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学校近視について一言

医院、眼科診療の話題
-- 学童の近視について --

5月から7月にかけては学校健診で視力の低下を指摘されて受診される方が増えます。
たいがいの場合は近視のために裸眼視力が低下しています。
学童における近視の頻度は年々増加傾向にあります。
下の表は文部科学省の統計で学童における裸眼視力1.0未満の児童の割合を年代で表にしたものです。

小学校 中学校 高等学校
昭和 54 年
17.9  35.2 53.0
平成 元 年 20.6 40.9 55.8
平成20年  29.9 50.6 58.0

単位(%)
この視力低下の原因はほとんどが近視です。すなわち、近視の発症の低年齢化が非常に進んでいます。
ご存じの方が多いと思いますが、近視には屈折性近視と軸性近視があり、その両方の要素を持つ児童もおられます。純粋な屈折性近視の場合には可逆性(視力の回復する可能性)でありますが、軸性近視の場合は眼球の形が変わっていますので、近視が消失することはありません。
実際には軸性近視の方がほとんどですので、原則として裸眼視力が両眼で0.7未満の場合には教室での眼鏡矯正が必要になります。

強調したいこと
初めてお子さんが視力低下を指摘されると。「何とかして治らないか」と聞かれる方が非常に沢山おられます。そして、「 目が悪く なった」と嘆かれます。
目が悪くなったわけではない
近視になりますと確かに裸眼視力(遠見視力)は低下しますが、「目」が悪くなったわけではありません。遠見視力が低下しても、近見視力は遠視や乱視の方よりもはっきり、楽に見えます。
「近視」=「目が悪い」の誤解と悪習 
学校健診での視力検査は何のために行っているのでしょうか?
近視を見つけるため? 確かに結果として、そのような要素もあります。
しかしながら、健診の目的とは学校生活上で支障なく学習生活ができているかを確認することなのです。
ですから、近視を発見された場合には、メガネを掛けないと授業中にハンディになるのか、あるいは、メガネなしで支障がない状態なのかを判断することが最も大切なのです。
でも、実際には、「近視」=「目が悪い」と考える親がまだまだ多くおられ、「何とかして治らないか」と医院を転々としたり、民間療法に頼ったりされる方も未だにおられます。こうして、この子供さんは、「近視は悪いもの」、「メガネは悪いもの」と洗脳され、代々と引き継がれていきます。
根本は近視についての正しい理解ができていないことが原因です。私は10数年前から講演会や視能訓練士に対しての講義で近視に対しての偏見をなくしていこうと訴えてきていますが、まだまだ難しいですね。
個人の自由が尊重されますので、近視の児童をかかえた親は納得するまで眼科医等に質問したり、色々な方法を調べてみていいと思いますが、決して忘れてはいけないことは、子供さんが事業中に不便していないか?自分の間違った考えで子供さんの見える権利を奪っていないのかをよく考えて欲しいことです。

ちょっと熱弁してしまいました。
子供は親をみて育ちます。子供のことをよく観察しましょう!
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