Swan  琵琶湖水鳥・湿地センターラムサール条約ラムサール条約を活用しよう第8回締約国会議

ラムサール条約

決議.6:湿地目録の枠組み

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「湿地:水、生命及び文化」
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第8回締約国会議
バレンシア,スペイン,2002年11月18-26日


決議.6

湿地目録の枠組み

1.締約国が、「国の湿地政策の策定と実施を支援するものとして」自国の湿地目録を作成する必要性を述べた勧告1.5と、締約国がこの問題に関するガイドラインを採択した決議.6を想起し

2.締約国が、ラムサール条約の国際的に重要な湿地のリスト(ラムサール条約湿地リスト)への登録にふさわしい湿地を特定するうえで、国別目録の有する価値を認識した勧告4.6、決議5.3、決議.12及び「1997−2002年戦略計画」の行動6.1.2を同じく想起し

3.また締約国が、「1997−2002年戦略計画」の行動6.1.3及び決議.20において、地球全体の湿地資源の現状と傾向を評価する基礎としてこの資源を定量化するため、また再生にふさわしい湿地を特定するため、ならびにリスク及び脆弱性評価を行うために、ベースラインとなる湿地目録の重要性を認識したことを意識し

4.今回の締約国会議が、「湿地再生の原則とガイドライン」(決議.16)、「統合的沿岸域管理に湿地の問題を組み込むための原則及びガイドライン」(決議.4)、「十分に代表されていないタイプの湿地を国際的に重要な湿地として特定し指定するための追加手引き」(決議.11)、「ラムサール条約湿地及びその他の湿地に係る管理計画策定のための新ガイドライン」(決議.14)、及び「泥炭地に関する地球的行動のためのガイドライン」(決議.17)を採択したこと、また、国その他の規模で湿地目録を利用できることが、これらの手引きの実施にとって大いに助けとなることに留意し

5.国際湿地保全連合の「地球全体の湿地資源と湿地目録の対象となる優先事項に関する評価」(GRoWI)と題する報告書の結論、すなわちCOP7に対し示された、自国の湿地資源について国の包括的な湿地資源目録を作成した国が全くないか、あったとしてもきわめて少なく、また世界全体の湿地資源のベースライン情報を、自信を持って、提供することは不可能であるという報告のもとになった結論を想起し

6.国際湿地保全連合とオランダの陸水管理・廃水処理研究所の共同プロジェクトが、GRoWIの分析をすべてのヨーロッパ諸国に拡大して実施し、その内容を更新したことに留意し

7.内陸湿地、地下(カルスト)系、海洋沿岸系を含む地球全体の生態系の状態、現状及び傾向がミレニアム生態系評価(MA)によって評価されていること、そして今後それにリモートセンシングの新たな活用が加わることによって、全体的な湿地の分布と現状に関してより良い情報を提供できることを認識し

8.欧州宇宙機関の「地球観測技術を用いた条約実施支援」(TESEO)プロジェクトが、湿地目録、湿地の評価、モニタリング、管理、及び乾燥地生態系へのリモートセンシングの利用について評価を行っていることも同じく認識し

9.締約国会議が決議.20において、「国の包括的な資源目録、可能であれば湿地の消失や再生の可能性のある湿地を含めたものをまだ完成させていないすべての締約国に対し、・・・次の3年間にその作成を特に優先させるよう」要請したことを想起し、しかし今回の締約国会議の国別報告書において、国別湿地目録の作成を開始した、または部分的な目録があると報告した締約国は51か国にすぎず、包括的な目録を完成した締約国は29か国のみであったことに憂慮しつつ留意し

10.決議.20において締約国会議が科学技術検討委員会(STRP)に対し、国際湿地保全連合、ラムサール条約事務局その他の関係機関と協力して、リモートセンシングや低価格でユーザーが使いやすい地理情報システムの利用を含め、既存の湿地目録作成・データ管理モデルを見直し、さらに開発を進めるよう、また国際共通標準の推進を目的として、この見直しと開発の結果を第8回締約国会議(COP8)に報告するよう求めたことも同じく想起し

11.決議.20において、湿地目録データがある場合には、すべての意思決定者、利害関係者その他の関係者や関係機関が利用できるような方法で、この情報資源を格納し保存するよう締約国が決議したことを重ねて想起し

12.STRPによる湿地目録の詳しい手引きの作成に対し、英国及び米国の政府が財政支援をしたことに感謝し

13.国別目録を作成する各種手法が、一般に、地元や準国家的(県など)の規模や、国境を越えた国際的な規模にも応用できることを認識し

締約国会議は、

14.本決議に付属する「湿地目録の枠組み」を採択する

15.湿地目録を作成する場合には、目的や目標に応じて別々のアプローチや手法、湿地分類を当てはめるのが適切であること、ただし、本枠組みに定めるように、核となる(最小限の)データセットの収集に一貫性をもたせることで、共通標準を達成できることを認識する

16.国別の包括的な湿地目録をまだ完成させていないすべての締約国に対して、しっかりした湿地目録に立脚しなければならない活動(政策の策定やラムサール条約湿地の指定など)を可能な限り最良の情報に基づいて行えるようにするため、各国の目録が目的と目標に適切に沿って設計されるようにこの「湿地目録の枠組み」を活用して、次の3年間も引き続き目録作成を特に優先するよう強く要請する

17.国別湿地目録の作成に着手した締約国に対して、収集する情報と目録データに一貫性をもたせるために、既存の目録作成手法やデータ管理システムを応用すること、または調整して応用することを考慮するよう奨励する。既存の手法・システムには、地中海湿地フォーラム、アジア湿地目録その他の適切な方法論により開発された最新の目録作成手法などがある;

18.すでに湿地目録を作成した締約国に対して、印刷形式及び電子形式で、その湿地目録データを格納し保存する適切な方法を設け、可能ならばインターネットやCD−ROMによるものも含め、必要に応じてすべての意思決定者、利害関係者その他の関係者がこのデータと情報を利用できるようにすることを求める

19.湿地目録をすでに作成済み、あるいは現在作成中のすべての締約国その他に対して、「湿地目録の枠組み」に定める標準メタデータ記録を用いて、目録、そのデータ内容、管理、利用可能性についての情報を文書化し、この情報ができるだけ広く利用されるようにすることも同じく求める

20.ラムサール条約事務局及び国際湿地保全連合に対して、湿地目録・監視専門家グループと協力して、可能ならば湿地目録の標準メタデータ記録をインターネット上で提供し、それによって締約国その他が自国の湿地目録についての情報を報告し、他者にも全面的に利用可能なものとするよう、また国際湿地保全連合による世界の湿地目録の現状に関する情報の最新化を支援するよう要請する

21.締約国その他関係機関及び援助機関に対して、国際湿地保全連合に資源を提供するよう奨励する。この資源を受け、国際湿地保全連合は、COP7に提出された報告書「地球全体の湿地資源と湿地目録の対象となる優先事項に関する評価(GRoWI)」を他の関連機関と協力して見直し、かつ更新し、その見直しの結果を、決議.20の実施の進捗を含めてCOP9に報告する;

22.国際湿地保全連合、ラムサール条約事務局、リモートセンシング担当機関、その他の関係機関と協力して、リモートセンシング・データ、低価格の地理情報システム、及び湿地目録の分類法の利用についてさらに見直し、その検討結果をCOP9に報告するよう、STRP要請する

23.リモートセンシングや地理情報システムの利用の経験をはじめとして、湿地目録に関する研修と能力育成に経験のある締約国及びその他の機関に対して、「ラムサール研修の枠組み」が定められたならば、それを通じてこの専門知識を利用できるようにするため、国際湿地保全連合と協力するよう求める

24.二国間及び多国間の援助機関に対して、開発途上国及び市場経済移行国において、湿地の持続可能な利用を計画し実施する基盤を築くうえで、湿地目録プロジェクトが重要であることに留意し、そのような諸国における湿地目録プロジェクトの支援を優先するよう重ねて求める

25.締約国に対して、ラムサール小規模助成基金への湿地目録プロジェクトの提出を優先するよう要請する


付属書

湿地目録の枠組み

背景状況

1.決議.20(1999年)において締約国は、国の包括的な湿地目録が、政策策定、ラムサール条約湿地の特定と指定、湿地消失に関する文書の作成、再生の可能性のある湿地の特定(決議.16、.17も参照)など、湿地の賢明な利用を実現するうえで必要な多くの活動に欠かせない基盤として、重要であることを認識した。同決議はまた、河川流域や沿岸域内にあるものも適宜含めた、国境をまたぐ湿地の管理に関する情報の収集も奨励した(決議.18、決議.4も参照)。さらに、本条約の2003−2008年戦略計画の実施目標1は湿地の目録と評価を掲げ、それを遂げるための一連の具体的行動を示している。

2.国際湿地保全連合とオーストラリアの監督科学者環境研究所が1999年にラムサール条約のために作成した「地球全体の湿地資源と湿地目録の対象となる優先事項に関する評価」(GRoWI)では、自国の湿地資源について包括的な目録を作成した国がほとんどなく、国の湿地に関するこの基本的なベースライン情報が不足していることが指摘された。さらに第8回締約国会議(COP8)に提出された国別報告書には、湿地目録に関して十分な進捗が見られなかったことが示されている。

3.GRoWIの評価報告は、効果的でコスト効果の高い湿地目録を設計し実施するには目的と目標をはっきりと特定して宣言することが不可欠だが、既存の多くの目録では、こうした宣言がなされていたとしても十分なものではない、と結論している。

4.決議.20で締約国会議は、国の湿地資源目録をまだ完成させていない締約国に対し、包括的な資源目録の作成を最優先させるよう要請するとともに、ラムサール条約のSTRPに対し、現行の湿地目録作成・データ管理モデルを見直し、さらに開発を進めるよう要請した。こうしたモデルには、リモートセンシングや低価格でユーザーが使いやすい地理情報システムの利用も含まれる。

5.この「湿地目録の枠組み」は、決議.20への対応として、STRPがラムサール条約事務局、国際湿地保全連合、監督科学者環境科学研究所(オーストラリア)などの協力を得て作成したものである。これは、湿地目録計画を設計する際の標準的なアプローチについての手引きである。この枠組みは、利用すべき適切なリモートセンシング技術の選定に関する情報、湿地分類、既存の標準的な目録作成手法を含み、主要データフィールド、データ及びメタデータの記録に関する基準を推奨している。

6.この枠組みは、個々の湿地から県、国、地域に至るさまざまな規模で湿地目録を設計するための手引きである。計画に多量の資源を投入することができない限り、目録作成の詳細さの程度は、対象範囲の地理的面積が増すにしたがって減少するのがふつうである。

7.各目録に含まれるデータフィールドは、その目録の目的と規模に応じて決まる。核となるデータセットは最小限必要なものが推奨されるが、必要に応じてデータフィールドの追加もできるようにしておくことが望ましい。

8.本枠組みで用いる「目録」の定義は、1998年11月8日から14日までセネガルのダカールで開かれた「第2回国際湿地と開発会議」の「湿地目録、評価及びモニタリング:実用的技術、主な課題の特定」に関するワークショップ4で合意されたものである(Finlayson et al. 2001)。目録の定義、及びそれと密接に関連する概念である評価とモニタリングの定義を次に示す:

湿地の目録: 湿地管理に関する主要情報を集めたもの、または一定の順にまとめたもの。具体的な評価及びモニタリング活動のための情報基盤を含む。

湿地の評価: モニタリング活動を通じて個別情報を収集するベースとして、湿地の現状を特定すること、及び湿地に対する脅威を特定すること。

湿地のモニタリング: 評価活動から導きだされた仮説に対応して、管理の目的で特定の情報を収集すること、及び実際の管理にこれらのモニタリング結果を利用すること。(注:時系列データの収集を湿地の評価から導きだされた仮説によらずに行う場合には、決議.1に概説するとおり、モニタリングよりもサーベイランスという用語を使う)。

9.目録、評価、モニタリングは、それぞれ必要とする情報の種類が違うため、データ収集を計画する際には、この三者の区別を明確にしておくことが重要である。湿地目録は、適切な評価とモニタリングの展開を導くベースとなるが、所定の期間ごとに繰り返される湿地目録の作成は、「モニタリング」とはならない。

湿地目録の枠組み

10.湿地目録の計画策定と設計のための体系的枠組みを表1にまとめる。この枠組みは13のステップからなる。それぞれのステップが、目録の目的(及び目標)に応じ、また利用できる資源に応じて意思決定を行う際のベースになる。

11.この枠組みの全ステップは、どのような湿地目録でもその計画策定と実施に適用できる。したがって、設計と計画策定プロセスでは、ここに示すステップをすべて踏んで進めるべきである。この枠組みは個別の目録作成手法に対して規範的な手引きを提供するものではなく、湿地目録の作成を計画している締約国その他に対し、さまざまな状況においてすでに使用され有効性が実証された各種手法や湿地分類法を紹介することで手引きとするものである。

12.この枠組みは、個々の目録計画の置かれた状況に応じて湿地目録作成に関わる意思決定を行うときのベースになる。各ステップの適用の仕方に関する手引きが収められている。

表1.湿地目録の計画策定のための体系的枠組み

ステップ

手引き

1.目的と目標の宣言

目録を作成する理由、及び情報が必要な理由を述べる。これは空間規模と最小限のデータセットを選定する根拠となる。

2.既存の知見と情報の検討

発表及び未発表の文献を検討し、目録の対象とされる地域の湿地について、どの程度既存の知見と情報が利用できるかを決定する。

3.既存の目録作成手法の検討

利用できる手法を検討して専門家の技術的助言を求める。その目的はa)必要な情報の提供にふさわしい手法を選定し、b)適切なデータ管理プロセスが確実に設けられるようにすることである。

4.規模と解像度の決定

ステップ1で定めた目的と目標を達成するのに必要な規模と解像度を決定する。

5.核となる(最小限の)データセットの確定

湿地の位置、大きさ、及び特徴を示すのに十分な、核となる、あるいは最小限のデータセットを特定する。必要な場合にはこのデータに、湿地の生態学的特徴に影響する要因に関する追加情報、及びその他の管理問題に関する追加情報を補うことができる。

6.生息地分類の確定

世界的に承認されている分類は一つもないので、目録の目的に合った生息地分類を選択する。

7.適切な手法の選択

さまざまな手法の長所、欠点、費用、便益に関する評価をもとに、個々の目録に適した手法を選択する。

8.データ管理システムの確定

電子形式か印刷形式かの保管方法も含め、データの収集、記録、格納についての明確なプロトコルを定める。これにより、のちのユーザーは、データ源、その精度、信頼性を判断できるようになる。

この段階で、適切なデータ分析方法を特定することも必要である。すべてのデータ分析は試験済みの厳格な手法によって行い、情報はすべて文書化する。データ管理システムはデータ分析を制約するのではなく、その助けとなるものでなければならない。

メタデータベースは、a)目録のデータセットに関する情報を記録するため、及びb)データ保管ついての詳細とユーザーによるアクセスについての詳細をまとめるために、使用する。

9.時間的スケジュールと必要な資源水準の確定

次の事項に関する時間的スケジュールを確定する:a)目録の計画策定、b)データの収集、収集したデータの処理と解釈、c)結果の報告、d)計画の定期的見直し。

目録作成に使える資源の範囲と信頼度を確定する。必要ならば、資源不足が原因でデータが失われることのないように、緊急時対応計画も策定する。

10.実行可能性とコスト効果の評価

制度、財政、職員面での現行条件のなかで、結果の報告も含め、計画を実施できるかどうかを評価する。

データ取得と分析のコストが予算内かどうか、及び計画を完遂するための予算が得られるかどうかを判断する。

11.報告手順の確立

コスト効果の高い時宜にかなった方法で、すべての結果を解釈し報告する手順を確立する。

この報告は簡明簡潔なものとし、目標が達せられたかどうかを記載し、さらなるデータや情報が必要かどうかを含めて、管理行動に関する勧告を盛り込んだものとする。

12.検討・評価プロセスの確立

公的な開かれた検討プロセスを確立する。これは報告を含めたすべての手順の有効性を確保するため、また必要ならば、計画を調整したり終了するための情報を提供するためである。

13.パイロット調査の計画策定

使用する手法と専門機器を試験・調整し、作業に携わる職員に研修が必要かどうかを評価し、データの照合、収集、入力、分析、解釈の手段を確認する。特に、適切な「グランドトゥルース」サーベイによってリモートセンシングを確実にバックアップできるようにする。


ステップ1 目的と目標の宣言

13.湿地目録には、次のような複数の目的がある:

a)その地域内にある特定のタイプの湿地、あるいはすべての湿地を列記すること;
b)地方や国にとって重要な湿地や、国際的に重要な湿地を列記すること;
c)湿地に関係する生物分類群の存在と分布について記載すること;
d)泥炭、魚類、水などの自然資源の存在について記載すること;
e)湿地の生態学的特徴の変化を測定するためのベースラインを設定すること;
f)湿地の消失や劣化の程度と速度を評価すること;
g)湿地の価値に対する認識を高めること;
h)保全計画の策定と管理のための手段を提供すること;
i)湿地の保全と管理に向けて協力するための専門家のネットワークを構築すること。

14.目録には、その目的と目標に関して明確に記述しなければならない。そこには、対象とする生息地、必要な情報の範囲、時間的スケジュール、情報を利用する人を特定するものとする。

15.目的を明確に記述することは、目録作成に必要な手法と資源を決定するための役に立つ。

ステップ2 既存の知見と情報の検討

16.世界には、過去の調査から広範な湿地目録情報が蓄えられている地域も多い。また調査対象とされる地域内で、地理的に限られた部分、あるいは特定の湿地生息地や湿地生態系に限って、詳しいが局所的な目録が作成された場合もある。

17.貴重な情報がさまざまな形式で、またさまざまな組織によって、保有されていることもある(水鳥、漁業、水質、農業に関する情報基盤、地域住民の情報や知見)。

18.既存のデータ源を総合的に見直し、企画した目録作成作業との関連性を確認することが必要である。

ステップ3 既存の目録作成手法の検討

19.湿地目録の作成については、数多くの手法がすでに確立されている。そのうちで現在使われている5例を取り上げ、その特徴を添付文書にまとめる。添付文書にはその他の情報源を記載する。これらの手法に使われた技術と生息地分類は、いくつもの場所で応用され成功を収めている。

20.この検討段階では、すでに確立されている目録作成手法が、計画している目録の目的と目標に合致するかどうかを判定する。

21.目録作成手法のなかには、階層をリンクさせるアプローチもある。この方法の場合には、複数の目的を掲げて、そのそれぞれに別々の空間規模の目録を設計することができる。

22.多くの目録は地勢調査に基づいて作成されてきた。地勢調査は、航空写真や地形図、そして最近では衛星画像の助けを借りていることが多い。地理情報システム(GIS)が発達し、衛星画像の解像度が向上したおかげで、空間データがいっそう利用されるようになっている。

23.添付文書に、GISでの利用など特定の目的にとって、リモートセンシングで得られるデータセットのどれを使うのが最適かを決定する手順を示す。現在利用できるリモートセンシングのデータセットで、湿地目録に利用できるものを添付文書にまとめる。

ステップ4 規模と解像度の決定

24.どのような空間規模で湿地目録を作成するかは、その目標と密接に関係しており、用いる手法の選択にも大きく影響する。

25.これまでに作成された湿地目録の空間規模はさまざまであり、それぞれの規模ごとに特定の目標が設定されている。どのような規模にするかを選ぶときには、まず目標を決めてから、選択する規模でどのようにそれを達成できるかを評価することが必要である。

26.階層を用いた方法の場合、湿地目録に適した規模は次のとおりである:

a)大陸内の湿地地域。縮尺1:1,000,000〜250,000の地図による;
b)各地域内にある湿地群。縮尺1:250,000〜50,000の地図による;
c)各湿地群に含まれる湿地。縮尺1:50,000〜25,000の地図による。

27.どのような規模を選択するかは、対象となる場所の地理的な面積や必要な精度、そして利用できる資源で達成できる精度に関係する。

28.それぞれの規模に応じ、容認できる最低の精度を示す最小マッピング単位が必要である。これを決めるにはまず、その規模において容認できる基準ではっきりと線引きできる特徴の最小サイズを決定し、次に、その単位を明示する精度や信頼性を表すのにどのような尺度が必要かを決定する。たとえば、1:250,000の縮尺で作られた地勢図では、通常、600ヘクタールごとに1回、地上観測を行う。

ステップ5 核となる、あるいは最小限の、データセットの確定

29.対象となる湿地を記述するのに十分な、核となる、あるいは最小限のデータセットを決定する。このデータセットをどの程度詳しいものにするかは、目録の複雑さと空間規模と密接に関係している。

30.少なくともある時点での主な湿地生息地を線引きして特徴付けができるように、十分な情報(核となる、あるいは最小限の、データセット)を収集することが望ましい。

31.核となるデータは、二つの要素に分けられる:

a)湿地の生物物理的特徴を示すもの;
b)湿地の主な管理特性を示すもの。

32.生物物理的データだけを核として目録を作成するか、それとも管理特性のデータを含めて作成するかは、個々の優先順位やニーズ、資源に応じて決定する。管理特性データは、そのまま評価に使える情報を提供するかもしれないが、より広範なデータの収集と分析が必要になるだろう。この情報を加えることで、湿地の線引きと特徴付けに十分な情報を得るという主目的からはずれることのないよう、注意が必要である。

33.湿地の生物物理的特徴と管理特性に関する核となるデータフィールドで、収集することが望ましいものを表2にまとめる。

表2.湿地の生物物理的特徴と管理特性に関する核となる(最小限の)データフィールド

生物物理的特徴

湿地の名称(湿地と集水域の正式名称)

対象地域の範囲と境界線(大きさとその変動、範囲とその平均値)

位置(投影システム、地図座標、地図のセントロイド、海抜)

地形の状況(湿地が景観の一部になっている場合には、他の水生生息地や生物地理区との関係)

全体的描写(形、断面図、平面図)

気候:気候帯と主な特徴

土壌(構造と色)

水環境(water regime)(周期性、洪水の範囲と水深、地表水の水源、地下水との関係)

水の化学的性質(塩分濃度、pH、色、透明度、栄養塩類)

生物相(植生帯と構造、動物の個体数と分布、希少種や絶滅危惧種など特筆すべき特徴)

管理特性

土地利用:地元における、また河川流域、沿岸域のもの

湿地にかかる圧力:湿地内部、河川流域内、沿岸域内におけるもの

土地の保有権、担当行政機関:湿地について、河川流域や沿岸域の重要な部分について

湿地の保全状況と管理状況:湿地の管理に影響する法律文書及び社会的または文化的伝統

生態系の価値と湿地から得られる便益(財とサービス):産物、機能、特質(決議.1参照)、可能ならば、人間の安寧に果たす公益的機能(決議.23、.8を参照)を含める

管理計画とモニタリング計画:湿地、河川流域、沿岸域で現在実施中のもの、及び計画中のもの(決議5.7、.1、.17、.14を参照)

 一般にこれらの特徴は、地形図やリモートセンシングによる画像、特に航空写真から導きだすことができる。


ステップ6 生息地分類の確定

34.現在使われている湿地の定義や分類は、国によってさまざまである(添付文書)。これらは、各国の必要に応じて作成されたものであり、主な生物物理的特徴(一般的には植生、地形、水環境など。ときには塩分濃度のように水の化学的性質も含む)と対象とする地方や地域における湿地の種類や大きさが考慮されている。

35.国別湿地目録の分類法として、ラムサール条約湿地分類法(決議.5)が次第に利用されるようになっている。だが最初にこの分類法が作られたときには、これが目録用に使われるとは予測していなかった。そのため、湿地目録の生息地分類法としての有効性を慎重に評価する必要がある。ラムサール条約湿地分類法は、国際的に重要な湿地に指定される湿地について、生息地としての基本描写をするものとしては価値がある。だが、現在多くの湿地目録では、湿地生息地がさまざまな形式やレベルで記述されており、この条約の湿地分類法がこうした湿地生息地のすべての記述にそのまま対応しているわけではない。

36.湿地を特定するような基本的特徴(地形と水環境)に基づいた分類は、他の特徴に基づいた分類に勝るとみなされている(決議.20)。このような分類における地形と水環境の基本類型は、植生、土壌、水質、大きさといった他の湿地特性を表す修飾因子で補うことができる。

37.法律で義務付けられた分類法が国によって異なることもあり、ある一つの分類法が全世界共通のものとして受け入れられることはないだろう。したがって、分類法は目録の目的に合ったものを選ぶべきである。個々のニーズに合った分類法を知るには、核となる生物物理的データとして収集が推奨されているもの(表2)を使うとよい。

ステップ7 適当な手法の選択

38.利用できる目録作成手法は数多くある(添付文書などを参照)。どの手法が目録作成に適しているかを評価するには、提案されている目録作業の目的と目標に照らして、個々の選択肢の長所と短所を知る必要がある。このことは、リモートセンシング・データを使う場合に、特に必要である(添付文書を参照)。

39.一つの目録にとって、どのリモートセンシング・データが一番役に立つかを判断できるように、添付文書に簡単な決定樹を示す。この決定樹には、どのデータが最適かの判断を助ける6つのステップがある。決定樹は図でも表されている。リモートセンシングを検討する場合には、リモートセンシング・データの検証に必要な「グランド・トルース」サーベイの範囲を評価することが重要である。

40.可能な場合には常に、物理化学的及び生物学的サンプリングを行う。これは十分に文書化され、公表された形式で簡単に入手できる実験室手法と実地手法を用いて行う。実際に使われている、受け入れることのできる手法は、さまざまものがある。使用した手法の書誌情報の詳細を記録し、標準手順から離れた場合にはかならず、その根拠をはっきりと示して文書化する。

41.原則として、選択した目録作成手法は、使える時間、資源、及び地形の制約のなかで必要なデータが確実に得られるような、しっかりした手法でなければならない。適当な手法がない場合には、専用の手法を開発または特定するために、きちんと方向を定めた研究を行う必要がある。

42.低価格のGISプラットフォームがますます利用しやすくなり広く使われていることに留意し、空間データの管理には、特に地理情報システム(GIS)を使用することが推奨される。

ステップ8 データ管理システムの確定

43.データベースと地理情報システムの利用拡大により、大量のデータを格納して表示できるようになったが、データをしっかりと管理し、簡単にアクセスできる形式で格納しておかない限り、この能力は十分に発揮されない。

44.起こりうるデータ管理上の問題は、電子形式または印刷形式でデータを保管することを含め、データの収集、記録、格納についての明確なプロトコルを定めることで解消できる。プロトコルを定めれば、のちのユーザーが、データ源、その精度、信頼性を判断できるようになる。プロトコルまた、データや情報の効果的な記録や報告を確実に行えるようにする。

45.データ管理システムはデータ分析を支援するものである。あらゆる分析手法の詳細はデータとともに記録し、すべてのユーザーに利用できるようにする。これには、統計的手法とデータに関する前提条件の詳細も含まれる。

46.さらに、個々の目録のデータセットに関する基礎情報を記録するため、メタデータベースを使用する。このメタデータ記録には、データの種類に関する記述と、データ保管者とアクセスについての詳細を含める。特に湿地目録の記録用に標準のメタデータ様式が開発された(添付文書)。この目録用メタデータ標準の利用についての詳しい手引きは、ラムサール事務局から発行される予定である。

47.メタデータとデータの保管、所有及びアクセスに関する一般的な優良実践方法の手引きは、生物多様性保全情報システム(Biodiversity Conservation Information System 2000)用に作成されたハンドブックでも読むことができる。

48.メタデータ記録はデータ管理システムの不可分な一部分とし、データファイルがすでに格納されていたとしても、それと切り離されたものとして扱ってはならない。

ステップ9 時間的スケジュールと必要な資源水準の確定

49.目録作成の計画策定、データの収集、目録作成中に収集したデータの処理と解釈に関する時間的スケジュールを決定する必要がある。現地サンプリングが必要な場合にはこの決定が特に重要であり、地形の特徴とサンプリング方法を考慮したサンプリング用スケジュールが必要になる。

50.スケジュールは現実的なものとし、資金や資源に関する確固とした決定のもとに立てられるものとする。これにより、目録作成の範囲と期間が決まる。スケジュールには目録作成のための準備期間も含める。特に、専門家を集めてチームを作る必要があるとき、そして広範な背景調査や検討を行わなければならないときには、準備期間を設ける必要がある。

51.目録の性質と作成期間を最終的に決めるのは、目録作成に使える資源の範囲と信頼度である。適切な職員を確保し訓練するための資金、及び現場で用いる機器やリモートセンシング・データなどの適切な技術資源を入手するための資金調達について確認し、必要なときに確実に調達できるようにするための措置を講じる。

ステップ10 プロジェクトの実行可能性とコスト効果の評価

52.手法を選択して時間的スケジュールを決定したら、プロジェクトの実施が可能かどうか、またコスト効果が高いかどうかを評価する必要がある。この評価は、本質的に、時間的スケジュールとコストを含めた全体的な目録作成方法を検討することである。

53.プロジェクトの実行可能性とコスト効果に影響する要因には以下が含まれる:

· 研修を受けた職員の採用可能性;
· サンプリング現場へのアクセス;
· サンプル収集用またはサンプル分析用の機器の入手可能性と信頼性;
· データを分析し解釈する手段;
· データとデータから得られる情報の有用性;
· 時宜にかなった報告を行う手段;
· プロジェクトの継続に対する財政面、物質面での支援。

ステップ11 報告手順の確立

54.湿地目録で得られた結果は記録して、コスト効果の高い時宜にかなった方法で報告する。この記録は簡潔なものとし、その計画や類似の調査に関わった人々が容易に理解できるようなものにする。必要ならば、その目録から作成された他の文書と相互に参照できるようにする。

55.データが将来においてさらなる分析に役立つ可能性があることに留意するべきである。関係する分析者は、データ記録に常にアクセスし解釈もできるものとし、将来、分析をする場合の有用性に対する制約について知っておくものとする。この意味で、報告手順にはメタデータベースと保管データへの参照情報を含めるものとする。

56.目録に関する報告は所定の間隔で作成する。この報告は簡明簡潔なものとし、目録の目的と目標が達せられようとしているかどうか、データ利用上の制約があるかどうか(繰り返しの不足など、サンプリング方式に変更がある、精度に問題があるなど)を記載する。

57.核となるデータは、使用した手法の詳細とともに適当な形式で関係団体が入手できるようにする。報告には収集したデータを記載することができ、また、さらなる目録作成やデータ収集、また管理行動のための勧告を含めることができる。

58.それと同時に、目録のメタデータ記録を作成し、標準形式を用いて中央ファイルに追加する。

59.すべての報告は、電子形式及び印刷形式により、できるだけ短期間のうちに関係者や関係機関などに利用できるようにする。

ステップ12 目録の検討・評価プロセス

60.進捗状況を振り返って検討し、サンプリング方式、データ管理、計画の実施について調整することが目録作成の全期間を通じて必要となることもある。検討・評価プロセスは、目録の計画策定と設計段階の一つとして整備し合意しなければならない。検討手順には、変更を加えた場合にはそれを記録し、目録に携わる全員に知らせるよう定めるものとする。

61.同じく検討手順では、目録作成の終了時点、または所定の期間の後に、全体的なプロセスを再検討し、必要な修正を加え、それを記録することも定めるものとする。評価手順は、サンプリング方式やデータの質に関する必要情報も含めて、目録の長所や短所の両方を示すように設計する。

62.この評価は、継続的な資金供与を要請する根拠を示すのにも使うことができる。目録作成が成功し、その目的と目標を達成したなら、その旨をはっきりと明示して計画全体を終了する。逆に、目的と目標を達成していない場合もその旨をはっきりと明示し、続行すべきか(おそらく形式を変更して)中止すべきかについての提言も加える。

ステップ13 パイロット調査の計画策定

63.目録作成に着手する前に、パイロット調査を行うことが不可欠である。このパイロット調査は、時間的スケジュールと、選択した手法で行う個々のステップへの、確認や変更を行うための仕組みとなる。またこの試験のときに、すべての職員の個々の作業計画を作成する。

64.パイロット調査の段階では、全体的な手法と個々のステップとの微調整を行い、使用する手法とサンプリング方式の基本的な前提条件について試験を行う。専門的な現場機器のテストも行い、必要ならば実際の経験に基づいて修正を加える。パイロット調査は研修の必要性についても評価する。パイロット調査に要する時間と労力は事例ごとに大きく異なる。スケジュールや目録の設計に改良を加えようとするときにこの試験の重要さが示される。

65.パイロット調査は、湿地目録作成にとりかかる前の最終ステップである。パイロット調査中に得た教訓は、目録作成手法に加えておく。

目録作成の実施

66.上記枠組みの全ステップを踏み、手法について合意したなら、ある程度の自信をもって目録作成にとりかかることができる。重要なことは、この自信は、適切なパイロット調査を実施したこと、そしてサンプリングとデータ管理プロトコルの一つ一つをすべて確認したことによって生まれるということである。合意されているプロトコルに変更を加えた場合にはすべてそれを記録し、必要ならばそれについて議論して正式に承認する。

67.完全な目録の作成を目指して行うデータ収集が、目録作成に使える時間と資源のほとんどを費やすものと考えた方がよい。本枠組みに設けられたステップは、手法全体の発展の手引きとなり、目録を手際よく作成できるように設計されている。

68.目録作成中に収集されたすべてのデータは、合意されたデータ管理システムに収める。このシステムには、印刷及び電子的なファイル・記録を含めることができる。データ記録が安全に保管され、そのコピーが安全な場所に保管されるための措置を講じる。

69.本枠組みに盛り込まれたステップは、限られた資源でそれぞれの目的に向けた目録作成プロジェクトを設計する土台にはなるが、その目録が効果的なものになることが保証されているわけではない。それを達成できるのは目録作成に携わる職員だけである。この枠組みでは、手法を支えるものとして、必要な研修や緊急時対応計画も含めた手法の概要を提示する。

70.本枠組みに盛り込まれたすべてのステップが必要なものであることを強調しておかなければならない。パイロット調査は、主要なサンプリングの開始前に重要なフィードバックを行い、目録をさらによいものにする機会であるが、このパイロット調査のステップと同様に、検討・評価のステップは進捗について重要なチェックを行い、また目録の調整を行ったり、作成の中止さえするための正式な機会である。


添付文書

目録作成手法

71.標準化された目録作成手法がすでに存在し、さまざまな国、地域、そして状況のなかで利用され成功を収めてきた。中でも注目すべきものは地中海湿地フォーラムの目録、米国魚類野生生物局の全国湿地目録、ウガンダ全国湿地目録、アジア湿地目録、エクアドル全国湿地目録である。

72.以下、上記の目録を取り上げ、本枠組みの13のステップそれぞれについての特徴をまとめる。これらの目録を選んだ理由は、主として既存手法の要素を広く含んだ総合的な事例とみなされるためだが、場所、目的、規模の違いに従って使うことのできるアプローチの違いを、わかりやすく示す例だからでもある。地方や国のニーズに合わせて、さまざまな手法や湿地分類法が必要であることを強調しておく必要がある(添付文書も参照)。この点についても以下の例で示す。

地中海湿地フォーラム目録

73.この目録は地中海地域の目録作成を目的としたものであり、標準的ではあるが柔軟性にも富んだ手法とツールの集合であり、データ管理用のデータベースも含まれている。地中海全体を対象として作られた湿地目録ではないが、この目録のアプローチは、地中海諸国数か国のほか他の国でも採用され、適合させて使われている。

1.目的と目標

地中海諸国のどこに湿地があるかを特定すること。優先して保全すべき湿地を明らかにすること。湿地ごとに価値と機能を特定すること。将来の変化を測るためのベースラインを提供すること。計画策定と管理のための手段を提供し、湿地同士を比較できるようにすること。

2.情報の検討

地中海地域その他の専門家による諮問機関との協議プロセス。この諮問機関が、経験、他の目録から得た知見、ラムサール条約の湿地の管理に関するさまざまなガイドラインを検討した。

3.手法の検討

欧州の他の地域、米国及びアジアで使われているデータベース作成手法を検討。主な検討点は、コリーヌ・ビオトープ・プログラムなど、欧州で使われている湿地データベースとの互換性。この手法は、単純なデータフォーマットと複雑なデータフォーマットの両方を組み込むように設計。

4.規模と解像度

河川流域、湿地、生息地を対象に、複数の規模を採用。

5.核となるデータセット

河川流域、湿地(名称、位置、描写、価値、状況)、生息地、植物、動物、活動とその影響、気象データ、文献などに関する標準データシートを確立。

6.生息地の分類

大まかな分類にはラムサール条約の分類を使うことができる。湿地に関する詳しい情報については、米国の全国湿地目録の分類を修正したうえで利用。

7.手法

5つのステップに分かれる。)対象湿地の選定、)地図作成法やリモートセンシング及び現場評価による対象湿地の特定、)生息地の分類、)データ収集、及び標準データシートとデータベースによるデータ管理、)標準的な従来方法による地図作成。

8.データ管理

標準データベースに基づく。このデータベースは、当初 MS-DOS での FoxPro によって作成され、2000年の更新は Microsoft Access で行われた(注:2002年に更新されるデータベースには Microsoft Visual Basic が使われ、マッピング・GIS機能が備わっている)。

9.時間的スケジュールと資源

目録の複雑さによる。簡単な目録は少ない資源でできるが、詳しい目録ならば人材も資金も多く必要になる。

10.実行可能性とコスト効果

地上でのパイロット調査を前にフランスでプログラムを評価。目録作成に利用できる資源に応じた柔軟なアプローチを備えていることで、プログラムの実行可能性が確保される。

11.報告

情報を格納する標準化されたデータシートとデータベースのため報告は容易である。報告専用の様式を決めて組み込み可能。

12.検討・評価

目録作成の取組と、この手法を使った目録からの情報利用面での進捗を評価し、必要に応じて情報と手法を最新化するために、目録作業部会を設置。

13.パイロット調査

ポルトガル、モロッコ、ギリシア、スペイン、フランスで実施。

文献その他詳しい情報

Costa, Farinha, Tomas Vives & Hecker 1996 & 2001; Hecker, Costa, Farinha & Tomas Vives 1996.
http://www.wetlands.org/pubs&/wetland_pub.html


米国の全国湿地目録

74.長期にわたる国の計画により、地図ベースの目録を作成するための分類と手法が開発された。

1.目的と目標

湿地に関する計画策定、規制、管理、保全に利用するために、湿地に関する自然資源目録を作成すること。

2.情報の検討

湿地の保護がどのような状況にあるかを判断するために、湿地調査と目録の対象範囲を検討し、かつ、湿地の地図の入手可能性を検討。

3.手法の検討

既存の湿地目録を検討し、かつどのような目録作成手法が用いられているのかを特定するために州及び連邦の政府機関と協議。

4.規模と解像度

縮尺1:80,000または1:40,000の規模で地図を作成。

5.核となるデータセット

生息地の分類と州別標準地図作成に必要な情報に沿って、標準化されたデータ収集が行われている。

6.生息地の分類

生態学的な単位を記述し、かつ概念と用語の統一を図るために、目録の主要部分として階層式の分類が設定された。

7.手法

赤外線カラー航空写真の解釈に基づく。写真の縮尺は当初1:24,000であったが、最近は1:40,0001:80,000である。マッピング単位は地域によって、また湿地の識別しやすさによって異なる。手法は現場チェックと写真の立体解析を含む。他のリモートセンシング方法も試験中。

8.データ管理

地図とデジタルデータはインターネットアドレス www.nwi.fws.gov から入手可能。データは ARC-INFO を使った地理情報システムで解析。

9.時間的スケジュールと資源

現在実施されている計画は1974年から開始。地図は必要に応じて、また資金が得られたときに更新。

10.実行可能性とコスト効果

この大規模な計画には多額の資金がつぎこまれ、今や米国の大部分について地図が作成されている。主要な地域に関して有効で代表的な数値を提供するために、統計面での設計も組み込まれた。

11.報告

統計的サンプリングに基づいて、全国の湿地の傾向を定期的に発表。マッピングの対象は法律によって定められており、この法律は定期的に改正される。

12.検討・評価

目録の見直しは定期的に行われ、その結果の評価と新たな目標と優先事項の設定が行われている。

13.パイロット調査

大規模な手法開発段階を経た後に、目録は実施可能と判断された。目録の土台になる分類法については、現場で広範にわたる試験が行われた。

文献その他詳しい情報

Cowardin, Carter, Golet & LaRoe 1979; Cowardin & Golet 1995; Wilen & Bates 1995.
www.nwi.fws.gov


ウガンダ全国湿地計画

75.現在、全国湿地計画が行われており、目録作成はその計画の一部である。目録作成は標準様式を用いて主として地域ごとに実施され、研修を含んでいる。

1.目的と目標

すべての湿地を調査し、記述し、定量化し、その地図を作成するとともに、特に地域レベルの意思決定者と計画策定者に対して、管理計画策定のための情報を提供すること。政策の実施を支援すること。経済的評価を支援すること。全体的な自然資源管理計画策定を支援すること。

2.情報の検討

目録作成に着手する前に、文献を検討。

3.手法の検討

目録作成に着手する前に、手法について検討。

4.規模と解像度

全国をカバーする縮尺1:50,000のSPOT画像を使用。

5.核となるデータセット

湿地の名称、地域、位置、全体的記述、季節性、生物相(植生のタイプ、生息する動物)などの生物物理的データ。及び土地利用、土地の保有権、保全状況、価値、脅威に関するデータをカバーする管理データ。

6.生息地の分類

地形、水環境、植生から導いた。

7.手法

地理情報システム(GIS)に基づく地図解析。リモートセンシングによるデータ、それと同等の縮尺(1:50,000)の地形図、地勢調査に基づく。標準データシートを使用。すべての湿地をコード化。手法は湿地目録ガイドに文書化。活動は地域ベースで行われ、その地区で任命された職員が現場作業を実施し、報告書の作成にあたる。

8.データ管理

標準化された現場データシートに基づいて、Microsoft Access によるデータベースをコンピュータで作成。このデータベースは、湿地コードを用いて ArcView 地図データベースにリンクする予定。二つのデータベースを連結、全国湿地情報システムを形成する。このシステムはすでに開発されて、データ入力が行われている。

9.時間的スケジュールと資源

継続的なプロセスであり、定期的に更新。ウガンダ全国湿地計画にはいくつものパートナーがおり、援助機関からの出資を受けて行われている。目録作成はこの計画の主な取組の一つである。

10.実行可能性とコスト効果

実行可能性はパイロット調査で評価。コスト効果は、湿地系の複雑さ、評価する地域の範囲、リモートセンシング画像の利用可能性と能力によって異なった。

11.報告

報告が簡単にできるように、データベースへの情報格納には標準化されたデータシートが使われた。個々の報告は地方レベルで作成された。それが一本化されて全国湿地目録ができあがる。

12.検討・評価

外部の専門家数名と協議して、プロジェクトの枠内で実施された。

13.パイロット調査

数か所の湿地で行われてから、他の地区の湿地でも行われた。

文献その他詳しい情報

National Wetlands Programme 1999; Pabari, Churie & Howard 2000.
www.iucn.org/themes/wetlands/uganda.html


アジア湿地目録

76.この目録の作成手法は、「地球全体の湿地資源と湿地目録の対象となる優先事項に関する評価(GRoWI)」と題する報告書と決議.20に示された勧告への対応として開発された。この手法は、4つの空間規模で実施できる階層を採用している。また、オーストラリアで作成されたプロトコル素案に概ね基づいており、パイロット調査は日本で行われた。その成果として、マニュアルが作成された。

1.目的と目標

アジアの沿岸湿地及び内陸湿地について、階層式データベースを提供すること。

2.情報の検討

ラムサール条約の実施した湿地目録の広範な地球規模の検討のなかで行われた(決議.20参照)。

3.手法の検討

ラムサール条約のために実施された湿地目録の広範な地球規模の検討のなかで行われ、マニュアルの作成を通じて改良。

4.規模と解像度

複数の規模による階層式アプローチを採用し、次の4つのレベルで解析:レベル1は縮尺1:10,000,0001:5,000,000、レベル2は1:1,000,0001:250,000、レベル3は1:250,0001:100,000、レベル4は1:50,0001:25,000

5.核となるデータセット

複数の規模による階層式アプローチの各解析レベルにおける最小データは次のとおり:

レベル1:河川流域の大まかな地質、土地被覆、気候;
レベル2:湿地地域の地質、地形、気候;
レベル3:湿地複合体に関する水環境、気候、地形に関する詳細及び物理化学的、生物学的な詳細;
レベル4:レベル3による湿地の記述に加え、管理課題及び管理手順に関する情報。

6.生息地の分類

地形と水環境に関する最小データをもとに、可能な場合には植生、地域の面積、水質に関する情報で補って分類。

7.手法

リモートセンシングによる画像と地図を使い、それを地勢調査で補強して、GISに基づいた地図を解析。地勢調査は、レベル3と4で主に行われる。各解析レベルごとに、所定のデータシートと合意されたコードを使ったデータフィールドが利用できる。

8.データ管理

データ管理システムは、インターネット、ユーザーとデータのインターフェース、及び地理情報システムの機能を搭載したデータベースエンジンを中心に構築。この管理システムが、プロジェクトのデータ管理、データ格納、データ取り出しを行う。システムの基盤は、MS Visual BasicAccess 97 を使った Windows プラットフォームである。インターネットのホームページがデータ収集や発表のための拠点、及び議論の場となっている(www.wetlands.org/awi)。

9.時間的スケジュールと資源

継続的なプロセスであり、国や地方の分析によって得られた情報を定期的に更新。このプロジェクトは、国際湿地保全連合とそのパートナーの地域別の構造に基づいて委譲された。

10.実行可能性とコスト効果

実行可能性は、プロジェクトの会合の際と、目指した成果物をしめさなければならない資金申請書の提出の際に評価。コスト効果は、評価される地域の範囲、既存の目録情報、地図、リモートセンシング画像により差があった。ラムサール条約の湿地目録に関する検討では、多くの目録作成が、目標が高すぎたり、厳しいデータ管理や報告手順を採用しなかったりしたために目的を達成できていなかったという検討結果が出ていたが、本手順はこの検討結果をもとにすべての点に対処。

11.報告

報告が簡単にできるように、データベースへの情報格納には標準化されたデータシートを使用。個々の報告が委譲されたプロジェクトから提出され、必要に応じて国際湿地保全連合がそのコピーをホームページに掲載(www.wetlands.org/awi)。

12.検討・評価

2001年11月30日にオランダのワーヘニンゲンで開かれた国際湿地保全連合のセミナー「変わりゆく世界の湿地」の際に行われた。

13.パイロット調査

日本の北海道釧路湿原で実施され、GISフォーマットの地図が作成された。

文献その他詳しい情報

Finlayson, Howes, Begg & Tagi 2002; Finlayson, Howes, van Dam, Begg & Tagi 2002.
www.wetlands.org/awi/


エクアドル全国湿地目録

77.この湿地目録は、エクアドルでのラムサール条約実施と湿地の賢明な利用を支援することを目的としており、環境省、ラムサール条約事務局、エコシエンシア財団によって作成され、近々完成する予定である。

1.目的と目標

管理と保全を行うべき湿地の特定、特徴の描写及び優先順位設定を通じてエクアドルの湿地の保全を支援しつつ、エクアドルの湿地内の世界的に重要な生物多様性の管理を助けるための情報を提供すること。

2.情報の検討

湿地の特定と状況に関する文書で公表されたもの、インターネット上に掲載されているもの、大学や研究機関が所有しているもの、国内のワークショップで発表されたものを検討。

3.手法の検討

カナダ、ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチンの一部地域で使われている目録作成手法を検討。どの手法もエクアドルで使うには限界があると考えられた。たとえば、必要な資源・能力がエクアドルにとって膨大過ぎること、国内でほとんど背景情報が得られないこと、生態系(集水域)規模のアプローチが不足していたこと、二次的な情報源にしか頼れないことなどであった。

4.規模と解像度

縮尺1:50,000で情報を収集。一部の湿地はこの縮尺の地図を使うには大きすぎたため、大きな湿地については別の縮尺で示される。それらをデータベースで保管する情報には1:50,000の縮尺を利用。

5.核となるデータセット

データは、5つの基本的な判定基準を含む二次マトリクスを使って収集され、それぞれ、一連の変数を分析して検証された。社会的、経済的、動物学的、植物学的、湖沼学的、生態学的(水界生態系、陸上生態系を含む)な特徴に関する情報が収集された。

6.生息地の分類

エクアドルで使われている既存の2種類の分類法により生息地を分類。

7.手法

手法は次のステップを含む。リモートセンシングを使った情報収集。数値マトリクスによるゾーンの検証と線引き。聞き取り調査による湿地の社会経済的側面と生態学的側面に関する情報の収集。公刊されている情報の検討。湿地の生態学的及び社会的側面に関する主なデータの生成。データは地形レイヤーを含むGISに入力し、対象集水域内の湿地に対して望ましい土地利用戦略と管理が作成できるようにした。

8.データ管理

地図作成情報は、地理情報システム部門により管理されている。その他の情報はそれぞれの研究者によりデジタル形式で保管されている。湿地の写真のデータベースも保管されている。

9.時間的スケジュールと資源

プロジェクトは1996年に開始され、2州でパイロット調査が行われた。全国的な目録は2002年7月に完成する予定だったが、資金的な理由から2003年初頭に延期された。プロジェクト期間7年にわたったプロジェクトのコストは総額100万米ドルで、ラムサール事務局、世界銀行、地球環境ファシリティー、マッカーサー財団、エクアドル政府が供与した。

10.実行可能性とコスト効果

実行可能性とコスト効果についての評価は、世界銀行の追加コスト評価手順を用いてプロジェクト開発段階に実施。

11.報告

報告書が出版され、データはGISデータベースに電子的に保管される予定。

12.検討・評価

世界銀行による6か月ごとのプロセスの評価と目標達成度の評価。最終報告は、ラムサール条約事務局が検討後、発表。最終的な発表の検討はエクアドル全国湿地作業部会である。

13.パイロット調査

パイロット調査は、1996年にエスメラルダ州とマナビ州の静水性の湿地で行われた。

文献その他詳しい情報

Briones, E., Flachier, A., Gómez, J., Tirira, D., Medina, H., Jaramillo, I., & Chiriboga, C. 1997. Inventario de Humedales del Ecuador. Primera parte: Humedales Lénticos de las Provincias de Esmeraldas y Manabí. EcoCiencia/ INEFAN/ Convención de Ramsar. Quito, Ecuador.

Briones, E., Gómez, J., Hidalgo, A., Tirira, D., & Flachier, A. 2001. Inventario de Humedales del Ecuador. Segunda parte: Humedales Interiores de la Provincia de El Oro. Convención de Ramsar/ INEFAN/ EcoCiencia. Quito, Ecuador.



添付文書

湿地目録に最適なリモートセンシング・データの決定

78.以下に示すステップは、一つの目録を作成する場合にどれが最適のリモートセンシング技術かを決定する手順を示している。それを図に表したのが図1である。添付文書には、リモートセンシングのデータセットで湿地目録に利用できるものをまとめてある。

79.利用するリモートセンシングの種類を決定するのに必要な情報のほとんどは、目録作成手法を選ぶための湿地目録の「枠組み」のステップを踏むことで得られる。

.目的と目標の明確化

80.目録の目的と目標を明確に定める(氾濫原の湿地における特定の植物種の分布、洪水によって冠水した地域のベースラインデータ、地図作成対象となる生息地のタイプなど)。

.リモートセンシング・データ利用の可否の決定

81.あらかじめ特定した湿地問題に対するツールとして、リモートセンシング技術がうまく応用できるかどうかを判断する。これは、湿地生息地の構造とセンサーの特徴に基づいて決定され、明らかに、リモートセンシング機器の空間解像度とスペクトル解像度に関係している。専門家の助言が必要かもしれない。

.リモートセンシングの枠内における湿地の特徴の明確化

82.生息地の構造にもっとも適した空間規模、データ収集の季節、センサーを選定するうえで重要なスペクトル特性と解像度、すでに手に入っているデータとセンサーは何かを決定する。複数回の調査が必要な場合は、もっともふさわしい時間規模(毎年、あるいはもっと長い期間など)を最初に決定する。

.適当なセンサーの選定

83.適当なセンサーの空間解像度とスペクトル解像度を評価し、特定した問題や課題に必要な環境情報をそのセンサーで得られることを確認する。場合によっては複数の種類のセンサーが必要になることがある(たとえば樹種の優占する氾濫原の塩害地域を特定するために、ランドサットTM画像と偏波を用いたAIRSAR画像とを重ね合わせるなど)。

84.各センサーごとに、対象となる場所に必要な間隔で回帰できるのかどうか、それともその利用は季節的な条件に左右されるのかどうか(光学センサー、レーダーセンサーなど)、画像とその解析のコストが予算配分内におさまるのかどうかを確認する。

.地上データに関する要件

85.選定したセンサーにふさわしい地上サンプリング戦略を決定する。これには、センサーからのデータ取得と同時に地上データの収集を行うべきかどうかの判断を含める。また、地上データからの外挿(拡大など)に影響しうる問題を特定する。

.トレードオフ(代償)

86.それぞれのセンサーを使う場合にトレードオフがあるかどうか(一つのデータ源から生じるメリットとデメリットは何かなど)、そのトレードオフが調査(ステップで定めた内容の)に影響するかどうかを確認する。

図1.湿地目録に最適なリモートセンシング・データを決定する際の望ましいステップ。

図1


添付文書

湿地目録に利用できるリモートセンシング・データセット概要

衛星データ

データのタイプ

空間解像度

観測範囲

スペクトル解像度

時間解像度

連絡先

IKONOS

パンクロマチック:1

マルチスペクトル:4

100km2(最小限度)

バンド1(青)= 0.45-0.53μm

バンド2(緑)= 0.52-0.61μm

バンド3(赤)= 0.64-0.72μm

バンド4(近赤外)= 0.77-0.88μm

3日

データ収集は不定期で、注文する必要あり

スペースイメージング社
Space Imaging http://www.spaceimaging.com/

Landsat 7 ETM

バンド15&7= 30

バンド6= 60

バンド8= 15

標準フルシーンは184×185km

(スーパーシーンは最大60,000km2まで、スモールシーンは25×25km が入手可能)

バンド1(青)= 0.45-0.52μm

バンド2(緑)= 0.52-0.60μm

バンド3(赤)= 0.63-0.69μm

バンド4(近赤外)= 0.76-0.90μm

バンド5(中間赤外)= 1.55-1.75μm

バンド6(熱赤外)= 10.40-12.50μm

バンド7(中間赤外)= 2.08-2.35μm

バンド8(パンクロマチック)= 0.52-0.90μm

回帰日数:16日

1999年4月からデータ利用可

米国地質調査所EROSデータセンター
EROS Data Center of the U.S. Geological Survey http://landsat7.usgs.gov/

Landsat 5 TM

運用終了の予定

バンド15&7= 30

バンド6= 120

標準フルシーンは184×185km

(スーパーシーンは最大60,000km2まで、スモールシーンは25×25km が入手可能)

バンド1(青)= 0.45-0.52μm

バンド2(緑)= 0.52-0.60μm

バンド3(赤)= 0.63-0.69μm

バンド4(近赤外)= 0.76-0.90μm

バンド5(中間赤外)= 1.55-1.75μm

バンド6(熱赤外)= 10.40-12.50μm

バンド7(中間赤外)= 2.08-2.35μm


米国地質調査所
U.S. Geological Survey http://edcsns17.cr.usgs.gov/EarthExplorer/

SPOT

マルチスペクトル:20

パンクロマチック:10

60×60km

バンド1(緑)= 0.50-0.59μm

バンド2(赤)= 0.61-0.68μm

バンド3(近赤外)= 0.79-0.89μm

バンド4(短波長赤外)= 1.58-1.75μm*

パンクロマチック= 0.51-0.73μm /0.61-0.68*

*= SPOT4 のみ

回帰日数:26日

1990年からデータ利用可

スポット・イマージュ社
SPOT Image http://www.spot.com/


データのタイプ

空間解像度

観測範囲

スペクトル解像度

時間解像度

連絡先

RADAR-SAT

10100(角度と画像の数による)

50×50km500×500km(角度と画像数によって変わる)

単一波長Cバンド56nm

HH偏波
各種ビーム選択可

1995年からデータ利用可

中緯度地方における同一地域の高頻度観測は約6日ごと

カナダ宇宙庁 Canadian Space Agency (CSA) カナダリモートセンシングセンター Canadian Center for Remote Sensing (CCRS)
配布はレーダーサット・インターナショナル社 Radarsat International が行う
http://www.rsi.ca/

JERS

8の光学バンド

SAR Lバンド

バンド3と4で立体視画像を提供可

18ピクセル

75×75km

8の光学バンド

バンド1(緑)= 0.52-0.60μm

バンド2(赤)= 0.63-0.69μm

バンド3&4(近赤外)= 0.76-0.86μm

バンド5(中間赤外)= 1.60-1.71μm

バンド6(中間赤外)= 2.01-2.12μm

バンド7(中間赤外)= 2.13-2.25μm

バンド8(中間赤外)= 2.27-2.40μm

SARバンド= Lバンド235nm

HH偏波

19921998年のデータが利用可

宇宙開発事業団地球観測センター(日本) http://hdsn.eoc.nasda.go.jp/

ALI

パンクロマチック:10

マルチスペクトル:30

走査幅37km

パンクロマチック 0.48-0.69μm

バンド1= 0.48-0.69μm

バンド2= 0.433-0.453μm

バンド3= 0.45-0.515μm

バンド4= 0.525-0.606μm

バンド5= 0.63-0.69μm

バンド6= 0.775-0.805μm

バンド7= 0.845-0.89μm

バンド8= 1.2-1.3μm

バンド9= 1.55-1.75μm

バンド10 = 2.08-2.35μm

データは1990年11月から収集

データ利用には要請が必要

運用予定は2002年まで(未定)

米国航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター
GSFC NASA's Goddard Space Flight Center http://www.eo1.gsfc.nasa.gov/


データのタイプ

空間解像度

観測範囲

スペクトル解像度

時間解像度

連絡先

HYPER-ION

30

7.5km×100km

0.4-2.5μmの波長帯で220スペクトルバンド

データは1990年11月から収集

データ利用には要請が必要

運用予定は2002年まで(未定)

米国航空宇宙局ゴダード宇宙飛行センター http://www.eo1.gsfc.nasa.gov/

ASTER

資源探査用将来型センサー

可視近赤外(バンド13):15ピクセル

短波長赤外(バンド49):30ピクセル

熱赤外(バンド10〜14):90ピクセル

走査幅60km

バンド1= 0.52-0.60μm
バンド2= 0.63-0.69μm
バンド3N= 0.78-0.86μm
バンド3V= 0.78-0.86μm
バンド4= 1.600-1.700μm
バンド5= 2.145-2.185μm

バンド6= 2.185-2.225μm
バンド7= 2.235-2.285μm
バンド8= 2.295-2.365μm
バンド9= 2.360-2.430μm

バンド10= 8.125-8.475μm

バンド11= 8.475-8.825μm
バンド12= 8.925-9.275μm
バンド13= 10.25-10.95μm
バンド14= 10.95-11.65μm

データ収集は単発的。

データは無償でダウンロード可。

米国航空宇宙局地球観測データゲートウェイ
NASA / Earth Observing Data Gateway http://edcimswww.cr.usgs.gov/pub/imswelcome/

AVHRR

改良型超高解像度放射計

1.1kmピクセル

走査幅2700km

5バンド
0.58-12.50um(帯域幅は種々)

毎日

NOAA:米国地質調査所全球陸域情報システム(GLIS)(U.S. Geological Survey Global Land Information System)の次のサイトからデータのオンライン取得が可能。http://edc.usgs.gov/Webglis/glisbin/glismain.pl

Orbview-4

2001年打ち上げ予定

マルチスペクトル:4ピクセル

ハイパースペクトル:8ピクセル

パンクロマチック:1ピクセル

マルチスペクトル:走査幅8km
ハイパースペクトル:走査幅5km
パンクロマチック:走査幅8km

マルチスペクトル:可視・近赤外域に4バンド
ハイパースペクトル:200バンド 0.4-2.5um
パンクロマチック:可視域に1バンド

回帰日数は23日

オービタルサイエンス社
Orbital Science Corporation
米国の陸軍、海軍、空軍、航空宇宙局 http://www.orbimage.com/

ERS-1 SAR

12.5ピクセル

100km×102km

単一周波数Cバンド(5.3GHz)、波長:5.6cm

VV偏波

19911999年のデータが利用可。

運用モードにより、回帰日数は約3日、35日、176日

欧州宇宙機関
European Space Agency (ESA) http://www.esa.int

ERS-2 SAR

12.5ピクセル

100km×102km

単一周波数Cバンド(5.3GHz)、波長:5.6cm

VV偏波

1995年からデータ利用可。

運用モードにより、回帰日数は3日、35日、176日

欧州宇宙機関
http://www.esa.int

ERS-1 ATSR

kmピクセル

512km×512km

4バンド=可視域の1.6μmと3熱バンド:3.7μm、11μm、12μm

19911999年のデータが利用可。

運用モードにより、回帰日数は約3日、35日、176日

欧州宇宙機関
http://www.esa.int

ERS-2 ATSR2

kmピクセル

512km×512km

7バンド=可視域に4バンド:0.55μm、0.67μm、0.87μm、1.6μmと3熱バンド:3.7μm、10.8μm、12μm

1995年からデータ利用可。

運用モードにより、回帰日数は約3日、35日、176日

欧州宇宙機関
http://www.esa.int

ENVISAT ASAR

30、150、1km(運用モードによる)

走査幅<100km、>400km、5km×km(運用モードによって変わる)

単一周波数Cバンド(5.3GHz)、HH偏波、VV偏波

2002年からデータ利用可

欧州宇宙機関
http://www.esa.int

ENVISAT MERIS

300(最大解像度)1200(低解像度)

広域走査幅:1150km

電磁スペクトル390-1040nmの範囲内で15スペクトルバンド

2002年からデータ利用可

欧州宇宙機関
http://www.esa.int

ENVISAT

AATSR

km

512km×512km

7バンド:可視域に4バンド:0.55μm、0.67μm、0.87μm、1.6μm
3サーマルバンド:3.7μm、10.8μm、12μm

2002年からデータ利用可

欧州宇宙機関
http://www.esa.int


航空機搭載センサーによるデータ

データのタイプ

空間解像度

観測範囲

スペクトル解像度

時間解像度

連絡先

HyMap

標準で2.5または5

ピクセル:走査幅2.5km

2.5ピクセル走査幅約1.3km

(ピクセルサイズによって変わる)

0.44-2.4μmの波長帯で124バンド

信頼性低:ユーザー定義、センサー可用性

インテグレーテッド・スペクトロニクス社
Integrated Spectronics Pty Ltd http://www.intspec.com/

HyMap MK1 (AIS)

標準で5

ピクセル:走査幅2.5km(ピクセルサイズによって変わる)

0.50-1.1μm、1.45-1.80μm、1.95-2.45μmの波長帯で98バンド

信頼性低:ユーザー定義、センサー可用性

インテグレーテッド・スペクトロニクス社
http://www.intspec.com/

CASI

航空機搭載小型光学センサー

標準で1

ピクセル:走査幅約500

(空間解像度によって変わる)

バンドは可変(約19-288)(約2〜12nmの幅)0.40-1.0μm

標準的には可視域から近赤外域まで96バンド

信頼性低:ユーザー定義、センサー可用性

ITRESリサーチ社が製造
ITRES Research Ltd. http://www.itres.com/

BallAIMS www.ballaerospace.com.au

Daedalus

空間解像度は飛行高度によって決まる。飛行高度が1000増すごとにピクセルサイズが2.5増す。

走査幅:飛行高度×1.6

バンド1= 0.42-0.45μm
バンド2= 0.45-0.52μm
バンド3= 0.52-0.60μm
バンド4= 0.605-0.625μm
バンド5= 0.63-0.69μm
バンド6= 0.695-0.75μm
バンド7= 0.76-0.90μm
バンド8= 0.91-1.05μm
バンド9= 1.55-1.75μm
バンド10= 2.08-2.35μm
バンド11= 8.5-13.0μm
バンド12= バンド11×0.5または×2のプラス

信頼性低:ユーザー定義、センサー可用性

エアーターゲットサービス社
Air Target Services http://www.airtargets.com.au/
index.html

AIRSAR

航空機搭載合成開口レーダ

スラントレンジ方向の解像度10

アジマス方向の解像度1

地表走査幅:1015km

Pバンド、Lバンド、Cバンド
LバンドとCバンドでインターフェロメトリ機能を発揮

高解像度80MHz SARモード、TOPSARモード(DEMsとデータを共に記録)、ATIモード(航跡に沿ってCバンドとLバンドのデータを取得)などいくつかのモードで運用

信頼性低PACRIM観測飛行を参照

アメリカ航空宇宙局ジェット推進研究所
JPL/NASA http://airsar.jpl.nasa.gov/

MASTER

航空機搭載Modis ASTERシミュレーター

50ピクセル(飛行高度によって変わる)

走査幅は飛行高度によって変わる。

50バンド
0.40-13.0μm

信頼性低PACRIM観測飛行を参照

アメリカ航空宇宙局ジェット推進研究所
http://masterweb.jpl.nasa.gov/

AVIRIS

航空機搭載型可視赤外イメージング・スペクトロメータ

20ピクセル

走査幅11.5km

224バンド(幅10nm)0.40-2.50um


アメリカ航空宇宙局ジェット推進研究所
http://makalu.jpl.nasa.gov/

航空機搭載式デジタルカメラ

空間解像度は飛行高度によって決まる。標準的には0.5

走査幅は飛行高度によって変わる

標準的にはカラー(RGB)または赤外カラー(IR、R、G)

信頼性低:ユーザー定義

問い合わせは現地の企業に
例)スペクテッラサービス社
Specterra Services Ltd. http://www.specterra.com.au/

航空赤外カラー/カラー/白黒写真

空間解像度は飛行高度によって決まる

走査幅は飛行高度によって変わる

標準的にはカラー(RGB)、赤外カラー(IR、R、G)、または白黒

信頼性低:ユーザー定義

問い合わせは現地の企業に
例)FUGRO航空調査社
FUGRO Airborne Surveys http://www.fugro.com/

LIDAR

標高の絶対精度15cm

ユーザー定義

使用するレーザーのタイプによって変わる

信頼性低:ユーザー定義

各種LIDARシステムを製造するメーカーは数社あり


現地調査によるデータ

データのタイプ

空間解像度

観測範囲

スペクトル解像度

時間解像度

連絡先

スペクトロメータ

種々。標準的にはナノメートルメートル

種々。標準的にはミリメートルメートル

連続的なスペクトル曲線

範囲は紫外から短波長赤外まで

標準的には0.4-2.5μm

信頼性低:ユーザー定義、センサー可用性

レンタルについては現地企業に問い合わせること

購入については
アナリティカル・スペクトラル・ディバイシズ社 Analytical Spectral Devices Inc に問い合わせること
http://www.asdi.com/



添付文書

湿地分類法

87.世界ではきわめて多くの湿地分類法が使われている。そのうちのいくつかを発表日順に以下にまとめ注釈を付ける。

88.一つの目録がさまざまな湿地目録のあらゆるニーズを満たせることはありそうにない。それぞれの目録の目的に合った分類法を選定するか、開発するほうが、望ましい。

89.場合によっては、アジア湿地目録について提案されたように、目録作成の際に収集した核となる情報から分類法を導くこともできるし、地中海湿地フォーラム目録で行われたように、湿地タイプ情報をいくつかの分類法で編集し提示する仕組みを設けることもできる。ただし、既存の分類法がすべての目録の目的に合うと考えてはならない。

名称/表題

米国湿地分類

説明

階層式の分類で、湿地の構成要素、すなわち、植生、基質の成分と粒度組成、水環境、水の化学的性質、土壌を記述する5層からなる。植物のある生息地と植物のない生息地も分類に含まれる。

参考文献

Cowardin, Carter, Golet & LaRoe 1979; Cowardin & Golet 1995

URL

wetlands.fws.gov/Pubs_Reports/Class_Manual/class_titlepg.htm
www.nwi.fws.gov/atx/atx.html


名称/表題

水文地形分類:オーストラリア

説明

地形と水環境を土台にして、さらにそれを面積、形、水質、植生の特徴によって細分化している。湿地生息地について記述するバイナリー・フォーマットが提供されている。

参考文献

Semeniuk 1987; Semeniuk & Semeniuk 1997.


名称/表題

西欧諸国の湿地分類:コリーヌ・ビオトープ(1991)
旧北区生息地分類(1996)
EUNIS生息地分類(2002)(欧州自然情報システム)

説明

湿地生息地を含む自然地域や半自然地域を階層式に記述するための欧州基準。生息地を外観と植物で特定する。EUNIS生息地分類(2002)は既存の分類(コリーヌビオトープと旧北区生息地分類)を統合し、他の分類法(コリーヌ土地被覆分類、生息地指令付属書、北欧分類システム、その他の国レベルのシステム)にリンクしている。

参考文献

European Communities 1991; Devillers, & Devillers-Terschuren 1996; Davies & Moss 2002.

URL

http://nature.eionet.eu.int/activities/EUNIS/harmo/eunis_habitat
http://mrw.wallonie.be/dgrne/sibw/EUNIS/home.html


名称/表題

ラムサール条約湿地分類法

説明

米国湿地分類に大まかに基づいて湿地生息地を階層式に分類したもの。ラムサール条約締約国にとって重要な生息地の、さらに多くに対応できるよう、1989年の導入以来何回か修正されている。

参考文献

Scott & Jones 1995; Ramsar Bureau 2000.

URL

http://www.ramsar.org/key_ris_types.htm


名称/表題

地中海湿地フォーラム地中海湿地分類

説明

米国湿地分類に大まかに基づいて階層式に湿地生息地を分類したもので、地中海周辺のさまざまな湿地生息地に対応するように修正を加えてある。この手法用のソフトウェアを使うと、調べたい地域で一般に使われている他の分類をデータベースから生成できる。

参考文献

Hecker, Costa, Farinha & Tomas Vives et al 1996

URL

http://www.wetlands.org/pubs&/wetland_pub.html


名称/表題

カナダ湿地分類

説明

地形、水系、地表形態、植物生態に基づいて生息地を大まかに階層的に分類したもの。さらに、生息地の化学的特性に基づいて細かく分類されている。

参考文献

National Wetlands Working Group 1997; Zoltai & Vitt 1995.

URL

www.fes.uwaterloo.ca/research/wetlands/Publications.html


名称/表題

南アフリカ湿地分類

説明

米国で開発された「コワーディン」湿地分類を調整して改めたもの。地表と水系の特徴に基づいて、湿地の機能的側面も組み込むように調整されている。階層式で、南アフリカ地域のあらゆる湿地タイプに対応している。

参考文献

Dini & Cowan 2000

URL

www.ccwr.ac.za/wetlands/inventory_classif.htm


名称/表題

アジア湿地分類

説明

地形と水環境に基づいた分類。主要データフィールドをもとに、植生、地域の面積、水質に関する情報で補って分類されている。

参考文献

Finlayson, Howes, Begg & Tagi 2002 Finlayson, Howes, van Dam, Begg & Tagi 2002.

URL

インターネットの情報利用はまだできない



添付文書

湿地目録作成に推奨される標準メタデータ記録

90.次に掲載する図と表は、湿地目録作成に携わる人が決議.20に沿って目録に関する情報を文書化し公表する際の一助となるように、湿地目録メタデータ記録の標準的構造をまとめたものである。

91.目録のメタデータ記録は、メタデータ記録の国際標準(ISO/DIS 9115地理情報メタデータ)に基づいて作成されており、同標準に準拠している。「地球全体の湿地資源と湿地目録の対象となる優先事項に関する評価」の第2段階(GRoWI2)の作成を支援するために、英国政府の財政支援を受けてオーストラリアの監督科学者環境研究所がラムサール条約のために作成した。

92.湿地目録について報告するためのこの標準メタデータ記録の適用と利用については、詳しい手引きが作成されており、ラムサール条約事務局から発行される予定である。

図2.湿地目録メタデータベースの枠組み図.
[編注]別頁に,もうすこし拡大した図
(860×516 pixel)も用意してみました.
図2 目録データセット データベース・フロントエンド データーセット 固有識別子 表題 作者 保管者 記述 要約 キーワード カタログの参照情報 湿地タイプ ラムサール条約での地域 国 地方 関係地域の座標 位置説明 ラムサール条約湿地 目録対象総面積 目録の規模 関連データセット/プロジェクト データの現行性 開始日 終了日 データの状況 データの状況/進捗 メンテナンス頻度 アクセス リソース言語 利用できる形式 格納形式 アクセスの制約 使用の制約 ファイルシステムの場所 アクセス命令 ブラウズ画像の場所 直接アクセスの場所 データ品質 位置精度 属性の精度 論理的一貫性 完全性 連絡先情報 連絡先の組織 連絡先の部署 郵送先住所 郵便番号 電話番号 ファクシミリ Eメールアドレス 周または県 国 メタデータの日付 作成日 最終更新日 追加のメタデータ 追加のメタデータ

緑色=単数データ入力フィールド

薄紫色=複数データ入力フィールド


表3.湿地目録メタデータベースのフィールドの説明.

フィールド名

フィールドの説明

UNIQ_ID

各湿地目録データセットの固有識別子

TITLE

目録またはデータセットの表題

AUTHOR

作成者/データセット作成者

CUSTOD

データの保管権を持つ組織または個人


ABSTRACT

要約:データセットや目録作成についての概要または簡単な説明

KEYWORD

データセットの検索に使われうる単語。リモートセンシングなどのように目録作成にとって重要な活動を表す単語や植生を表す単語、データベース上で検索に使える単語を35選ぶ。

CAT_REF

ライブラリ・カタログの参照情報(例:ISBN番号など)(データセットに該当する場合)

WETL_TYP

目録に記載される湿地のタイプまたは性質

RAMSAR_R

ラムサール条約における地域:ラムサール標準4文字コードから選ぶ(EEUR、AFRIなど)

COUNTRY

目録データセットの地域内にある国:国名を示すISO標準3文字コードから選ぶ。http://www.bcpl.net/~jspath/isocodes.html

SUB_COUN

国内の地方を自由に記載。湿地目録メタデータベースの「地方」フィールドに対応。

COORDS

対象地域の境界座標。左上地域及び右下地域の境界座標を度、分、秒で入力するか、目録対象地域の周辺を確定する一連の座標を入力する。

LOC_DESC

地域の自由記述

RAMSAR_L

地域内にあるラムサール条約湿地名(該当する場合)

INV_AREA

目録対象範囲の総面積。ヘクタール、1000平方キロメートルなどで表示。

SCALEINV

目録の面積値を補うための文字による説明。「大規模」や「小規模」目録などのように、データセットを探すときの検索の手がかりに使えるもの。

REL_DATA

関連データセット。その目録に含まれる関連ファイル名や関連データセット名。


INV_START

目録データセット内にある情報の日付で最初のもの。

INV_END

目録データセット内にある情報の日付で一番新しいもの。


INV_STAT

目録データセット作成プロセスの進捗状況:完成または未完成など。

FREQ_MAIN

データセットのメンテナンス頻度、変更頻度、更新頻度:定期、不定期、予定なし


LANG_RES

データセットを作成した言語。たとえば英語、スペイン語、ベトナム語など。

AV_FORM

目録データセットを利用できる形式。特に、デジタル形式か印刷形式かを明記する。前者については、Accessデータベース、ArcInfoカバレッジ、テキストファイルなど、利用可能な形態リストも含める。

STORFORM

保管者がデータセットを格納している形式または形態。

ACC_CONS

アクセス上の制約。一般市民には公開しない、使用するにはライセンス協定の締結が必要など。

USR_CONS

ユーザーへの制約。ロイヤルティーの支払い、または情報の用途に関する合意条件を示すライセンス協定締結がなければ、データを複製できないなど。

NFS_LOC

データセット・ネットワークファイルシステムの場所:URLアドレスを入力できる。

ACC_INST

データセットへのアクセスの仕方に関する命令

IMG_LOC

ブラウズできる画像の場所(データセットに該当する場合)

DIR_LOC

データセットに直接アクセスできるネットワーク上の場所(該当する場合)


DATA_LIN

データ品質:系譜情報。データセットの作成に用いた情報源、処理方法、分析方法、作成手法の簡単な記述。

POS_ACC

位置精度:データセット内の空間特性の位置と、地球上の実際の位置とを比べた簡単な評価と説明。この説明には、ディファレンシャルGPSを利用したかどうかなどを含めることができる。

ATTRIB_ACC

属性の精度:データセット内の特性に対して置かれている信頼性と、現実世界での価値とを比べた簡単な評価。たとえば、ある地域をマッピングする際のサンプリングの集約度など。

LOGIC_CON

論理的一貫性。データセットに含まれる項目間の論理的関係に関する簡単な記述。空間データセットの場合、これは幾何学的(地理的な)一貫性をチェックするという形をとりうる。それにより、すべての多角形の辺が閉じられ、ラインの端に節点が作られ、各多角形内にひとつのラベルしかないように万全を期す。

DATA_COM

完全性。データセット、分類、検証の完全性についての簡単な評価。


CONT_ORG

連絡先の組織(オプションとして、新規組織の追加、または既存の組織リストからの選択が可能)

CONT_POS

連絡先部署

MAIL_ADD

連絡先の組織と部署宛の郵送用住所

POSTCODE

郵送先住所の郵便番号

CONT_PH

連絡先部署の電話番号。国際ダイアル通話(IDD)用の番号を含める。IDDを使う場合に、国内電話番号にゼロを入れるかどうかも明示する(例:++ (IDD) (0) xx xxxx xxxx)

CONT_FAX

連絡先の部署のファクシミリ番号。国際ダイアル通話(IDD)用の番号を含める。IDDを使う場合に、国内電話番号にゼロを入れるかどうかも明示する(例:++ (IDD) (0) xx xxxx xxxx)

CONT_EM

連絡先の部署の電子メールアドレス

CONT_STA

連絡先の組織のある州または県

CONT_COU

連絡先の組織のある国


META_NEW

メタデータが作成された日(ファイルが作成されると自動的に生成される)。

META_MOD

メタデータの最終更新日(ファイルが更新されると自動的に生成される)


META_CIT

メタデータのための特記。メタデータ記録に記載されたものを引用または利用したものや文書のリスト。

ADD_META

追加のメタデータ。データセットについての追加情報が含まれている他のディレクトリやシステムについての参照情報。追加のメタデータ記録へのリンク、特にGISやリモートセンシングの成果物へのリンク。



添付文書

文献リスト

Biodiversity Conservation Information System 2000. Framework for Information Sharing: Executive Overivew. Busby, JR (Series Editor). Includes CD-ROM with full text of 8 Handbooks. Available from BCIS Program Manager (for contact details see: http://www.biodiversity.org)
Costa, LT, Farinha JC, Tomas Vives P & Hecker N 1996. Mediterranean wetland inventory: a reference manual. MedWet Publication. Instituto da Conservacao da Naturez, Lisboa, and Wetlands International, Slimbridge, UK.
Cowardin LM, Carter V, Golet FC & LaRoe ET 1979. Classification of wetlands and deepwater habitats of the United States. United States Fish and Wildlife Service, Washington, United States of America.
Cowardin LM & Golet FC 1995. US Fish and Wildlife Service 1979 wetland classification: a review. Vegetatio 118, 139-152.
Darras S, Michou M & Sarrat C 1999. IGBP-DIS Wetland data initiative - a first step towards identifying a global delineation of wetland. IGBP-DIS, Toulouse, France.
Davies CE & Moss, D 2002. EUNIS Habitat Classification. Final Report to the European Topic Centre on Nature Protection and Biodiversity, European Environment Agency. 125pp.
Devillers, P. & Devillers-Terschuren, J. 1996. A classification of palearctic habitats and preliminary habitats in Council of Europe Member States. Report to the Council of Europe Convention on the Conservation of European Wildlife and Natural Habitats. 268 pp.
Dini JA & Cowan GI 2000. Classification system for the South African wetland inventory. Second draft. South African Wetlands Conservation Programme. Department of Environmental Affairs and Tourism, Pretoria, South Africa.
European Communities, 1991. Habitats of the European Community. CORINE biotopes manual, Volume 2. Luxembourg: Commission of the European Communities.
Finlayson CM & Spiers AG (eds) 1999. Global review of wetland resources and priorities for wetland inventory. Supervising Scientist Report 144, Supervising Scientist Group, Environment Australia, Canberra.
Finlayson CM & van der Valk AG 1995. Classification and inventory of the world's wetlands. Advances in Vegetation Science 16, Kluwer Academic Press, Dordrecht, The Netherlands.
Finlayson, CM, Davidson, NC & Stevenson, NJ (eds) 2001. Wetland inventory, assessment and monitoring: practical techniques and identification of major issues. Proceedings of Workshop 4, 2nd International Conference on Wetlands and Development, Dakar, Senegal, 8-14 November 1998. Supervising Scientist Report 161, Darwin, Australia.
Finlayson, CM, Howes, J, Begg, G & Tagi, K 2002a. A strategic approach for characterising wetlands- the Asian Wetland Inventory. Proceedings of Asian Wetland Symposium, Penang, Malaysia, 27-30 August, 2001.
Finlayson, C.M., Howes, R., van Dam, RA, Begg, G. & Tagi, K. 2002b. The Asian Wetland Inventory as a tool for providing information on the effect of climate change on wetlands in Asia.
Finlayson CM, Davidson NC, Spiers AG & Stevenson NJ 1999. Global wetland inventory - status and priorities. Marine and Freshwater Research 50, 717-727.
Hecker N, Costa LT, Farinha JC & Tomas Vives P et al 1996. Mediterranean wetlands inventory: data recording. Vol 2. MedWet/Wetlands International, Slimbridge, UK/Instituto da Concervaco da Natureza, Lisboa, Portugal. 99 pp.
National Wetlands Working Group 1997. The Canadian Wetland Classification System. 2nd Edition. In BG Warner & CDA Rubec (eds), Wetlands Research Centre, University of Waterloo. Waterloo. 68 pp.
National Wetlands Programme. 1999. Uganda Wetlands Inventory Guide, version 4. Ministry of Water, Lands and Environment, Kampala, Uganda.
Pabari, M., Churie, A. & Howard, G. (eds) 2000. Wetland inventory training workshop, 6-9 December 2000, Kampala, Uganda. Ramsar Convention on Wetlands, IUCN- The World Conservation Union & National Wetlands Programme, Kampala, Uganda.
Phinn S, Hess L & Finlayson CM 1999. An assessment of the usefulness of remote sensing for wetland monitoring and inventory in Australia. In CM Finlayson & AG Spiers (eds), Techniques for Enhanced Wetland Inventory, Assessment and Monitoring. Supervising Scientist Report 147, Supervising Scientist Group, Canberra. pp 44-82.
Ramsar Convention Bureau 2000. Strategic framework and guidelines for the future development of the List of Wetlands of International Importance, Wise Use Handbook 7. Ramsar Bureau, Gland, Switzerland.
Scott DA & Jones TA 1995. Classification and inventory of wetlands: a global overview. Vegetatio 118, 3-16.
Semeniuk CA 1987. Wetlands of the Darling system - a geomorphic approach to habitat classification. Journal of the Royal Society of Western Australia 69, 95-112.
Semeniuk V & Semeniuk CA 1997. A geomorphic approach to global classification for natural wetlands and rationalization of the system used by the Ramsar Convention - a discussion. Wetlands Ecology and Management 5, 145-158.
Wilen, B.O. & Bates, M.K. 1995. The US Fish and Wildlife Service's National Wetland Inventory project. Vegetatio 118, 153-169.
Zoltai SC & Vitt DH 1995. Canadian wetlands: environmental gradients and classification. Vegetatio 118, 131-137.


ラムサール条約第8回締約国会議の記録 [和訳:『ラムサール条約第8回締約国会議の記録』(環境省 2004)より了解を得て再録,2005年,琵琶湖ラムサール研究会.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]

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