ESTATE★椰子の木の下で 〜バリ島ずっこけ物語〜
  ひょんなことから、突然バリ島へ移住してしまった日本人家族の日々の喜び、驚き、感動を綴ったエッセイです。
バリ島生活泣き笑い。これから行き着く先は・・・!?
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第15話 お稽古事 BackNext

手リゾートホテルに勤務する知人のお陰で、そこのホテルのメンバーカードを入手する事ができた。特典はいろいろだ。プール(とても広い)は無料の他、多くのファシリティーやレストランで割引が効き、宿泊費も安くなる。 以前、香港でホテルのファシリティーを使いたくてメンバーシップ費用を調べてみて驚いた事がある。とても手の届く価格ではなかった。そんなこともあって、このカードを頂いた時には嬉しくて嬉しくて香港の友人に自慢したことしかり。^_^;

「バリ島の一流リゾートホテルの敷地面積は香港と比べて10倍は少なくとも広いぜ。俺はそこのメンバーだ。すげーだろ。」

「バリ島に来たら安いところ泊ったらいいじゃん。一流ホテルに行きたきゃ俺がメンバーだから連れてってやるよ。」

なんて嫌みな奴だ。

テル側としてはメンバーカードを発行する事によって、メンバーがお客様を連れてきたり、僕たちが何がしかのお金をホテルで落とす事を期待しているわけだが、僕たちファミリーが利用するのは無料のプールばっかり。 それでもホテル側としてはそこで飲み物や食べ物を売れれば嬉しいところだが、僕たち家族には通用しない。お弁当と水筒持参でやってくる。困ったメンバーだ。さらに厚かましいことに、プールサイドでお姉さんが銀のトレーに乗せたフルーツを、ビーチチェアーでくつろいでいるお客様に無料サービスで「おひとついかが?」とやってくるのは絶対に見逃さない。 もう一つ貰おうと今度はサングラスを掛けて変装し、先回りして空いているビーチチェアーに行こうとしたら「アンタいいかげんにして!」と妻。

テルにはテニスコートも付いている。全天候型の屋根付きだ。運動不足ぎみだった僕は一人でも参加できないものかと覗きに行った。そこでは男だけが参加できるメンズナイトというナイターが週一回あり、そこのコーチたちも参加して練習やゲームを楽しむ。 日中のように暑くなく、参加費も非常にお値ごろだったので、早速参加させてもらった。参加者のほとんどはバリ島在住の西洋人だ。僕の学生時代から独身サラリーマン時代にかけて、女の子を遊びに誘うのに夏はテニス、冬はスキーが定版だった。 そんな動機で始めたスポーツだから僕のレベルは知れてる。サーブなどは万有引力に頼って、上からでなく下からラケットを振り出す。結構カッコ悪い。僕のダブルスのパートナーも気の毒だ。そういう事で極力試合は避けるようにしている。 ヘッドコーチはスペイン系フィリピン人でかつて世界のジュニアトーナメントでランク入りしたほどの人だ。さすがフォームもきれいで、何て言ったって球のスピードが違う。どんなスポーツでもそうだが、プロとアマの違いはスピードではないだろうか。
コーチとの雑談中に子どもの為のテニス教室も開催している事を知り、娘も参加できないものかと尋ねてみた。

「最年少クラスは7歳からで(娘はその時5歳)週二回のレッスンだが、最初は慣れるまで週一回参加してみたらどうだ。レッスン費は半額でいい。」
「一番大切な事は技術的な事よりも子どもがテニスを好きになることだから。」

ッドコーチは非常に笑顔の素晴らしい人で、話していてテニスに対する思い入れや子どもに対する愛情がひしひしと伝わってくる。このヘッドコーチの下だったら安心して娘を預けられそうだ。早速申し込む。 娘は生まれて初めての“お稽古事”だ。小さなラケットを購入して張り切って初日のレッスンに臨んだ。10人ほどの生徒のほとんどはインターナショナル校に通う生徒のようだ。ヘッドコーチは片時も子供たちを励ます事を忘れず、上手くできた時は「Good job!」を連発する。 落ち着きのない子供たちも、このコーチの下で何か魔法をかけられたように自分のプレーに熱中する。すごいな、みんな真剣で、なおかつ楽しんでいるのがよく解る。生徒にアドヴァイスする時でも子供扱いせず、友達のようにファーストネームで話しかける事を忘れない。 僕は娘のスイングを見て、将来はステフィン・グラフのようだな、と想像し、将来のありもしない父親インタビューに備えた原稿などを考える。

る日いつものようにレッスンに行くと生徒は娘以外誰もいない。どうやらインター校でなにか行事があるようだ。その日のレッスンは中止だろうと諦めて帰ろうとするとコーチが出てきて、「さぁ準備体操しよう」と5歳の娘を連れてコートに出て、いつものようにレッスンを始めた。 たった一人の生徒のために。しかも相手は5歳だ。これにはちょっとばかり驚いた、というか考えさせられた。僕がコーチだったらここまでするだろうか。この日のレッスンをキャンセルして皆が参加できる日に振り替える事もできるのに。 当然のごとくこのコーチの評判は非常に高く、今ではなかなか申し込めないようだ。娘は飽きもせず既に半年ほど通っている。上達のほどは? 取り敢えず将来に備えた父親インタビューの原稿を考える事は止めにした。
(1999.5.2)

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