バイオディーゼル燃料とは?

バイオディーゼル燃料で走行する京都市のゴミ収集車バイオディーゼル燃料は植物油を原料としたディーゼルエンジンに使用できる軽油の代替燃料です。使用済み食用油をリサイクルしたバイオディーゼル燃料は全国に先駆け京都市のゴミ収集車(写真)や市バスに使用されています。
京都市では市民で回収した使用済み食用油をバイオディーゼル燃料にリサイクルし、平成9年11月より市のゴミ収集車220台(バイオディーゼル燃料100%使用)、平成12年4月より市バス(2007 年現在、95台:軽油に20%混合使用、2台:100%使用)に使用しています。
行政・市民・企業が協働したこの取組みで京都市は年間約150万リットルのバイオディーゼル燃料を使用しており、軽油を使用する場合と比較して、年間約4,000トンの二酸化炭素の削減しています。(参考:京都市環境局
また、地域住民によるバイオディーゼル燃料化の取組みも各地で行われています。(参考:丹後の自然を守る会

使用済み食用油をリサイクルしたバイオディーゼル燃料は原料(使用済み食用油)の状態にばらつきがあるため高い品質を得るのは困難であるのが実情です。品質に問題があるバイオディーゼル燃料を使用すると車両トラブルなどの原因になってしまいます。京都市や丹後地域で使用されているリサイクルバイオディーゼル燃料は「京都スタンダード」という厳しい品質規格をクリアしており、各地域でバイオディーゼル燃料化の取組みを行う際は、製造したバイオディーゼル燃料がこのような規格を満たす品質であることが重要です。(※)

※バイオディーゼル燃料(脂肪酸メチルエステル)のJIS規格(日本工業規格)が制定されました

平成20年2月20日制定
規格名称:自動車燃料−混合用脂肪酸メチルエステル(FAME)
規格番号:JISK2390
JISC(日本工業標準調査会)http://www.jisc.go.jp/

バイオディーゼル燃料を使用することには以下のようなメリットがあります。

地球温暖化を防ぐ一助になります(カーボンニュートラル)

カーボンニュートラルの考え方

石油や石炭などの化石燃料は何千万年も昔の炭化水素を燃焼して使用することによって現代の大気中の二酸化炭素量を増やしてしまいます。産業革命以降の化石燃料の使用による急激な二酸化炭素の増加が地球温暖化の大きな原因とされています。
化石燃料ではなく、二酸化炭素を吸収して成長する植物から作られたバイオマス燃料を使用すると、『植物の成長過程で吸収する二酸化炭素量=燃焼によって発生する二酸化炭素量』とされるため、二酸化炭素の排出量はゼロになります。このように二酸化炭素の放出と吸収が相殺されている状態を「カーボンニュートラル」といいます。
化石燃料の軽油をバイオディーゼル燃料に代替することによって、地球温暖化を防ぐ一助となります。

地球温暖化防止を目的とした京都議定書で、日本は2008年から2012年の間に「1990年の二酸化炭素排出量を基準に6%の排出量削減」を義務付けられています。2005年の時点で日本の二酸化炭素排出量は1990年比で8%増加しており、国際公約達成のためには14%の削減が必要です。(参考:チーム・マイナス6%

排気ガスによる大気汚染を軽減できます

バイオディーゼル燃料を使用すると、軽油使用時とと比べて排気ガス中の有害物質が少なくなります。

バイオディーゼル燃料と軽油の排気ガスの比較

日本では「黒煙がたくさん出る」「エンジン音がうるさい」などのマイナスイメージがあるディーゼルエンジンですが、現在の技術によるディーゼルエンジンはそういった問題をほぼ解決しており、むしろ燃費が良く、二酸化炭素の排出を減らせる環境にやさしいエンジンとして、環境先進国の多い西ヨーロッパ諸国で特に普及しています。

未来へつながる資源循環型エネルギー(再生可能エネルギー)です

限りある化石燃料(石油や石炭)と違い、植物(植物性の使用済み食用油)から作られるバイオディーゼル燃料は資源循環型エネルギー(再生可能エネルギー)です。
再生可能エネルギーとは、自然の力で再生できるエネルギーのことです。
自然界で化石燃料ができるまでには数千万年単位の時間がかかりますが、植物をはじめとするバイオマス(生物由来の資源)は短いサイクルで循環・再生させることができます。