多景島 沖島 沖の白石 竹生島

                   琵琶湖の島巡り
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1.はじめに   琵琶湖には四つの島があります。  大きさの順としては、沖島(おきしま)、竹生島(ちくぶしま)、多景島  (たけしま)、沖の白石(おきのしらいし)です。   知名度から言えば、一位は竹生島、二位は沖島でしょうか。  私は沖島以外は近くに寄ったことがありません。   今回は、四島を 多景島⇒沖島⇒沖の白石⇒竹生島 の順に巡りました。   2.多景島   島巡りの出発点は彦根港です。  多景島は彦根港の西(7キロメートル位でしょうか)に位置します。  (以下、本稿で述べる距離は、開いた地図による目測(推測)値です) 20071103biwakoislands (1).jpg ←彦根港   ↓遥か彦根城を背に出発 20071103biwakoislands (2).jpg   およそ20分位で多景島が全容を現しました。  多景島の名前の由来は、見る位置によって姿が異なるから、という理由によ  るそうです。 20071103biwakoislands (3).jpg ←東から見た多景島   ↓南東にある桟橋 20071103biwakoislands (8).jpg   多景島は人が住んでいない無人島です。  島全体が岩の塊りで、水上に切立っているため、上陸しにくい島です。  しかし、寺、寺務所、記念塔、多数の石塔などがあり、観光客用の施設は整  っています。   かつては、大津から美濃に至る東山道を利用する者にとって、湖上交通の  中継地点として利用されたようです。およそ25年前、桟橋の改修の折に湖  底遺跡が確認され、無数の土器、銭、金属製品などが引揚げられたそうです。   20071103biwakoislands (7).jpg ←切立っている岩   ↓遠くに見える沖島 20071103biwakoislands (6).jpg   多景島は、元々は竹島と呼ばれていたようです。  そう思ってみると、篠竹が群生していました。 20071103biwakoislands (4).jpg ←群生している篠竹   ↓  20071103biwakoislands (5).jpg   見学が終わった後、船で島を一回りして沖島に向かいました。     ↓北から見た多景島      20071103biwakoislands (9).jpg            ↓西から見た多景島           20071103biwakoislands (10).jpg                   ↓南から見た多景島(後方は伊吹山)                  20071103biwakoislands (11).jpg 3.沖島   多景島から沖島までは15キロメートル位ありそうです。  南西に向って40分位走りました。 20071103biwakoislands (12).jpg ←北から見た沖島   ↓漁港のある南側  20071103biwakoislands (13).jpg   沖島には現在およそ400人が住んでいるそうです。  地名は近江八幡市沖島町です。ここは1年前に訪れたことがあり、島の様子  を記していますので、既報の 沖島 をご参照ください。 20071103biwakoislands (14).jpg  遠くに近江富士 (三上山)が見えま す(三角形の山)。  近江富士について は、既報の  三上山縁起 を ご参照ください。 ←近江富士の遠望   漁港会館で昼食をよばれ、ボランティアガイドさんの案内で島内を見学し  てから、島を後にしました。          ↓対岸にある近江八幡の休暇村         20071103biwakoislands (15).jpg   伊崎の竿飛び として知られる場所があります。  湖上に突き出た棒の上から7メートル下の湖面へ飛び降りる祭りが、毎年8  月に行われます。対岸に見える白い横棒が湖上に突き出ている柱です。                                  ↓伊崎の竿                   20071103biwakoislands (16).jpg 4.沖の白石     沖島の次は竹生島を目指しました。  沖島から竹生島までは、30キロ位ありそうです。   実は、竹生島に向う途中に、沖の白石があります。  沖の白石は多景島の西、およそ4キロの位置にあります。船は多景島と沖の  白石の間を抜けて竹生島に向うような航路が設定されています。 20071103biwakoislands (17).jpg  北の彼方に、突き出ている岩が見えてきま した。  沖の白石です。 ←姿を現した沖の白石        ↓全容が見えました        20071103biwakoislands (18).jpg                ↓大きな岩と小さな岩が向き合っています               20071103biwakoislands (20).jpg   琵琶湖四島のひとつとされる沖の白石です。  島とは言え、水上に突き出ている岩だけです。一番高い岩は10メートル以  上はあろうかと思われます。岩は(湖西からの眺めとして)夕陽を受けると  白く映えるそうです。   どこかの海の島のように、軍事施設を築くほどの広さはありません。   少し減速した船は、沖の白石を通り過ぎると、再び加速しました。                 ↓無言で佇む岩              20071103biwakoislands (21).jpg          ↓みるみる遠ざかる岩          20071103biwakoislands (23).jpg    ↓すっかり遠ざかった岩(右手奥が沖島)   20071103biwakoislands (24).jpg 5.竹生島 20071103biwakoislands (25).jpg  竹生島も岩の塊りです。 ←島の周囲は切立った岩   ↓  20071103biwakoislands (32).jpg 20071103biwakoislands (31).jpg  桟橋の奥に土産物屋が数軒あり、急な階段が 上に伸びています。 ←桟橋から見上げた山腹    ↓宝厳寺の本堂(弁財天堂)   20071103biwakoislands (27).jpg 20071103biwakoislands (28).jpg  竹生島とは、字の如く竹が生えている 島という意味でしょうか。 土産物屋さんのお年寄りに訊ねたところ、 島の北部に孟宗竹が茂っているとのこと でした。 ←竹林    ↓国宝の唐門   20071103biwakoislands (26).jpg 20071103biwakoislands (30).jpg ←竹生島神社本殿(都久夫須麻神社)     ↓かわらけ投げ(拝殿)    20071103biwakoislands (29).jpg   宝厳寺の創建は1,200年以上も昔だそうです。   この島に人は住んでいません。数軒ある土産物屋さんは、12月から2月ま  ではお店を閉じるそうです。 20071103biwakoislands (33).jpg  陽が傾き始めた頃、島を後にしました。 一路彦根港に向います。港に近づいた頃、 遠くに多景島と沖島が見えました。 ←夕闇に包まれ始めた竹生島     ↓多景島(右)と沖島(左)    20071103biwakoislands (34).jpg   竹生島は、神の棲む島として、古来から崇められてきたようです。  神の棲む島は、遠くから眺める方が趣が深いでしょう。  夕陽の中に浮かぶ竹生島の風景は、多くの写真愛好家を惹きつけています。   既報の 湖北の冬景色 もご参照ください。 6.おわりに   近江名所圖會 という本があります。  およそ200年前に出版されたもので、近江の風景(版画)や故事などを紹  介しています。琵琶湖四島についての記述を抜粋してみましょう。  湖中嶼(こちゅうのしま)   竹生島 ..竹生ふるの事、[舊事本記]に見えたり。信じがたければこ         れを略す。..   多景島 竹島とも書くなり。見塔寺といふ法華宗の寺あり。..    沖の島 沖津島ともいへり。神社あり。人家四五十軒。..   白石  四石峙ち(そばだち)、水際より六七間出て、色白し、鳥の糞に       て白しとも云ふ。..   最近、京都で40歳代の男性と話す機会がありました。  彼は京都の中心部で生まれ育ちましたが、まだ金閣寺を訪ねたことがない、  という言葉に驚かされました。   今回の島巡りは、町内会の行事でした。島巡りに決定したのは、アンケー  ト結果によるもので、私の願いが叶いました。                     (散策:2007年11月03日)                   (脱稿:2007年12月02日) ------------------------------------------------------------------
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