めだか日記 2001


掟破り!  お見事!  孵化成功!  PH調整   選手交代


掟破り!   

平成13年2月14日(水)

 いよいよ21世紀が始まりました。我が家のメダカ君達は、寒さに耐えじっと春を待っています。
水槽表面に分厚い氷のはるような中でも、水の底で息をひそめるようにしていました。その姿が自然に生きるものたちの力強さを感じさせてくれました。
 今年は、我がメダカの学校も「メダカ池」づくりに挑戦します。休耕田をお借りして池を作り、狭い水槽から解放してやり、繁殖活動を助けようというものです。そして同時に小学校の児童たちに、生き物とふれあう機会をつくろうと思っています。
 そこで少しでもたくさんのメダカを池に放すため、メダカの繁殖を春まで待てない私は、とうとう掟破りのヒーター作戦にでることにしました。水槽にヒーターを入れ、常時26℃の水温にしてやることによって、メダカの繁殖活動を誘発する作戦を採りました。

 DIYショップでヒータを2本買ってきて、2つの水槽に入れました。実験対象のメダカは約20匹(オス6:メス4)で、片方の水槽に寄せて、もう一方は昨年晩夏に孵化して成長の遅い子メダカ2匹を親メダカに食べられないよう分けてやりました。こちらには産卵した卵を移す専用水槽にする予定です。
 ヒーターを入れて約2時間後、環境が変化したメダカたちは驚きのあまりか?それともうれしいのか?活発に泳ぎだしました。今日まで殆ど動かなかったのが嘘のようです。子メダカの水槽も水温は約25℃で以前より活発に動き出しました。
 折しも今日はst.バレンタインデイ。メダカ君たちに私からのプレゼントとします。
 さて、掟破りのヒーター作戦は吉と出るのか?


お見事!

3月1日(木)

 実験開始から約2週間、待ちに待ったメダカの産卵が一斉に始まりました。ヒーターを入れてからというもの、毎日活発に動き回り、エサもよく食べて丸々と太っていたメスのお腹。そしてオスの腹ビレの黒ずみが、繁殖期の近いことを知らせてくれていましたが、本日ようやく産卵の日を迎えました。
 実験はひとまず大成功でした!産み付けが終わって落ち着いた夕方に早速水草から卵をはずし、子メダカのいる温水槽へ移してやりました。子メダカももう少し大きくなったら、親メダカの方へ移してやろうと思っています。
 これから毎日産卵を続けることでしょう。


3月7日(水)

 産卵が始まってからというもの、毎日夕方には水草から卵を取り外し、孵化専用水槽へ移すのが日課になってしまいました。その数毎日20〜30粒はあると思います。さて、どれだけ成魚になってくれますやら?
 昨年からの子メダカも、みるみる餌を食べて大きくなってきたため、もう親メダカに食われる心配も無いと思い、今日から親メダカの水槽に移してやりました。(孵化した稚魚を食べられても困りますので)
 昨年は産卵から9日目で孵化が始まっています。このままいけばもうそろそろでしょうか?


孵化成功! 

3月8日(木)

 なんと子メダカを移した翌日から、早速孵化がはじまりました。1日約20〜30粒の卵を採卵していましたが、まず2匹が孵化しました。21世紀はじめての子メダカの誕生を祝い、たった一人で水槽を眺めながら祝杯をあげました。
 初めて見る世界に心細そうに泳ぐ2匹の子メダカが、なんとも愛おしくてなりません。
その後孵化は順調に進み、毎日3〜4匹の稚魚がかえっています。
さて、このうち何匹が成魚にまでなることができますか。お楽しみ!

 


PH(ペーハー)調整

3月18日(日)

 昨年あまり気にしていなかった水のPH(ペーハー)を今回測ってみることにしました。時々水を足してはいましたが、メダカの活動が活発になってからあまり水替えをしていなかったので、これまでの反省も含め行いました。

PHとは、水中の水素イオン濃度を表す数字でPH7が中性、数字がこれより大きくなるとアルカリ性小さくなると酸性を表します。メダカのすめる環境には弱酸性(PH6くらい)から弱アルカリ性(PH8)くらいが適していますので、早速市販の試薬(BTB液)を用いて測定してみました。

 親メダカの方はなんとPH5に近いかなりの酸性でした。これは、たくさんの親メダカが毎日餌を食べ、糞(ふん)をしていることに関係しています。これらの糞は、バクテリアによって分解され(硝化といいます)硝酸塩(強い酸性)となります。
 また、魚たちの呼吸によって排出された二酸化炭素が炭酸ガスとして水中のPHを酸性にしていたのもひとつの要因です。これだけの酸性化要因があったにもかかわらずメダカが元気でいたのは、緑色した水中のプランクトンが光合成によって二酸化炭素を消費してくれていたからでしょう。
 PHが6以下になると糞を分解してくれるバクテリアたちの活動が極端に弱くなります。こうなると糞は分解されずに、アンモニアや亜硝酸が増えて環境は益々悪くなります。
 そこで約1/3の水を換えてやることにしました。普通の水道水をカルキだけとばして入れてもいいのですが、PH5という強酸性でしたので家庭用浄水器(アルカリイオン整水器)を使ってPH10の水を足してやりました。中和後のPHはやっと6.5まで戻りました。
 
 一方子メダカの水槽は、PH9といった強アルカリ性でした。これは、まだ小さな子メダカ達はエサもあまり食べず、植物プランクトンの光合成のみ活発だったせいでしょう。これがどんどん大きくなってたくさんの糞をするようになるとまた酸性側に傾くのだと思います。
とりあえずこちらは、親メダカの水槽から出した酸性水を足してやりPH7.5にまで下げてみました。

 


3月21日(水)

 うれしい悲鳴です!
子メダカの方の水槽は、毎日採卵をしたおかげもあって孵化した子メダカ君たちをもう数えることができなくなりました。一番最初に孵化したグループ達は、既に体長10mmほどに成長し、追いかけっこをしている毎日です。もうしばらくしたら親メダカと一緒にするか、子メダカ水槽の第2弾を買うべきか・・・
 とにかく昨年の失敗を繰り返さぬように大事に育てます。


4月2日(月)

 とうとう今年最初に孵化した子メダカたちを、親メダカの方に移さなくてはならなくなりました。日に日に成長する子メダカは、孵化したての稚魚を追いかけ回すようになり、窮屈ながらも親メダカの水槽に移すことにしました。
 なるべく大きなのを選って約30匹の子メダカを親と一緒にしました。今度は自分たちが大きな親メダカに追いかけ回される番です。体は小さいとはいえやはり一度に30匹も入るとかなり窮屈そうです。
 外で飼っているメダカ水槽の水温はまだ8℃。ちょっと環境が違いすぎるため外へも移せないので、やはりもうひとつ水槽がいるみたいです。


 選手交代 

4月19日(木)

 よくぞ頑張ってくれました。第一陣の産卵にかり出されたメダカ君達は、昨年のリベンジを見事に果たし、実にたくさんの子メダカを産んでくれました。
狭い水槽の中であまりたくさんの近親メダカを飼っていると、「近交弱勢」となり、繁殖力が弱まったり奇形種が生まれるそうなので、ここらで違うメダカ君達第二陣の出番となりました。
 外のメダカは水温15℃で中は25℃と大きく差があるため、水温の変化にだけ十分配慮しながらメダカたちの入れ替えを行いました。
 少し大きくなった約30匹の子メダカを従えて総勢50匹のメダカは、元の屋外水槽(樽の中)へ。代わりに20匹ほどのメダカを新たに中の温水槽に入れました。水温の低い中で野生のメダカらしく冬を越してきた彼らは、第一陣に比べ動きが素早く、スリムな体型でした。それに比べると毎日温水の中でエサをたっぷり食べていたメダカたちはサンマとフグほどの違いがありました。
 やはり人間に飼い慣らされてしまうのも、自然界ですむべき彼らにとっては幸せなことでもないような気がします。
 環境になれるまでしばらくは産卵しないでしょうが、その間は約100匹ほど孵化している子メダカの水槽をお世話させていただきます。


6月9日(土)

 しばらくサボってしまった「メダカ日記」です。先日のメダカ池づくりに追われてすっかりご無沙汰してしまいました。
 これまでの動きを簡単にご紹介しますと、4月19日に交代したメダカたちは2日後には早速卵を産み始めました。毎日毎日産み続けています。現在孵化したメダカは200匹は越えていることでしょう。
 しかし、そのわりに水槽の中にはある一定の密度しか子メダカがいないような気がします。
そこで私は、ある仮説をたててみました。
 1.水槽の大きさに応じて、ある程度の数を超えるとメダカは(生きものはみんなかも?)共食いをして各自の領域を守るのではないか。
 2.孵化して数日はエサを食べないで生きていける子メダカには、栄養がたっぷりでそれを共食いしたメダカはドンドン成長していくのではないか。
(100匹以上いる子メダカの中に、どれだけすくいとっても、いつも5匹ほど飛び抜けて成長の早いメダカがいる。)

 ところで、屋外の水槽にいたメダカは全部(300匹ほど)メダカ池に放しました。5月20日の放流以降、池の水温は20〜30℃と暖かく、産卵に絶好の時期を迎えました。
昨日池の様子をみたところ、水草(ホテイアオイ)に卵がたくさんついており、そのまわりには既に孵化したばかりの子メダカが群れをなしていました。これから益々成長が楽しみです。

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