風船

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             風船     ふうせん
            
            
             風船とはよくつけた名前ですね。
             まさに風の船。少しの空気の流れに乗ってふわりふわり。
             紙風船も風情があっていいものですが
             やはり新緑の春はゴム風船。
             新しい風船はぷぅっと思いっきり息を吹き込んでも
             なかなか膨らまず顔を真っ赤にしていたものです。
            
             子供たちにとっては春祭などの縁日で売られているのは特別で
             細い糸の先に浮かぶ大きな風船。
             あり得ないのに大きなたくさんの風船にぶらさがって
             大空に舞い上がる自分の姿を夢にみました。
             たった一つ買って貰えた風船も小さな手からいつか離れて
             春の空の霞の彼方に消えるまでいつまでもじっと
             みていました。