琵琶湖水鳥・湿地センター > ラムサール条約 > ラムサール条約を活用しよう | 第8回締約国会議 |
「湿地:水、生命及び文化」
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第8回締約国会議
バレンシア,スペイン,2002年11月18-26日
1.「1997−2002年戦略計画」の実施目標7.2が、他の国際的・地域的な環境条約とのつながりを強化して正式なものとするための一連の行動を特定したことを想起し;
2.過去3年間、本条約が他の多国間環境協定(MEAs)及び組織との協力を強化拡大する面で遂げた進展を歓迎し;
3.また、国連環境計画管理理事会の決議21/21により設置された、「国際環境ガバナンスに関する閣僚またはその代表者によるオープンエンドのグループ」のMEA関連の作業に、本条約が参加していること、また国連の機関とMEAの間の環境に関する作業を調整するために、国連総会によって設置された「生態系管理グループ」に本条約が参加していることも同じく歓迎し;
4.なかでも国連環境計画と国連大学に対して、MEA間の協働を進めるために実施した作業について感謝の意を表し;
5.「生物多様性条約(CBD)と、『特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)』との間の2000−2001年共同作業計画案、特に河川流域イニシアティブが盛り込まれた同計画案を承認し、締約国その他の政府及び関連機関に対してこのイニシアティブへの支援と参加を奨励し、CBDの締約国であってラムサール条約の締約国ではない国々が共同作業計画の活動や実施面で不利益を受けることがないことを強調する」としたCBD第5回締約国会議(COP5)の決定Ⅴ/2と、「CBDとラムサール条約との間の第3次(2002−2006年)共同作業計画を歓迎し承認する」としたCBD COP6の決定Ⅵ/20に喜びをもって留意し;
6.本条約の常設委員会とユネスコの「人と生物圏プログラム(MAB)」の理事会が、両者の間の共同作業計画を承認したことにも同じく満足しつつ留意し;
7.渡り性水鳥とその生息地を守るための共同行動について「移動性の野生動物種の保全に関する条約(ボン条約・CMS)」と「アフリカ・ユーラシア地域水鳥協定(AEWA)」と協力して共同作業計画を策定中であることを歓迎し;
8.太平洋島嶼国における湿地の保全と賢明な利用への協力と支援に関する「南太平洋地域環境プログラム」との「協力と共同作業計画覚書」を重ねて歓迎し;
9.「広域カリブ海の海洋環境保護と開発に関する条約(カルタヘナ条約)」との、また「地中海の海洋環境と沿岸地域を保護するための条約(バルセロナ条約)」事務局の「地中海行動計画調整ユニット」との「協力の覚書」を通して、地域海条約との協力が進んでいることを認識し;
10.CBD、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、国連砂漠化対処条約の間に「合同連絡グループ」が設置されたこと、またUNFCCCの「科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)」が第16回会合においてラムサール条約との協働の可能性について出した結論を歓迎し;
11.UNFCCCのSBSTAがラムサール条約に対して、情報を共有し、また前の段落に述べた「合同連絡グループ」の会合に参加するよう招聘したことを歓迎し;
12.今回の締約国会議において、MEA及びその他の機関とのパートナーシップと協働に関して行う一連の行動を「他の組織との連携」に関する実施目標13として掲げる、本条約の「2003−2008年戦略計画」を採択し;
13.地球環境ファシリティー第2回総会が2002年10月16日から18日まで中国の北京で開かれ、「砂漠化と森林破壊を主とする土壌劣化、及び残留性有機汚染物質」を地球環境ファシリティーの新たな重点領域として承認することが決定されたことを歓迎し;
14.適切である場合には、世界、地域、国、地元のすべてのレベルでMEAと協働し、また統合的に実施することで得られる利益にいま一度留意し;
締約国会議は、
15.締約国、科学技術検討委員会(STRP)、常設委員会、条約事務局に対して、他のMEAの運営組織・補助機関と事務局、さらに国際団体パートナーやその他の協力機関と協力して、2003−2008年戦略計画の実施目標13「他の組織との連携について」に盛り込まれた行動を完全に実施するよう強く要請する;
16.締約国に対して、MEAの実施に責任を持つ担当窓口や諸機関の国内ラムサール委員会への参加を確実にするよう図るなどして、担当窓口や諸機関の国内レベルでの連携を推進する取組を強化し、それによって協働と調和を促進するよう重ねて強く要請する;
17.条約事務局に対して、国連環境計画の作業に、その中でも特に環境条約局及び世界自然保護モニタリングセンターのMEA間の協働を促進する分野と、環境管理グループ(EMG)の作業に継続して参加し貢献するよう要請する;
18.CBDとラムサール条約との間の「第3次(2002−2006年)共同作業計画」、「人と生物圏プログラム(MAB)」と本条約の「共同作業プログラム」、「南太平洋地域環境プログラム(SPREP)」と本条約との「共同作業計画」、「移動性の野生動物種の保全に関する条約(ボン条約・CMS)」と「アフリカ・ユーラシア地域水鳥保全協定(AEWA)」及び本条約との「共同作業計画」を歓迎するとともに承認し;
19.締約国、国際団体パートナー、その他の協力機関に対して、CBD・ラムサール条約河川流域イニシアティブの作業に積極的に貢献するよう強く要請する;
20.ラムサール条約及びCBDの締約国で地球環境ファシリティー(GEF)の受給資格のある諸国に対して、CBD COP4の内水面生態系に関する決定Ⅳ/4の段落6、7に沿って、GEFの検討を受けるにふさわしいプロジェクトを立案し、その進捗を詳しくラムサール条約事務局に報告するよう再び強く要請する;
21.ラムサール事務局に対して、GEF事務局との連携をさらに強化するよう要請する;
22.GEFの評議会に対して、特にラムサール条約とCBDの共同作業計画という点から、ラムサール条約がGEFの評議会と加盟国に対してその専門分野に関する助言をしやすくするように、上記評議会と総会の全会合においてオブザーバーの地位を、条約事務局を代表としてラムサール条約に与えることを検討するよう促す;
23.STRPに対して、STRPの運営方法に関する決議Ⅶ.2及びⅧ.28に従い、かつ利用できる資金と人材に応じて、STRPが他のMEAの同等の補助機関や関連する地域フォーラムと適宜情報を交換し、協力し、活動をとりまとめ、常設委員会を通じてラムサール条約COP9に報告するよう指示する;
24.ラムサール事務局に対して、他のMEA及び関連地域フォーラムの事務局その他の機関と協力して、これらの機関と本条約との共同作業の進捗、成功、制約を定期的に見直し、ラムサール条約COP9に報告するよう重ねて指示する。
[和訳:『ラムサール条約第8回締約国会議の記録』(環境省 2004)より了解を得て再録,2005年,琵琶湖ラムサール研究会.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]
[ PDF 21KB ] [ Top ] [ Back ] [ Prev ] [ Index ] [ Next ]