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日本語訳:環境庁,2000年[了解を得て再録].
英語 フランス語 スペイン語 (以上,条約事務局) PDF (環境省のインデックスページ)
1.締約国に特に二以上の締約国の領土に湿地が渡っている場合又は二以上の締約国に水系が及んでいる場合には、この条約に基づく義務の履行につき、相互に協議する。また、締約国は、湿地及びその動植物の保全に関する現在及び将来の施策及び規則について調整し及びこれを支援するよう努める
ことを義務づけるラムサール条約第5条を想起し、
2.過去の締約国会議で採択された、国際協力に関する決議と勧告、特に決議4.4、Ⅵ.9、Ⅵ.10、及び勧告1.2、3.4、3.5、4.11、4.12、4.13、5.4、5.5、6.4、6.16を意識し、
3.ラムサール条約の「1997−2002年戦略計画」が、その総合目標7で国際協力に関する各種の優先的行動を定めていることを認識し、
4.特に途上国の湿地に影響を与える可能性のある援助を行う、各国の援助機関の責務について、締約国が国際協力の分野の責務をどのように果たせばよいかという点に関するガイドラインを、第7回締約国会議(1999年)の分科会での検討に向けて作成する
よう常設委員会とラムサール条約事務局に指示した、条約の「戦略計画」の行動7.3.4を特に認識し、
5.「ラムサール条約の下での国際協力のためのガイドライン」の作成に貢献した締約国等、そして特に本締約国会議の分科会Ⅴで発表された開発援助に関する参考資料の作成にあたった「地球環境ネットワーク」に感謝の意を表し、
6.国際協力・研修のイニシアチブの一つの実例としての、ラムサール条約事務局内でのインターンシップ計画の成功に承認しつつ留意し、
7.小規模助成基金(決議Ⅶ.5)の成果を確認しつつも、条約の下での国際協力のこの重要な機構が、毎年該当する締約国が提出する適切なプロジェクトのすべてを支援することができないことに懸念を表し、
8.「ラムサール条約の下での国際協力のためのガイドライン」が本締約国会議の他の決定事項の多く、特に、国際的団体とのパートナーシップ(決議Ⅶ.3)、整合性のある情報管理のための基盤作りを含む、他条約との協力提携(決議Ⅶ.4)、「ラムサール条約普及啓発プログラム」(決議Ⅶ.9)、河川流域管理に湿地の保全と賢明な利用を組み込むためのガイドライン(決議Ⅶ.18)、アジア太平洋地域における渡り性水鳥保全に関する多国間協力(勧告7.3)の各事項と緊密に結びついていることに留意し、
締約国会議は、
9.「ラムサール条約の下での国際協力のためのガイドライン」(付属書)を推奨し、すべての締約国に対し、それぞれが各国の状況に合うよう必要に応じて調整しつつこのガイドラインの実施を考慮するよう要請する。
10.本ガイドラインの実施において、以下の各事項に特別な注意を払うよう締約国に求める。
ⅰ.複数国にまたがる湿地、河川流域、湿地に依存する種を特定すること、また適切な場合には、他の締約国や機関と協力してこれらの管理を目的とするイニシアチブを支援すること(ガイドラインのセクションA、1−3及びセクションB、1−4)。
ⅱ.ラムサール条約の施行と、他の適切な地域的・国際的環境条約の施行との整合を図ること、また本ガイドラインで勧める行動の実施は国際的な計画や機関と協力して進めること(ガイドラインのセクションC、1−2)。
ⅲ.専門知識と情報の共有、及び湿地の保全と賢明な利用を推進する活動に直接に関わる人々への研修の提供を目的として計画される取組、特に湿地の姉妹提携の適用を強化すること(ガイドラインのセクションD、1−4)。
ⅳ.各国の計画と優先順位に従って、湿地の長期的な保全と持続可能な利用を目指した国際開発援助計画のレベルと有効性を高めるため、本ガイドラインで勧められるさまざまな行動を実行すること(ガイドラインのセクションE、1−15)。
ⅴ.湿地に由来する産品の国際取引のすべての側面を検討し、より関連性のある会議における議論を考慮に入れつつ、そうした収穫が持続可能であるために必要なあらゆる行動をとること(ガイドラインのセクションF、1−7)。
ⅵ.その国内の湿地に関するすべての海外投資活動は影響評価を受けること、この意味での産業界の行動規範を推進すること、湿地に関係する開発活動からもたらされる資源が、その資源の長期的な管理に役立てるような措置の導入を考慮すること(ガイドラインのセクションG、1−3)。
11.締約国に対し、その確立された、またはその過程にある湿地関連政策及び法的枠組みの一環として、本ガイドライン及びそれが取り上げる諸問題を十分に考慮するよう奨励する(決議Ⅶ.6及び決議Ⅶ.7)。
12.締約国に対し、開発途上国及び市場経済移行国の国民を対象とした優先的研修手段としての、ラムサール条約事務局のインターンシップ計画に必要な資金や人材等を提供するよう促す。
13.締約国、国際的団体、産業界に対し、ラムサール小規模助成基金に毎年提出される多数の価値あるプロジェクトすべてに基金の支援が行き渡るよう、より長期間、例えば3か年にわたる寄付金額と協力の確約という点から、必要な資金、人材等を提供する努力を強化するよう要請する。
14.ラムサール条約事務局に対し、締約国と本条約の国際団体パートナーの支援を以て、湿地に関連する活動を行う産業界のための、モデルとなる行動規範を収集し普及させるよう求める。
原注1 トルコは本決議前文の8の最終部分、及びガイドラインのセクション1.1⒝、2.1.1、 2.1.2の内容、及びセクションAを述べた囲み部分のA2、A3の内容とそのタイトルについて留保を届け出ている。その結果トルコは、上述の部分に関する限り決議Ⅶ.19が法的拘束力を持つ文書とは考えないとの声明を出している。トルコ代表団によるこの声明の全文は会議報告書[☞英語原文]の第135節に掲載した。
[以上決議本文和訳:「ラムサール条約第7回締約国会議の記録」(環境庁 2000)より了解を得て再録.]
[英語原文:ラムサール条約事務局,1999.Ramsar Resolution VII.19 "Guidelines for international cooperation under the Ramsar Convention", May 1999, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/res/key_res_vii.19e.htm.]
[決議本文和訳:「ラムサール条約第7回締約国会議の記録」(環境庁 2000)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年6月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]
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URL: http://www.biwa.ne.jp/%7enio/ramsar/cop7/key_res_vii.19j.htm
Last update: 2006/09/27, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).