ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第1話 香港からバリ島へ BackNext

住を決意し、引越し準備に取り掛かった。9年も香港で生活しているといろんなものが溜まってくる。 そもそもバリ島へ移住するなど考えてもいなかったので、結構大きなものを購入してしまったりしている。家具や食器、家電、ピアノ、ぬいぐるみ、オーディオ機器その他もろもろ。 愛着のある物も多いがしょうがない、みんな処分しよう。 ガレージセール(と言っても自宅でセールするのだが)のチラシを作り、自分の住むマンションの各家庭に配った。住んでいたマンションはワンフロアー8世帯、40階立て、約300世帯入居している。 チラシを配った翌日、オープン早々、赤ちゃんを連れた若い西洋人カップルが来て、娘の着古しや、おもちゃ、絨毯、CD…等等、一度に運べないほど購入してもらった。 そんな調子で一日があっという間に過ぎ、売れないと思っていたマウンテンバイクもオーディオも全て完売できた。この売り上金は後々バリ島で電化製品や家具の購入にあてることになる。

て、次なるは課題は、如何に経済的に家族3人で香港からバリ島へ移住するかだ。まともにエアーチケットを購入すれば非常に高く付く。 そこで旅行会社のパッケージツアー(4泊5日)に参加する事を思い付いた。ツアー会社に申し込む際に参加の主旨を予め説明し、バリ島からの帰りの便には乗らない旨の了解は得ていた。 ツアー会社が要求してきた事はただ一つ、バリ島でもツアーで行動を共にしないのだからある程度のチップはツアーガイドに渡すように、との事だった。 このツアーに参加する事のメリットはたくさんあった。まず、バリ島往復格安エアーチケットよりも、このパッケージツアーの方がホテルも4泊分ついているにもかかわらず安い(パッケージ料金、約3万円/人)。 次に、一時的にホテルに泊れるので、その間自分たちの住居を探す事ができる。 最後に、持参した荷物はスーツケース8個とバッグが5個で、おそらく総重量300kgを越えていたと思われるが、ツアーでのグループチェックインだったので、重量超過でお咎めを受けることがない。一石三鳥だ!! しかし、人生そんなにあまくはない。到着したバリ島の空港の税関で、たっぷりお咎めを受ける事になる。それもそのはず、観光目的のはずなのに荷物をチェックすればFAXマシーンやコンピューター、子どもの教材、フライパンやナベ、… おまえは一体、何しにバリ島へ来たのか?

局、税関の別室に連れて行かれ、ながながと事情を説明する事になる。後々、この事を僕たちのVisaをサポートしてくれているインドネシアの友人に言ったら、そんな時の為にVisa申請中の書類などのコピーはいつも携帯しておくべきと注意された。(その時は、まだVisaは申請中だった。) さて、到着しホテルでくつろぐ間もなく、レンタカーを借りて住居探しと学校(幼稚園)探しに出かける。結局ツアーの4泊のなかでは気に入った住居が見つからず、取り敢えず海の近くにあるバンガローを一ヶ月借りる事にした。 そこは共有のプールも付いていて静かで落ち着いていた。家内はこの一ヶ月の間、引越し準備など一人で切り盛りし、大分疲れていた。丁度良い機会だ、一ヶ月のんびりしながら家探しをしようではないか。


(1999.3.7)

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