(環境庁 2000)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年6月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]


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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop7/key_res_vii.24j.htm
Last update: 2006/09/27, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).