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「湿地と水:命を育み,暮らしを支える」
"Wetlands and water: supporting life, sustaining livelihoods"
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第9回締約国会議
ウガンダ共和国カンパラ,2005年11月8−15日
1.「ラムサール条約の下での国際協力のためのガイドライン」(決議Ⅶ.19)に従って締約国と他の組織、利害関係者間の国際協力を強化する適切な地域的枠組みの確立が必要なことを考慮し、
2.「条約の履行を高めるための地域イニシアティブ」(決議Ⅷ.30)と「条約の枠組みにおける地域イニシアティブの確立」(決議Ⅸ.7)でくりかえし指摘されているように、条約の趣旨と目的を推進するために地域協力の担うべき重要な役割を認識し、
3.こうした地域協力は、世界各地域の政府、NGO、科学技術・政策立案部門間における緊密なパートナーシップによって達成されるということを考慮し、
4.「地域社会と先住民の参加を確立し強化するためのガイドライン」(決議Ⅶ.8)と決議Ⅷ.36で具現化されているように、湿地の保全と賢明な利用には地域社会と先住民の参加が不可欠であることを認識し、
5.日本のNGOであるラムサール・センター・ジャパン(RCJ)の主導で1992年(日本)、2001年(マレーシア)、2005年(インド)で開催された「アジア湿地シンポジウム(AWS)」が、アジアでの効果的な地域協力とネットワーク形成に実質的な貢献ができたことを認識し、
6.これらのシンポジウムが、湿地の管理に携わっている、各国中央政府と地方政府、NGO、専門家、民間部門、地域住民、先住民を含む多様な部門間での議論をする唯一の場を提供していること、その成果であるAWS勧告(1992年)、ペナン声明(2001年)、チリカ声明(2005年)に盛り込まれた勧告がそれぞれ、第5回、第8回、第9回の締約国会議に報告されてきたことを了解し、
7.AWSおよびRCJの主催した一連の地域ワークショップが、アジア地域におけるラムサール条約の趣旨と目的に関する人々の意識の向上と同条約への加入の促進に貢献し、締約国に対してラムサール条約湿地となるべき湿地の特定と登録を奨励し、かつ経済成長と貧困の削減を含めた持続可能な開発の分野において湿地管理へ地域社会と先住民の参加を促進したことに留意し、
8.ラムサール条約締約国会議とその地域会合では政策と行政主導の管理の問題に焦点を当てた議論が中心になってきており、一連のAWSが、アジア地域における湿地の保全と賢明な利用のための優先事項と専門的問題について討論するうえで、補完的な役割を果たし、いっそうの価値をもったフォーラムを提供していると認識し、
9.一連のAWSの財政的支援が中央政府と地方政府、企業、学術機関、国連機関を含む国際機関、国際NGOなど広範な支援者から寄せられていること、これらによる貢献がAWSと一連の地域ワークショップの継続的開催の実施において、多大な価値をもつこと、そのことがアジア地域における湿地の保全と賢明な利用に効果的で、多様かつ活発なネットワーク形成をもたらしていることを認識し、
10.また、隔年開催の国際湿地シンポジウムの第5回会合が、米州地域の国々の科学者と湿地管理者の参加を得て、キューバ・サパタ湿地で開催されたことに留意し、
締約国会議は、
11.アジア地域のすべての締約国と未締約国に、AWSがアジアにおける湿地の保全と賢明な利用のための情報交換の効果的な場であり、実践に関する優れた助言の源となっていることを十分認知するよう奨励する。
12.AWSが、今後とも定期的に開催されることを支持する。
13.地方政府、NGO、民間部門、地域住民を含み、かつそれだけにとどまらない広範な利害関係者によるAWSへの支援と参加を促進するよう要請する。ただし、このことによって条約の中核予算に対して財政的な要請をするものではないことに留意する。
14.条約事務局と常設委員会に、このようなフォーラムにおける経験の交換や革新的な実践に関する議論を通じて条約履行を支援するために、フォーラムの成果を締約国と政府が十分に利用できるよう、地域内会合を含むラムサール地域会合と地域湿地フォーラムとのつながりを奨励促進することを要請する。
15.締約国、国際NGO、その他関連する科学技術機関に、特に条約の下で確認された地域イニシアティブに関して、同様のフォーラムがまだ存在していない場合、条約履行のための科学技術的支援を強化する手段として、AWSの経験を生かし、地域的な科学技術フォーラムを定期的に開催することの有益性を検討するよう推奨する。
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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop9/res_ix_19_j.htm
Last update: 2008/06/01, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).