■かまいたちの夜リレー小説篇とは

ゲーム「かまいたちの夜」に登場する人物で、ペンションシュプールでの出来事をリレー小説にしてみようという企画です。

 

「かまいたちの夜リレー小説篇」 ログ2

  「みどりさんの悲鳴よ…」
「い、行ってみよう…」
僕と真理は手を握り、悲鳴が聞こえてきた方向に歩き出した。しばらく歩くと、小林さんの足元
に崩れる様に座るみどりさんと、ドアの開いた部屋の中を呆然と見つめる小林さんの姿があった。
「ど、どうしたんですか?」
「ま、真理ちゃんはきちゃ駄目だ!」
小林さんは、慌てて僕たちを制した。僕は先ほどの鉄アレイと、小林さんの慌てぶりから、嫌なことを
想像した。
「真理は、ここにいて…僕が見てくる」
こくんと、真理はうなずいた。
僕は真理の手を離し、小林さんが見つめる部屋を恐る恐る覗いた。その中はというと…
  俊夫がたおれていた。
まだ息はあった。
「俊夫さん!俊夫さん!」
僕は言ったすると真理が
「きゃーー」と言った。
真理のほうを見ると真理が犯人につかまっていた。
「真理!」みんなが はっ とした。

  犯人「悪いがてめぇらには死んでもらおうか。」
  「あの…小林さん?」
僕が犯人かと思ったのは、真理に目隠しをしている小林さんだった。
「ちょっと、おじさんなの?びっくりするじゃない!」
真理は犯人だと思ったのがおじさんだと知って安堵したようだった。
「いやあ、真理ちゃんは来るなっていったのに、覗こうとするから…血だらけの俊夫君見たら、真理ちゃん気絶するんじゃないかって思って目隠ししたんだけど…皆がすごい反応するからちょっと冗談を…」
僕と真理はあきれ果てた。こんな緊迫した事態に冗談だって?
「そんなことより、小林さん、救急車を!真理はみどりさんを頼む!」
小林さんは、慌てて電話をかけに行った。真理は、憔悴しきったみどりさんに声をかけていた。
僕は俊夫さんに声をかけながら、傷口をみた。頭を何かで殴られたようだ。多分廊下に落ちていた鉄アレイで殴られたのだろう。ふと、冷たい風が吹いているのを感じた。窓が開いているようだ。犯人は窓から逃げたのだろうか?
  部屋の中を見てみるとなにやら窓のほうに血がついていた。
でも鍵がかかって出れるわけでわなさそうだ。ほかには20センチほどの穴が壁にあった。
その穴から外を見るとなにやら血がついた棒が!
トリックはわかったけれど犯人はいったい?
  ちなみに20センチのあなとは 窓ガラスがわれたものだ。
トリックはかんたんそこから棒にひもをつけそこに鉄アレイをつける。
そしたら俊夫さんにあてる。
棒に血がついているのはその時に飛んだ血。
俊夫さんをうらんでいる人・・・・・。
  まっまっまさか・・・・・・
        これは ・・・・・・・・(きゃーーーー)
  「きゃーーーー」真理の悲鳴だ!
「ふっ やっぱこんな簡単なトリックじゃな・・・・・これぐらいやんねぇーとつまんねぇ」
「だれだ!!」僕が言った。見た瞬間みんなはっとした。
「おまえは!」僕が言うと、
「田中一郎だ」といった。
「真理は関係ない真理を放せ!」
「いやだね」 「なぜそんなことする!こんなことして楽しいか!」
「あぁ 俺なんせはみどりのことが好きだった。いまでもな!」
  俺は香山春子と渡瀬可奈子が好みだ
  渡瀬可奈子?誰だろう・・・まあいいや。
「田中さん!真理さんを放しなさい!」
みどりさんが立ち上がり、田中さんに向かって言った。
「私のことが好きなんでしょ?だったら私の言うこと聞いてよ!」
「この子を放したら俺と付き合ってくれるか?」
みどりさんは、しばらく考え、
「良いわ。」
と言い放った。田中さんは真理を放し、
「みどり〜」と手をあげてみどりさんの胸に飛び込む・・・前に・・・真理が後ろから頭を殴り、
みどりさんが前からみぞおちに一発叩き込んだ。美しい連携プレイ・・・
田中さんは、呆然とひざから崩れ落ちた。
「透!紐か何かでこいつ縛って!」
真理・・・俺よりたくましいなあ。

こうして、事件は終わりを迎えた。みどりさんとつきあっていた俊夫さんに嫉妬しての犯行だった。

  −そして1年後−
僕と真理はまたシュプールへ行った。
そしたらそこにはみどりさんと俊夫さんがいた。
俊夫さんは猫をなでていた。
「あっ透ひさしぶり!」みどりさんはいった
「あの時の事件ってほんとにいちろうさんだけでやったのかなぁ?」
「そんなことはどうでもいいの!もう終わったんだから!それよりこの猫からいいでしょ?」
「かわいい♥」真理はメロメロ・・・・
「名前はなんていうの?」僕は言うと
「ジェニーよ」みどりさんはいった。
「おれのはなしをきけ!」俊夫さんが言った。
「いちろうさん以外も俺の事殺そうとしてるやつがいるんだよ!」
「・・・・・・・」
  つい僕達は黙り込んでしまった。
「だっ大丈夫ですよ。気のせいですって。」
困っている僕を真理が助けてくれた。
「気のせいなんかじゃない!実際俺宛にこんな手紙が来たんだ!!」
そこにはこう書かれていた。 

  「12月24日お前を地獄へ送る。」
「・・・・・・・・・・・・・」
また僕達は黙り込む。
「・・・・!!」
僕はある事にきずいてしまった。
「これって・・・」
どうやら真理もきずいたようだ。
「そうだ!12月24日。つまり今日なんだよ。」
「・・・・・・・」
「そろそろ飯だ。俺は自分の部屋にいる。」
そう言って俊夫さんは奥へ行ってしまった。
  今日、俊夫さんが狙われる?僕は時計を見た。午後6時。後6時間以内に手紙を送りつけた犯人は行動を起こすのだろうか。ただのいたずらだろうか?
夕食の時間になったので、僕達は食堂に向かった。
食堂には、去年の12月24日に、このペンションでいっしょに過ごした人たちがいた。
去年、事件が起きてしまったせいで、警察やらに取調べを受けたりしてゆっくりできなかったことに気を使って、小林さんがあのときの宿泊客を無料で招待してくれたのだ。
  「小林さんさすがやなぁ。」
香山さんが言う。
「ほんと。」
今度は春子さん。
みんなあの事は知らないようだ。よかった。
『ブロロロロロ。』
車の止まる音がした。今ごろくる人がくるようだ。
「カランカラン。」
ドアの鐘の音。
それと同時に大きな声がした。
「やっぱりナイターはやめるべきだったのよ。」
「加奈子ちゃんが行こうって。」
「何よ私のせい?」
若い女の子たちだ。
その時・・・・・
「ぐっぐぉぉぉぉぉぉぉぉ。」
俊夫さんの声がした。
「俊夫君!!??」
真っ先に動いたのは小林さんだった。
「俊夫君たちの部屋からだ!!」
僕達は走った。
俊夫さんたちの部屋の前まで行くと部屋の隙間から血が出ていた。
鍵もかかっていた。
「開けるぞ。」
小林さんがすぐ持ってきた鍵を使ってドアを開けた。
するとそこには真っ赤な血の海が床中に広がり果物ナイフが落ちていた。どうやらこれが凶器のようだ。
俊夫さんはぐったりしていて脈はもうなかった。

  そういたずらではなかったのだ。
  「きゃぁぁぁ。」
みどリさんが床に倒れこむ。
「大丈夫か?」
小林さんが言う。
「何どうしたの?」
「真理来るな!!」
「えっ?」
「実は俊夫さんが死んでいるんだ。」
「・・・・」
「とにかく警察に連絡した方が」
真理が言う。
僕は
「小林さん僕が行って来ます。」
「頼んだ!。」
僕はすぐ大広間に向かった。
大広間にいた人達はみんな何があったんだ。という顔をしていた。すると美樹本さんが
「何があったんだい?」
といってきた僕には何とも言えなかった。
僕は何気なく時計を見た。
まだ7時30分だった。
「電話をかけよう」
「あれ?つながんない?」
  電話線をたどっていくと、ぷっつりと切断されていた。これでは、電話がかけられない。
「一体誰が・・・」
様子を見ていた美樹本も、不安そうな顔をしていた。
「あっ、美樹本さん、携帯電話持ってませんか?」
「駄目だよ。圏外だ。」
「僕ちょっと町に出かけてきます。」
僕は町にでも戻って、警察を呼んでこようと思った。
「あ〜、今出かけるのは無理だと思います。」
メガネの女の子が話し掛けてきた。さっき着いた子たちだろうか。
「すっごい吹雪なんです。とてもじゃないけど運転は無理です。死ぬかと思いましたもの。」
ちょっと太目の女の子だ。
「そうそう、途中から猛吹雪。私の華麗なるドライビングでなんとか、スキー場からペンションに戻ったけど。」
髪の長い女の子だ。彼女たちを見ると、髪の毛がかなり濡れていた。車からペンションに入るまでに、濡れたのだろう。
「透君、町に行こうとしたのは、どうして?」
美樹本さんが聞いてきた。
  しかし、僕は答えなかった。

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