伝統工法・構法って何?

構法的な在来構法と伝統構法の相違

伝統工法と在来工法の構造図 建築の専門家の方々でもなかなか明快に区別して語られていないのですが要するに、柱を使って家を建てるという構法を 『木造軸組み工法』 といい、筋カイ、それに伴う付属金物及び構造用合板に類するもので壁量を確保し、この壁量の確保ということの追求のみで、家を建てるという構法を 『在来構法』 といいます。一方 『伝統構法』 では壁量に頼らず、構造架構そのもの、すなわち 『木組み』そのもので家を建てて行おうということであり、壁に力を求めない、いわば壁はパーテーションであり、それよりも大きな木を力強く組み合わすことによって、耐力を生み出すということが 『伝統構法』 といえます。
 現在、我が国で建築されている木造軸組み構法住宅の99%は在来構法であり、伝統構法は1%程にしかすぎないと思われます。
 『伝統構法』 は木組架構そのものでありますから、長年にわたり受け継がれて来た型があり、それに居住性・現代性を求め、型を変形させる時にあっても可能な限りこの架構に固守することを旨とし、又この構造美を生かした設計を考えるものです。

工法的な在来工法と伝統工法の相違

 在来工法ではボルトナット等の金物を用いることにより、木を引き寄せるのであるが、加工自体が単純であくまでボルトの力に頼ったものである。伝統工法では、樫の木等の堅木を利用することで木と木を引き寄せる行為をするため、木材に対する細工がたいへん精密なものになる。まさにこのことが『 匠千年の技 』の結晶と云えるものです。

  在来工法ではボルトナットに頼るため、木の持っている力全体で引き寄せるという形になっていない。伝統工法では『材』そのものが体いっぱいの力を発揮してくれるような形に刻み加工するところが大きく違う。この一本一本の木、一カ所一カ所の加工の違い、工夫の度合い、そのことにかける熱量の違いが『伝統』というコトバであると思っております。この違いはぜひ現物を見てあなたの目で確認しなければ判らないと思います。

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